シーズン1 第9話 The One Where the Underdog Gets Away (感謝祭の大騒動)
原題は「アンダードッグが逃げた話」
セントラルパークの店長にお願いしているレイチェル。
レイチェル: Terry, I know I haven't worked here long, but I was wondering, would it be possible, if I got a $100 advance on my salary? (テリー、ここでまだ長くは働いてないことはわかってるわ。でも、お給料を100ドル前倒しで、もらえたりするかなー、って思ったりしてるんだけど。)
I was wondering if...で、「・・・かどうかと思っていたんですが。」という意味です。
この場合は、「100ドル前倒しでもらうことが可能かどうか」について、どうかな、いけるかな、と思い悩んでいたという意味になります。
これは遠回しな言い方で、上司に休暇を申請する場合に厚かましくならないようにお願いする場合などにも、I was wondering if I could take a day off. 「一日お休みをいただきたいのですが・・・。」という風に使えます。
さすがのレイチェルも、いきなり、前倒しで下さいとは頼めないようで、精一杯、控えめにお願いしています。
ジョーイが何故か化粧をしてセントラルパークに入ってきます。
ジョーイ: As of today, I'm officially "Joey Tribbiani: actor/model." (本日をもって、俺は正式に「ジョーイ・トリビアーニ: 俳優兼モデル」になったんだ。)
チャンドラー: I was thinking you look more like "Joey Tribbiani: man/woman."
(俺には、「ジョーイ・トリビアーニ: 男兼女」に見えるけど。)
as of todayは、「本日をもって、本日付けで」という意味です。
確かに、モデルというよりも、ちょっと女っぽいメイクのジョーイであります。
ロス: You were right. How can they do this to us? It's Thanksgiving!
(モニカの言ったとおりだったよ。うちの両親は僕らに何て仕打ちをするんだ。感謝祭だぞ!)
感謝祭に家にいない両親に大激怒のロス。
Thanksgiving Dayとは、米国の祝日で、11月の第4木曜日。
イギリスから1620年 Mayflower号で新天地アメリカにやってきたPilgrim Fathers(英国清教徒団)が、秋の収穫を神に感謝し祝ったのが始まりと言われています。
今回のエピソードにも出てきますが、roasted turkey(七面鳥の丸焼き)やパンプキンパイなどを食べるのが習わしです。
ところで、どうしてロスはこんなに怒っているのか?
アメリカ人にとっては、感謝祭は、家族が揃って食事をする大切な行事のようです。
アリーmy Loveで、アリーの同僚のジョージア(アリーの元カレの奥さん)が自分の悩み(確か不倫?)で頭がいっぱいで、感謝祭の七面鳥(焼く前のもの)を買い忘れたと言ったら、みんなに「主婦失格」みたいに非難されてた、というシーンがありました。
彼女は弁護士でキャリアウーマンですが、それでもそれを買い忘れただけで攻撃されてしまうほど、アメリカ人にとっては重要なイベントなのでしょう。
フィービーを感謝祭に誘うモニカ。
So you're free Thursday, then? (それじゃあ、木曜日は予定空いてるのね?)
フィービー: Yeah. Oh, can I come? (えぇ。あっ、私、モニカの家に行ってもいい?)
ここで、日本人が間違えやすい、comeとgoの話をします。
come=来る、go=行く、と覚えている人が多いのですが、実はちょっと違います。
comeは、話し手の方へ誰かが来る場合、さらに、相手の方へ行く場合にも使います。
ここでフィービーの使っているcomeは、「相手の方(モニカの家)へ行く」という意味です。
また相手が今いる場所でなくても、相手が行こうとしている場所へ一緒に行きたいという場合もcomeを使います。
"We're going on a picnic today. Will you come, too?" "Yes, I'd love to come with you."
「僕たち今日、ピクニックに行くんだけど、君もどう?」「私も一緒に行きたいわ。」という感じです。
つまり、comeは、"話者がイメージしている場所、話題の中心となる場所"に向かう、近づく、というのが基本的な意味になるのです。
一方、goは、イメージしている所とは、別の場所に行く、という意味になります。
日本語の、来る、行くは、あくまでも"話者のいる場所"を起点にして考えているという点で異なります。
ロス: Well, I'm off to Carol's. (キャロルの家に行ってくる。)
be off toは、「・・・へ出かける、出発する」という意味。
もともとoffは「・・・から離れて」という基本的な意味がありますが、今いる所から離れて(off)、・・・へ(to)向かう、ということですね。