共有部分というのは個々の住居以外の場所であり、マンションでいえば玄関(エントランス)や廊下、エレベーターなどが該当すると思うのですが、それらを照らす照明の電気料金に関しては自治会で決めても問題ないと思います。収める自治会費ないし管理費は居住者が公平に負担するものなのですから当然かと思うのです。
然し乍ら、個々の住居で使用される電気料金は一律にはなりません。多く使う世帯もあれば少なくする様に工夫している世帯もあります。
そんな中に世帯全体が同じ会社を使うとなると安くなる世帯と割高になってしまう世帯が出てきてしまいます。況してや世帯ごとに得ている糧(収入)にも違いがあるのですから尚更です。
それだけに裁判でも反対派の意見が尊重されるのは当然の流れかと思います。
話を横道に逸らしますが、マンションの中でも管理人を常駐させているタイプの建物は殆どがポスティング禁止となっています。勿論、管理人がいないタイプのマンションでも禁止にしている場所は沢山あります。
私はポスティングの仕事を長らくしているのですが、マンションを見る度に、
“いつから、誰が勝手にポスティング禁止と決めて良いと言ったのか”
と思っています。
まぁ、一応は自治会などでポスティング禁止の取り決めをしたからだというのが大概のマンションの意見でしょうが、確かに自治会が決めたことは一理あるとしても、マンション住人は外に出て糧を得る立場であり、自分たちだけでは米粒一つ作ることさえできません。常に社会※と接しながら日々を過ごしている訳です。これは至極当然な、曲げようのない現実です。※社会=国民全体。以下同様
そうであれば、社会が困らない様に(=自分たちが困らない様に)歩み寄る部分があるべきなんです。どれだけ自治会で決まったことだとしても、それを社会が許してくれるか諮るべきなんです。双方が話し合い、きちんと互いの立場を尊重する為に必要な取り決めをするべきなんです。今までに何処かのマンションが社会に諮ったことがありましたか? きちんと社会と共生・共存する為の取り決めを話し合ったことがありましたか?
そもそもポスティングの可否なんて個々の判断で決めるべきなんです。冒頭でも触れましたが、個々の糧を得る手段は同じではありませんし額も同じではないんです。たった一枚の紙切れであれ、そこには大概に於いて自分たちが絡んでいるんです。それを一方的に否定することは自分たちの糧を得る手段をも否定しているのと同じです。
もし全体で禁止にするなら、そこから派生する全ての事柄を甘んじて受け入れないといけないんです。それまでをも否定するなら自己中心的と原理は同じです。