JFK-World 世界の撮影・取材地トピック

Freelance Film Director
TV-CMおよびTVドキュメンタリー番組のディレクター & カメラマン

シュプリュアー橋 4

2018年04月17日 | ヨーロッパ

長さおよそ80メートルの シュプリュアー橋 ・・・



橋の屋根より高い尖塔が見えます。



その下には小さな礼拝堂があります。
橋の途中の礼拝堂といえば、
ベトナム ホイアンの 日本橋 ・・・
信仰の対象は違いますが、人の思いは同じですね。



さて、シュプリュアー橋を飾る絵 ・・・



元々 絵は67枚あったそうですが、
現存するのは45枚です。



絵が描かれたのは17世紀 ・・・



カペル橋 の絵と同じ時代です。

注: 画家は別。



絵は街の有力者からの寄贈 ・・・



絵にスポンサーの紋章が描かれていることも同じです。



しかし、モチーフは大きく違います。



シュプリュアー橋のなんとも不気味な絵 ・・・



これは 『Dance of Death 死の舞踏 』 と呼ばれる
中世のヨーロッパで流行した絵のジャンルです。



人の死をテーマとした絵 ・・・



生きとし生けるものは身分の貴賤に関係なく、
誰もが死を避けることができない ・・・



そんな死生観を描いている絵です。



ペストの蔓延 ・・・ 度重なる戦 ・・・ など、



生死の境が混沌としていた時代の、
命の儚さから生まれた絵といえるでしょう。



中世の人々の明日をも知れぬ身 ・・・



だからこそ、いまを生きることを大切に ・・・
そんな願いから、
これらの絵が飾られたのではないでしょうか。

JFK-World
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