昨晩「マツコの知らない世界」を見ていてふと思い出したんです。
テーマは「ステンドグラス」だったのですが、そういえば大浦天主堂にも素敵なステンドグラスがあったなと。
どうやらこのステンドグラスが日本最古らしいんです。
ちょっと検索していたら、昨日「マツコの知らない世界」に登場していたステンドグラス職人の方のブログに行きつきました。
歴史など非常によくできてます。(こういう人だからテレビのオファーが来るんでしょうが…)
彼曰く19世紀にフランスから贈られたこの「キリスト磔刑」こそが日本最古のステンドグラスだそうです。
オリジナルは1945年、原爆の爆風で大破してしまい、戦後パリで修復したものです。
ステンドグラスが教会に多いのは、ちゃんと理由があります。
とにかく暗かった教会では、光を取り入れるために色々な努力が必要でした。
ステンドグラスはゴシック美術と共に目覚ましく発展します。
というのもゴシック期に入り、建築様式が著しく発達し、建物は上に高く、大きな窓も付けられるようになりました。
いち早くゴシック美術の嵐が吹いたフランスにステンドグラスの傑作が多いのもそのせい。
反対に、ゴシック美術の影響が少なかったイタリアでは、大作はミラノの大聖堂くらいしか残っていません。
ただ、光を取り入れるためだけなら、何も透明なガラスを設置すれば良かったのでは?
しかし、ここにもちゃんと理由があります。
光に色を着けることによって、教会を訪れた信者たちが、その光を通して”奇跡”を見ることが出来るから、というわけ。
「なんのこっちゃ?」と思われると思いますが、実際信者がミサの最中、その光を通してキリストの姿を見たりと奇跡の瞬間を目の当たりにした、という嘘か誠か分からないお話が多数残っています。
例えばこの人。
恩師が翌彼女のエピソードを話していたので、今も良く覚えています。
この女性、Angela da Foligno(フォリーニョのアンジェラ)という人ですが、彼女は40代の時、Assisi(アッシジ)の聖フランチェスコ教会で、San Francesco(聖フランシスコ)を幻視し、それまでの自分の人生の空虚を認め、回心して崇高な人生を歩み、1701年に列福されています。
そんな理由で入れ始めた色ガラスが、のちに教会内の絵画と同じように、文盲の信者たちに聖書のストーリーや聖人の奇跡のエピソードを伝えるのにも使われるようになりました。
内陣以外は幾何学模様のステンドグラスが用いられている大浦天主堂。
天主堂内のステンドグラスは3度変遷していて、現在のステンドグラスには、1879年の改築時のもの。
他に1945年の原子爆弾で大破し戦後に修復されたもの、と1990年の台風被害により破損しその後修理されたものの3時代に分かれたステンドグラスがあります。
同じ色のものであっても、少しずつ色味や透明度が異なります。それは製法上、全く同じというものを作ることができないためなのです。
写真:大浦天主堂オフィシャルサイトより拝借
ちなみに私が最高だと思うステンドグラスはこれ
スイス、チューリッヒのフラウミュンスターのシャガールが原画を描いたこの作品です。
シャガールの作品はどれも素晴らしい~!!
しかし昨晩のテレビでも言っていたけど、浮世絵もそうだけど、原画を描く人だけでなく、ステンドグラスを制作する作品や彫師や摺師も素晴らしいと思います。
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