週刊ベースボール6月27日号の特集は「闘え! マスクマン」です。
自チームのピッチャーとも闘い、相手チームのバッターと闘い、相手チームのベンチとも闘う。
ある時には、自チームベンチとも闘う(怒られる?)。
もちろん、暑さだって闘う相手です。
闘う相手が多すぎます。
良く言われるのが「抑えればピッチャーの力。打たれれば、キャッチャーの責任」ということです。浮かばれませんよね。
でも、ピッチャーが抑えて、チームが勝てば、それをリードしたキャッチャーの存在は大きく評価されます。
今年、ソフトバンクがこれだけ安定して強いのも、西武から移籍してきた細川という絶対的なキャッチャーがいることが大きいと思います。
元;広島東洋カープの名物キャッチャー達川さんの話として、バッターを抑えるには、キャッチャーの味付けが重要と言っています。
つまり、味付けとはリードのこと。相手の好き嫌いや特徴を観察することだと言います。
そのリードにも100%はない。とにかく、記憶力と感性が大事だと言っています。
「このボールなら、こう打ち取れる」常にいい方向に考えることも重要だそうです。
でも、バッテリーというくらいですから、ピッチャーはどちらかと言うと、イケイケのプラス思考。
それを引き締め、常に最悪も考えるのがキャッチャーでもあるような・・・
以前、違うブログで書きましたが、プロ野球でキャッチャー像を変えたのが、元;中日ドラゴンズの中尾義孝さんだと思っています。
当時、決してスマートでフットワークがいいとは言えなかったキャッチャー像を変えました。
フットワークも軽く、スローイングの速さ、強気のリード・・・彼を最初に見た時の驚きは何とも言えないくらいでした。
そして、元;東京ヤクルトスワローズの古田敦也さん。
ID野球の申し子と言われるほどの頭脳的なリード。持ち前の強肩と堅守。
何といってもワンバウンドなどを無理な体勢で捕球し、送球動作へと移る技術。何といっても12人連続盗塁阻止(1991年)や盗塁阻止率リーグ1位通算10回。と高水準で安定した阻止率は魅せるキャッチャーであったと思います。
(古田2世ではなく、太郎1世を目指して欲しい、マスクマン)
ピッチャーがボールを投げないと試合は始まりませんが、その前にキャッチャーがサインを出さないと試合は始まりません。
試合を作るのも、組み立てるのも、最初のお仕事はキャッチャーですから。
元;広島東洋カープの大野さん(現;チーフコーチ)が言っていましたが
「このキャッチャーのために・・・」
と思ってくれるピッチャーがいてくれることは、キャッチャー冥利につきます。
ピッチャーからの褒め言葉は、キャッチャーにとっての最大の褒め言葉でしょう。
それはヒーローインタビュー以上のものがあると思います。
(人のグラブを研究する、マスクマン。観察力は大事ですから)