興味はありませんでしたが、一時期ワイドショーにまで登場した大塚家具のお家騒動は記憶に新しいと思います。
もう一つ、日本と韓国を股にかけたお家騒動がこの夏ありました。
「お口の恋人」ロッテです。
ロッテと言えば、日本ではお菓子メーカーですが、韓国では百貨店や量販店などの流通業、製菓、化学と多種多様な事業を展開する、同国5位の一大財閥です。傘下の企業は日本の37に対し、韓国は74社となっています。
日韓まとめた、ロッテホールディングス(HD)のグループ決算は2014年売上高は6兆5000億円、営業利益2300億円、総資産8兆9000億円ですが、売上高の90%以上は韓国ロッテが占めています。しかし、日本ロッテは韓国ロッテグループにおける持株会社的な存在のホテルロッテの株式19%を持つ筆頭株主という構図です。
これまでのロッテグループは、創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩)氏の長男・重光宏之(韓国名・辛東主)氏が日本ロッテ、次男の重光昭夫(韓国名・辛東彬)氏が韓国ロッテの経営を任されて、お互い不可侵状態を保ってきていました。
しかし、昨年末に宏之氏がグループ3社の取締役を解任され、今年1月にグループの持ち株会社ロッテHDの副会長の座からも外されたことをきっかけに、兄弟ゲンカへとなったのが発端です。
1月 宏之氏が日本ロッテHD副会長を解任
7月15日 昭夫氏が日本ロッテHDの定期役員会で代表取締役に選任
7月27日 宏之氏が武雄氏とともに日本ロッテ本社を訪れ、武雄氏以外の日本ロッテHDの全取締役の解任を発表
10月8日 宏之氏が昭夫氏を提訴
しかし、解任は株主総会の決議事項であり、まったく有効なやり方ではないため、日本ロッテHDは取締役会を開き、宏之氏による解任通告は無効であることを確認し、武雄氏が持つ代表権を外す人事を発表します。
また、韓国ロッテは「本事案は日本ロッテHDの取締役会の独立した議決事項。韓国での事業とは直接的な関係はない」と発表します。
ロッテは創業者の武雄氏が戦後の闇市でゴムを手に入れ、それに甘い味付けをしたガム(もどき)を売るところから商売を始め、財をなします。1966年に母国・韓国に進出し、日本円が韓国ウォンよりも強かったこともあり、日本で稼いで韓国で投資する方式で、事業を拡大していきます。
その成功の証の一つがプロ野球チームのオーナーです。
武雄氏は野球好きで、日本では千葉ロッテマリーンズ、韓国ではロッテジャイアンツと2つのチームを所有しています。
ロッテオリオンズ時代に監督を務めていた金田正一さんは「(千葉)ロッテは毎年赤字の連続で、普通のオーナーならとっくに手放している。それを広告宣伝費という名目で黙って補填してきた。武雄さんは義理堅く、一度引き受けたものは最後まで責任を持つ。武雄さんだからこれまで身売りしないで持ちこたえてきた」と言っています。
確かに、以前は万年Bクラスでパ・リーグのお荷物とまで言われたチーム。しかも、一時期はシーズンオフの度に身売りがニュースになっていましたが、武雄氏は絶対に手放そうとしなかったそうです。
ですが、今回の騒動で、その武雄氏が完全に経営から外れることになりそうなのです。
日本のロッテグループは利益を上げており、連結の千葉ロッテマリーンズだけが赤字状態です。
次期トップに立つ昭夫氏は武雄氏ほど野球好きではないとの報道もあり、今シーズンオフにマーリンズが身売りされる可能性もあるのではないかと思います。
今日からクライマックスシリーズのファイナルステージを戦うマリーンズ。
このお家騒動が杞憂であればいいと願います。そして、5年周期説(http://blog.goo.ne.jp/full-count/e/5e1f7b7cbf7b6a46d0acd3f42a82c5f9)を証明して欲しいです。
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