「星を読む会」主催、第56回福井読書感想交換会が令和5年3月22日(水)午後7時から、福井県立美術館横「美術館喫茶室ニホ」で行われました。
課題図書は、「ある男」平野啓一郎(文藝春秋)。
映画化もされた話題作。
会員の皆さんはどんな風に読んだんでしょうか。一人ひとりからご意見をお伺いしました。
A おもしろく読めた。1月に読書会をする予定だったので、もう一度流し読みで読んだ。
すり替えのからくりがどんどん暴かれていくやりとりがおもしろい。あしらわれつつも確信に迫っていく。
城戸と美涼の新幹線内でのやりとりも興味をひかれた。
2回目読んだ時に気づいた点も多い。
B 最初に読んだ一文に少々、作者の読者への教養を試すような点に違和感を感じることもあった。
里枝の家庭、美涼の事情を読んで、城戸の立場にたって子供のために維持しなければいけない家庭とはどんなものか。
C この本は、映画が始まる前10月に読んだ。
宮部みゆきの『火車』や松本清張の『砂の器』が頭に浮かんだ。
奥さんが浮気してたことを知ってもう一度読み直さなければと思った。
映画でどのように表現するか興味があったが、不倫がバレるシーンはLINEの画面がはっきり出ていた。
もう一度城戸の視線で読んだ。宮崎への出張が疑われたのか。
D 三回読んだが、特にさらっとした感想しか言えない。
「ある男」とは、城戸のことではないか、
と読んだ。
と読んだ。
戸籍売買の話や在日韓国人の話など。
E 映画化された時におもしろそうと思った。
里枝視点ではなく、城戸視点で話が進んでいった。
他の方の感想が色恋が多くておもしろく聞いていた。
息子の俳句が心に残った。
F 2回読んで映画をみた。映画は残念に思った。
美涼と城戸の関係。城戸はもてる男。
映画では、美涼のキャスティングが弱かった気がする。
小説と映画のリンクができなかった。
新幹線内の話が印象に残っているだけに映画でカットされていたのは残念。
平野啓一郎らしい書き方が随所に見られる。
カウンターでのシーンは違和感を感じた。城戸に恋心を伝えるシーンだったので、ここでくるかと思った。
ここからは、雑談形式で皆さんの書評をお聞きしました。
・報告書を読んだ里枝の子供について
・不倫願望とは
・「ある男」とは
→自分とは何なんだろう
・城戸の人間像がねじれていく感じ
・子供にいっている、ぎすぎすしている
・過去を偽っても家庭を築きたいと思った
・平野啓一郎は「マチネの終わりに」の映画がおもしろかった
・結婚する人はもうちょっと過去が分かる人じゃないと
・主題は「アイデンティティーは何で固められるのか」
・過去があって自分がある
・3勝4敗主義
・在日というラベリング
・「分人」
→役割を使い分ける
・表紙の人は誰か
→?マークにも見える
アイデンティティー論、恋愛としての小説、いろんな意見が出ていました。色々な話題が出てかなり盛り上がりましたが、ここで定刻となり読書会お開きとなりました。参加された会員の皆様、お疲れさまでした。
次回57回福井読書感想交換会は、令和5年5月31日(水)19:00から。
課題図書は、「ライオンのおやつ」小川糸(ポプラ文庫)を取り上げます。
時節柄健康に気をつけ、読書ライフをお楽しみください。
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