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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

聡いのはカラスかふくろう?

2013年12月11日 09時52分37秒 | イタリア・文学

今日も朝から霧・・・
窓から霧が入り込んでくる感じで本当に骨から冷えます。

さて、今朝はこれからいくつか事務的なことをこなさないといけない。
全てが午前中だけで済んで授業にいければ良いけど、まずないだろうなぁ・・・
授業にいけなくても、全てが半日で済めば御の字。

さて、試験を受けられなかったおかげ(?)で、昨日は普通にラテン語の授業に出たのですが、授業の最後の最後に面白い話を聞きました。
文法関係に関してはまだまだなのですが
教授が時々はさむローマ人の”得”の話とか、歴史と言って大ローマの歴史の中ではとるに足らないエピソードなどはとても面白い。
教授曰く授業が重いので(ラテン語を勉強したことのないイタリア人も少ないけどいるので)時々息抜きを入れないとという粋な(?)計らいなんですね。
そして昨日も私の琴線に触れたお話がありましたよ。
もっと詳しく聞きたかった。
ただ、ギリシャ神話はそんなに詳しくないので、昨晩いろいろ探してみたのですがこの件に関して書いてあるものが見つからなかったので、間違えていたらごめんなさ。

Minerva(ミネルヴァ、ギリシャ語名)もしくはAtena(アテナ、ラテン語)という女神をご存知ですか?
詩・医学・知恵・商業・製織・工芸・魔術を司る女神。
彼女の脇には彼女が好んだというふくろうがいつもいます。

ふくろうは知恵や聡明さの象徴。
イタリアでも幸せをよぶと言われ好まれています。
アテネの聖なる鳥ということで、ギリシャ版の1€の裏側にはこの鳥が刻印されています。

ちなみにイタリア版はレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な”人体図”です。

しかし、実はMinervaが好んでいた鳥のは最初はふくろうではなかったって知っていますか?

cornacchiaと教授は言っていたのですが、私はその単語を知らなかったし、ピンとも来なかった。
もちろん帰って辞書を見たわけです。
なんとこれカラスでした。
カラスはcorvoだと思っていたのですが・・・まぁ違いはほとんどないみたいですけど。
そして「不吉な予言(予告)をする人、(特に女性の)おしゃべりな人」というのを発見。
はは~ん、納得。
実はこのカラスがふくろうの前にアテナの一番お気に入りの鳥だったんですと・・・信じられん
あの私たちがイメージするカラスですよ・・・こちらのはちょっと小さいですが。
まぁいろいろ調べてみると、カラスはもともと白かったとか。
まぁそれなら納得できるかも・・・

何でもMinervaがアテネで一番重要な宗教行事Panatenne(女神アテネにささげられた全アテネ祭)
Minervaがこの祭事で使うかごの中に”秘密”を隠してアテネの王の娘に預けました。
するとこの娘、女性ながらの好奇心でそのかごを開けてしまいます。
それを見ていたカラスはそれをMinervaに告げ口、この告げ口がMinervaを怒らせ、カラスはMinervaのそばから去らなくてはいけなくなった、とか。

ここにはパンドラの箱に似てると思ったほか、まずは女性の好奇心は抑えられないという揶揄する部分とからすが辞書で見たようなマイナスな「おしゃべりな人」という要素がこめられています。

これはOvidio(オウィディウス)のAmores(愛の歌) 2,6(il pappagallo di Corinna・コリンナのおうむ)の中のエピソードです。
興味が有る人は是非原文を読んで翻訳して私に教えてください。
この詩は死んだおうむについて書かれているのですが、内容は面白いですよ。(まだ半分しかやってないのですが)
そのほかにも昨日は死んだ猫が自分のことを語った墓碑(epitafio della cagnolina Margarita)も読みました。
ローマ人は結構こういう遊び心を持っていたそうで、動物が死後自分の人生を語る墓碑が結構あるそうです。
こういうのが読めると確かに面白いかも・・・と思う反面これも試験をパスしないといけないので、寄り道ばかりはしていられないと、強く思った昨日でした。

でも勉強って基本的にそういうものだと思うんですよね。
確かに試験のためにそれだけを勉強しなければいけないと思いながら、やはりそこから派生していくことも落とせないと。
ということで温かい目で見守ってくださいね。

やばやば、そろそろ行かなきゃ。

p.s ラッキー!!
教授の面談時間が午後になり、午前中に1箇所済ませて授業にも出られた。
これから図書館に本を探しに行って、その後教授にサインをもらいに行ってきま~す。
それにしても寒いなぁ・・・



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