野球小僧

天災は忘れた頃にやってくる / 寺田寅彦

9月1日は「防災の日」、そして9月は「防災月間」です。1923年9月1日に発生した関東大震災を忘れないために設けられました。

「天災は忘れた頃にやってくる」は、寺田寅彦さんという物理学者が講演の中での発言したものだとされています。寺田寅彦さんは第五高等学校(現;熊本大学)で夏目漱石さんに英語を習い、俳句結社に参加したことから、生涯親交を結び、「漱石の一番弟子」と呼ばれることもある方です。また、夏目漱石さんの小説「吾輩は猫である」に登場する水島寒月は、寺田虎彦さんがモデルとされています。

さて、東京都など6つの都府県に発令中の緊急事態宣言(もはや何度目かは?)は、再び延長されました。

新型コロナウイルスの新規感染者数が各地で過去最多となり、重症者も増えている現状について日本政府は、「東京の医療体制は極めて厳しい状況にあると思っている。そうした中で、国民の命を守るのが、政府の最大の責務だ」と述べました。

そのうえで、「自宅にいる患者には必ず連絡がとれるように、自治体と連携するとともに、たとえば、酸素の投与が必要になった場合『酸素ステーション』を設置して対処する体制を、これから速やかに構築するように、関係大臣に指示した」とし、いわゆる「抗体カクテル療法」として新たに承認された治療薬について「集中的に使用できる拠点を作って、体制を近いうちに整備する」としました。また、「2021年10月初旬までに、(希望する)国民全員の8割にワクチンを2回接種できる体制を構築している」と強調しました。

最近、急に耳にするようになってきた「酸素ステーション」。早い話が、「入院が必要な患者に対し、搬送先が決まるまでの間、応急処置として酸素投与をする緊急施設」というものだそうです。神奈川県では、2021年8月7日からすでに「かながわ緊急酸素投与センター」を横浜市で開始し、最大24人の患者を受け入れ可能で、約10人の医療従事者が対応しています。神奈川県はこの施設を医療体制のひっ迫時に備えて今年2月から準備していましたが、病床不足が顕著となり今月から運用を開始しています。

また、「抗体カクテル療法」ですが、今年7月に厚生労働省が新型コロナウイルス感染症の治療薬として特例承認していたもので、50歳以上や糖尿病、慢性腎臓病、慢性肺疾患などの持病がある重症化リスクが高い軽症・中等症患者を対象にして、東京都や大阪府などで導入されています。新型コロナウイルスの感染を防ぐ「カシリビマブ」と「イムデビマブ」の2種類の中和抗体を組み合わせた点滴を投与するというものです。中和抗体はコロナウイルスの表面のスパイクタンパクにくっつく抗体で、それによって感染細胞のウイルス受容体が体表面の上皮細胞などに結合しなくなるため、感染が体内に広まらなくなる仕組みだそうです。この「カシリビマブ」と「イムデビマブ」は人工的につくられた抗体で、「モノクローナル抗体」と呼ばれ、米国のドナルド・トランプ前大統領は、このカクテル療法を採用し、1週間でコロナを完治させたらしいです。

ネーミングはともかくとして。

さて、過日、現在の新型コロナウイルス感染拡大状況を「災害級」と位置付けたどこかの知事がいました。ちょうどお盆休み中の大雨の影響などで被災している人々に配慮したうえで、「見えるか、見えないかの違い。雨粒が重なって水流になり、1人1人の行動によって人流が増える。結果として同じ災害」と、感染が広がるデルタ株への国民や都民の意識を高めるたとえとして、「雨はお天道様の気象条件、コロナは私たちの意思があれば助かることが出来る。土砂降りが続いている中で、家の中が飽きたからといって傘もささずに外には出ていかない。(コロナは)見えないけれども、ものすごい雨。(デルタ株は)強さが違う」「昨年はじめからのコロナで、最大級、災害級。最大限のレベルで敵が違う。命を守る行動がつながるようにお願い致します」と語気を強めと、注意喚起を呼び掛け、外出自粛などを依頼しました。

空のプールの栓が抜けたように、これでもかとばかりに降り続く大雨、そして、全国で1日2万人を超えた新規陽性者。いいたくなる気持ちはわかります。

しかし、大雨は気象科学の進歩である程度予測できるものの、自然の驚異は人知をはるかに超えたもので、今回は上空に大量の水蒸気が流れ込む「大気の川」と呼ばれる現象で発生しているという。本当に突然な自然現象の猛威の前には、いまだに早めの避難しか防ぎようはないと思います。

一方の新型コロナウイルス感染症は1年半以上も前から世界で流行りだし、2020年2月に日本に上陸しながら、いまだに飲食店への時短と自粛生活への「お願い」施策がばかりです。しかし、まったく終息どころか、収束する気配もなく勢力を増すばかりです。

先週、全国知事会からは、「個別の都道府県、自治体のコントロールが困難な局面に至った」といわゆる「ロックダウン(都市封鎖)」に近い抜本的な対策を求める緊急声明も出ましたが、日本政府は、「世界でロックダウンする、外出禁止に罰金かけても、なかなか守ることができなかったじゃないですか。やはりワクチンだということで、人流の抑制と同時に、そういったことにしっかり全力で取り組んできています」と、やや逆切れ気味で述べています。

海外では感染が再拡大した台湾、ニュージーランドやオーストラリアでは先手先手の対策で感染拡大を最小限に抑えているという。

片や自然の成り行きに任せているかのような施策のままですから、「コロナは災害」ではなく、正しくは「コロナは人災」というべきかもしれないと思えてきます。

今日も、私のブログにお越しいただいてありがとうございます。

今日がみなさんにとって、穏やかで優しい一日になりますように。そして、今日みなさんが、ふと笑顔になる瞬間、笑顔で過ごせるときがありますように。

どうぞ、お元気お過ごしください。また、明日、ここで、お会いしましょう。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

総理大臣、厚生労働大臣、新型コロナ対策担当大臣、内閣府特命担当大臣(新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当)と東京都知事がいます。

みなさん、一人ひとりは(それなりに)真摯で真面目に取り組んでいる(と一応は願っています)にも関わらず、結果としては的外れな公式見解、希望的観測に基づく対処、責任回避的行動が生まれるばかりとしか思えませんので。

ここ数日、あまりこの方々をニュースで観る機会が減ってきたと思えるのですが、露出が減ったのか、私が無意識に観ないように身体が拒否反応を起こしているのか。
まっくろくろすけ
象が転んださん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

「抗体カクテル療法」も早期に対応しないと効果がほとんどないようですね。

また、変異株に対しての情報もよくわかりませんし、そもそも、数多くの自宅療養者への対応すら、はっきりしていないのですしね。

危機管理においては、「最悪に備えよ」とか、「絶望的に準備して、楽観的に対処せよ」という格言がありますが、今現在の状況で考えられる最悪の事態を想定して、その準備をすることが望まれます。

その点において、今のいろいろな状況に対しては各省庁の利害や責任の所在が曖昧であり、初動が遅れ、対応が後手後手になってしまったと思えます。
eco坊主
おはようございます。

>「コロナは災害」ではなく、正しくは「コロナは人災」
↑それ以外のなにものでもありません!
昨年もっと医療のことに手が打てていれば救える命があったでしょうに・・・(タラレバですけど)返す返すもお友達優先総理二人が悔やまれます。


自分にできる事をしっかりやります!
笑顔の生活は戻って来ると信じて!!
lemonwater2017
象が転んだです。
トランプの回復とモノクローム抗体、勉強になります。トランプの時は米英株でしたから助かったものの、デルタ株だったらどうなったことか?

太平洋戦争も、それ以前の日中戦争時に危機意識を持って回避してたら、大都市空襲も原爆投下も無条件降伏もなかったかもです。
コロナ渦もオリパラ開催もアフガン救出も皮肉にも同じ結果となりそうですが。危機の意識も対策も先手先手で打たないと、取り返しのつかない大きな災害(人災)に繋がる事が証明された結果になりましたね。
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