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福 風

心にとまった物や想いを集めて。穏やかな風が吹きますように。

母の七回忌

2007-11-27 | 暮らし向き



早いもので母が亡くなってもう6年経った。
病院で息を引き取ったのが、ついこの間のことのように思い出される。

七回忌を迎えるにあたり、父と二人で、母の兄弟姉妹、つまり私の叔父伯母に知らせるかどうか悩んだ。
もう彼らも高齢となり、田舎から、また遠方から足を運んでもらうのは申し訳なく思えたからだ。本人が出席できないとなると、その子供、つまりいとこが変わりに出席することになる。それまた申し訳ない。

というのは実は建前で、本音は、母が亡くなり、三回忌を済ませてからというもの、ほとんどといっていいくらい交流がない。
『死んでしまったらおしまい』と伯母が口にしていたが、その通りだと思う。
母あってこその親戚付き合いだったのだ。
元来、人付き合いが苦手な父と、その娘である。
結論として、父・私・連れ合いの3人だけで、お寺での法要をお願いした。
生きている私たちは、口うるさい年寄りからの小言を聞かずに済んだわけだが、
仏様となった、法事の主役の母にとってみれば、どんなにか寂しかっただろうと思う。

生前の母は、民生委員で地域の方のために働くような、娘の私が言うのもおかしいかもしれないけれど、徳のある人物だった。
誰かが入院したと聞くと、必ずお見舞いに顔を出し、お手製のスープを持参するような人だった。フルタイムでの役所勤めをしていても、人の難義には何かしら手助けをするようなそんな人だった・・・。
だから、なおさら、そんな母が存在しないことが、そしてその母の存在が忘れられていくことを寂しく思う。

お寺さんでお経を聞きながら思った。
母さんは、今頃向こうの世界で幸せにしているだろうか、
母のことだから、きっと向うの世界でも他の人のお世話してるんだろうな。

失ってから気づく、大切なものの存在。
そう思うと、この色とりどりの菊の花も、美しくいとおしく思える。
奥道後で開催されていた大菊花展にて。







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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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天国で・・・ (一歩ずつ)
2007-11-27 21:14:34
読ませてもらって思わず涙ぐんじゃいました。
ふくさんはお母さんのことが大好きだったんですね。
こんな優しいふくさんのお母さんなら、おっしゃるとおり天国でも人のお世話してきっと幸せに過ごしていますよ。
母があっての親戚づきあい、これもそのとおりかもしれませんね。
ご存じのとおり、この親不幸の私が言うのも失礼な話ですが、ふくさんたちがいつまでも今のお母さんへの気持ちを忘れずにいることが、お母さんもきっと一番嬉しいことだと思います。
こんな私がこんなコメントをして、気を悪くされたら・・・。すみません。
もし、気を悪くされたらこの記事は遠慮なく削除してくださいね。
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無題 (ふく)
2007-11-30 19:57:24
一歩ずつさん。いつも思いやりあるコメントをいただきありがとうございます。

母にとって、いい娘では決してなく、また、私にとっても、いい母であったかというと、必ずしもそうではなかったと思います。
だけれども、たくさんある親子の形には、たぶん良し悪しなんてないのかなと思ったりしています。

母の生き様から、今になってたくさんのことを考えさせられています。行き詰ったとき、母ならなんと言うだろうかと思ってみたり。
姿はないけれど、確実に心の中では大きな存在です。

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