「マネー・ボール(原題:Moneyball: The Art of Winning An Unfair Game = マネーボール: 不公平なゲームに勝利する技術)」は、マイケル・ルイスによる、オークランド・アスレチックスを描いたノンフィクション本です。
2011年にはブラット・ピット主演による映画化もされています。
ちなみに日本版の副題は「奇跡のチームをつくった男」です。
アスレチックスと言えば、来シーズンから前埼玉西武ライオンズの中島裕之が先日、入団会見したばかりですよね。
ここ数年、メジャーからNPBへ戻ってくる野手が多くなってきました。
NPBからメジャーへ行く際には、日本での年棒をはるかに上回る金額を手に入れて、アメリカンドリームを掴んだようにも思えます。
でも、ピッチャーとは違って、野手の場合には一部の選手を除いて、その活躍があまり長続き出来ていません。
それらの選手がNPBに戻ってくることは、それはそれでいいのですが、その選手を巡ってのマネー・ボールには驚きです。
日本にいた時よりも、軒並み年棒大幅アップ。メジャーでは大した成績を残していないにも関わらずですよ。
しかも、戻ってきた時の成績は、メジャー移籍前よりもダウンする選手が多いのですしね。
先日の報道では、球団側の2年契約4億円と3年契約6億円と二球団からオファーされているところへ、逆提示の3年15億円(出来高含め)の仰天要求だそうです。
こうなると、「結局、金かよー」という目でメジャー移籍も思えちゃうのですよね。
それに、正直そこまでの価値がある選手だとは思えません。年齢的にも下り坂ですし。
「マネー・ボール(奇跡のチームをつくった男)」どころか「マネー・ゲーム(多額の金額を手に逃げた男)」になりかねません。
(まあ、本人の活躍次第でしょうけど)
さて、「マネー・ボール」に話を戻します。
この映画の見どころと言えば、メジャーリーグ最低クラスの年俸総額(2012年は30球団中29位)でありながら、黄金時代を築きあげるというもの。
あのタレント軍団のニューヨークヤンキースの1/3程度の年棒総額にもかかわらず、毎年のようにプレーオフ進出を続けているのです。
まさしく「不公平なゲームに勝つ技術」を実現させたものなのです。