長さおよそ80メートルの シュプリュアー橋 ・・・
橋の屋根より高い尖塔が見えます。
その下には小さな礼拝堂があります。
橋の途中の礼拝堂といえば、
ベトナム ホイアンの 日本橋 ・・・
信仰の対象は違いますが、人の思いは同じですね。
さて、シュプリュアー橋を飾る絵 ・・・
元々 絵は67枚あったそうですが、
現存するのは45枚です。
絵が描かれたのは17世紀 ・・・
カペル橋 の絵と同じ時代です。
注: 画家は別。
絵は街の有力者からの寄贈 ・・・
絵にスポンサーの紋章が描かれていることも同じです。
しかし、モチーフは大きく違います。
シュプリュアー橋のなんとも不気味な絵 ・・・
これは 『Dance of Death 死の舞踏 』 と呼ばれる
中世のヨーロッパで流行した絵のジャンルです。
人の死をテーマとした絵 ・・・
生きとし生けるものは身分の貴賤に関係なく、
誰もが死を避けることができない ・・・
そんな死生観を描いている絵です。
ペストの蔓延 ・・・ 度重なる戦 ・・・ など、
生死の境が混沌としていた時代の、
命の儚さから生まれた絵といえるでしょう。
中世の人々の明日をも知れぬ身 ・・・
だからこそ、いまを生きることを大切に ・・・
そんな願いから、
これらの絵が飾られたのではないでしょうか。
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