国土交通省が公開する資料によれば、日本には849万戸の空き家が存在し、倒壊などによる周辺住民への影響が懸念されています。
そして、ネットで空き家に関することを調べると「固定資産税が6倍になる」などのニュースを見かけますが、本当でしょうか。
空き家の固定資産税が本当に高くなるかご紹介しましょう。
空き家の固定資産税は、高くなる可能性がある
空き家の固定資産税が高くなるといわれますが、土地部分にかかる固定資産税が本当に高くなります。
とはいうものの、全ての空き家の固定資産税が高くなるわけではありません。
町中に所在し、腐朽しつつ倒壊する虞がある、破損した浄化槽が露出しつつ汚物による悪臭が漂う、壁が剥がれ落ちるなどしてアスベストが飛散している、不法投棄が横行しつつ大量のごみが放置されているなど、周辺環境に影響を与える虞がある空き家の固定資産税のみが高くなります。
一般的な空き家や、マンションの一戸などの空き家の固定資産税は高くなりません。
倒壊しつつ周辺環境に影響を与えている、もしくは今後与える可能性があると市町村が判断すれば、その空き家は特定空家等と見なされます。
特定空家等と見なされれば、空き家の所有者に対して、市町村長から必要な措置をとるように指導や、どのような措置をとるべきか助言が行われます。
指導や助言に従い、空き家の所有者が必要な措置をとれば、固定資産税は高くなりません。
固定資産税が高くなるのは、指導や助言を無視することより市町村長から発せられる勧告を受けた後です。
勧告を受ければ、その翌年から空き家が建つ土地にかかる固定資産税が徐々に高くなります。
ただし、固定資産税には負担調整措置があることにより、6倍までは高くなりません。
空き家の固定資産税の詳細は、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」で公開するコンテンツ「空き家を放っておくと固定資産税はどうなる?」にて詳しくご説明中です。
同コンテンツでは、特定空家等と見なされつつ勧告を受けることにより、どの程度まで固定資産税が高くなるか、具体的な倍率をご紹介しています。
空き家の固定資産税が心配な方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。それではまた次回の更新でお会いしましょう。「わかりやすく解説 | 不動産のあいうえお」でした。