12連戦の初日となった、4月27日。中日ドラゴンズの笠原祥太郎選手が体調不良のため、この日予定されていたナゴヤドームでの阪神タイガース戦の先発を回避しました。
どうも、いろいろなニュースによりますと、不整脈の疑いがあり、以前から症状を感じていたらしいです。4月27日付けの中日スポーツには先陣として意気込みとともに調整する姿の写真が掲載されていただけに、急なことで驚きです。笠原選手は今季の開幕ピッチャーを務め、4試合に登板して2勝0敗、防御率2.75。先発ローテーションの軸として活躍していました。試合前、与田剛監督は、「（本人が）気になるのに、続けさせるわけにはいかない」と話しており、検査などのために出場選手登録は外されるようです。
不整脈とは、脈の打ち方がおかしくなることを言います。ドキドキ動悸（どうき）がしたり、脈をとってみると、どうも異常に遅かったり（徐脈）、逆に速すぎたり（頻脈）、または飛んだり、不規則になったりすることです。また、自分ではまったく気がつかないのに、病院で心電図をとると「不整脈が出ています」と言われて、わかる場合もあるでしょう。
ちなみに、「脈」とは、心臓から押し出される血液の拍動が血管に伝わって感じられるものです。もし心臓のリズムに異常が起きれば、脈は乱れてしまいます。では、そのリズムは何によってコントロールされているのでしょうか。
心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にかすかな電気が流れて興奮し、動く仕組みになっています。例えば、電気が発生しない、または別の場所から電気が流れてしまうと、心臓が規則正しく動かなくなります。つまり、不整脈は心臓に流れる電気の異常や刺激が伝導路をうまく伝わらないことを意味します。でも、不整脈は心臓が悪いから起こるのかというと、実は必ずしもそうではないそうです。
不整脈の原因として最も多いのは、年齢に伴うものや、体質的なもの、つまり心臓病には関係しないものなのだそうです。中高年以上ではほとんどの人に、毎日1～2個の不整脈があるそうです。年をとるにつれ、誰でも少しずつ不整脈が増えて行くとのことです。それに、ストレス、睡眠不足、疲労などでも不整脈は起こりやすくなります。ということは、私にも不整脈はあるということになります。
そういう意味では、誰にでも起こりうるものだと言えるでしょう。
最近では、元･東京ヤクルトスワローズの久古健太郎さんが、2018年の春季キャンプ中に不整脈の症状を訴え、キャンプ途中で帰京し東京都内の病院で診断を受けました。この年はプロ入り後初の一軍登板なしに終わり、戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトに参加。バッター3人を相手に1四球無安打で左バッター2人を抑える投球を見せたものの、不整脈の症状が出てマウンド上でしゃがみ込むトラブルもあり、獲得に手を挙げる球団はなく現役を引退しています。
ドラゴンズでは2000年～2002年まで所属し、31勝を挙げた、メルビン･リン･バンチ･ジュニアさんが、2002年のシーズン途中、先発予定日にナゴヤドームに向かう途中で体調不良を訴え登板を回避。病院で不整脈と診断され、そのまま帰国、退団し、野球選手としても現役引退しています。
いくら鍛えているプロ野球選手でも、不整脈を完封することは難しそうです。笠原選手はまだ24歳でもあり、まだまだ活躍して欲しい選手ですので、非常に気がかりです。
しかし、MLBロサンゼルス･ドジャースの守護神、ケンリー･ジャンセン選手は、2012年から不整脈に悩まされており、昨年末に2回目の心臓手術を受けています。昨年末の手術は元々予定されていたものですが、8月9日の試合前に不整脈を再発し、早くなった心臓の鼓動が収まらず、救急車で現地の病院に搬送されていました。その後は順調な回復を見せ、今季はここまで4試合に登板し3セーブ、防御率0.00と好投を続けています。
ドラゴンズにとって笠原選手の離脱は緊急事態ではありますが、笠原選手の体調不良も、ご本人にとっては緊急事態です。
まずは、笠原選手の体調が一日でも早く、回復することを祈っています。
