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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Florence2012-文化と環境の式典

2012年11月02日 22時41分19秒 | イタリア・イベント

変な天気が続いております。
こちらは昨日Tutti Santiという"全聖人の日"でお休みで、今日は所謂秋分の日みたいな、お墓参りに行く日(正確には
Commemorazione di tutti i fedeli defuntiと言うんですけどね)
学校は(幼稚園から大学までほぼ全部)昨日から連休です。
更に驚いたのは、今日図書館に本を返しに行ったら、なんとお休みでした。
以前こちらにも書いた、県議会と同じ建物にある図書館なんだけど、お役所も連休!?
こんなだから駄目なんだよなぁ、この国は・・・

ということで、天気は悪いのに、とにかく街中すごい人。
だから私実は今日日曜日かと思ってしまった。
本当に不景気なのか疑います???
フィレンツェはホテルなんかもこの週末は満室らしいですわ。
そして人が動く時にでかいイベント、仕掛けて来るんだよねぇ・・・まぁ当然でしょうけど。

ニュースを聞いたときは全然ピンと来なかったんだけど、昨日偶然知り合いがFBにSanta Croce広場で何かしているというコメントを載せていて、ようやくピンときた、そうかぁ、アレか・・・

通称Florence2012と呼ばれていますが、
Biennale Internazionale dei Beni Culturali e Ambientaliという2年に一度行われる文化と自然環境の祭典でした。
そういえば2010年、私は用事が有ってこれ、見られなかったんだけど

Battistero(洗礼堂)の周りに一日だけ草を生やした。
イタリア人のこの発想には驚かされると同時に、これ一晩のうちに準備して、次の夜にははがされちゃっていたのよねぇ・・・
で、今年はと言いますと、昨晩Battistero(洗礼堂)の周りに柵がしてあったので、はて?何があるんだろうと思っていた。
家に帰ってこのイベントのプログラムを見て、何が起こるかはわかっていたんだけど・・・

70本のオリーブの木が置かれていました。

だからさぁ、やれば出来るんだよねぇ・・・これ一晩でやったんでしょう?
ってイタリア人のバランス悪い仕事に対する熱意にいつも感心、いや呆れています。

今日はちょっと青空が出たりして、かなり暖かかった。
 
でっかい盆栽みたい。



みんな生きています。オリーブの実がなっているよ。
しかし邪魔と言えば邪魔なんだよねぇ。人も多いしさぁ・・・しばらく自転車厳しいなぁ。

さて、これは午前中の様子。
私はこの後色々な用事の為、あちらこちらとフラフラして帰宅。
今日は夕方また面白いイベントがあるのよねぇ・・・
イベントは16時半から、場所がなくなり次第は入れません、というものだったので、45分くらい前に家を出た。
場所はここBattistero(洗礼堂)

今年はこのFlorence2012のイベントの一環で、普段は別々の場所にある3本の、三巨匠が手がけた(と言われる)キリスト磔刑が一同に会する。
Ostensuine sacraという"聖なる開示"の儀式が行われるというのでそれを見にやってきた、というわけ。
私が洗礼堂に到着した時には、分かりやすいことに列が既に出来ていた。
一応最後の人に聞いたら「I don't know.」と言われた・・・
分けも分からず並んでいる外国人だったのかぁ。
まぁいいやってことで、しばらく並んでいると、イタリア人声大きいから"当たり"だって分かったんだけどね。

いやいや、こういうイベントの時って、必ずひと悶着あるのよねぇ。
それはいつもオーガナイズがなってないから。日本じゃ考えられないよ・・・ってここはイタリアですからねぇ。
まず今日も招待状が有る人が優先だったんだけど、そんなこと知らずにみんな並んでいるし、並んでいるって言っても列がちゃんとできてないもんだから、「この人は私の前にいなかった!」とかなんとかで大騒ぎ。
まぁ正しいことだからいいんだけど「ちょっとあなた、ちゃんと列に並びなさいよ」とみんなが一人を攻撃したり、「イタリア人は本当に礼儀がなってない」と憤慨する人たちがいて、本当にイタリア人は・・・といつも思っているわけです。

結局並んでいた人たちは、式が始まってから中に入れてもらえました。
「あなたキリスト教徒じゃないから駄目ですよ」って止められたらどうしようかなぁ・・・なんて考えていたけど、そんなことはもちろん有りませんでしたよ。当たり前ですけどね。

中に入ると、さすがに雰囲気がすごい。
これが3本の十字架

しまった~いいカメラ持ってくればよかった、と後悔。
ミサの様子をちょっとだけ動画でどうぞ。




程なく式典の方は終わり、ここで追い出されるわけでもなく、普段は撮影禁止の洗礼堂内も、こういうイベントのときはお構いなし。
私も近くまで寄ってみました。
あっ、もちろんこの洗礼堂内に異教徒の外国人は私一人だったと思います。

これが普段Santa Croce教会にあるDonatello(ドナテッロ)の作品。
友人でもあったDuomoのCupola(円天井)の設計で有名なBrunelleschi(ブルネレスキ)はこの作品を見て「キリストではなくて農夫だ」だとこき下ろしたとVasari(ヴァザーリ)は言っている。
そして「じゃあお前も作ってみろ」ということで当の本人、Brunelleschi(ブルネレスキ)が作ったのがこちら

彼が作った唯一の木製作品と言われ、普段はSanta Maria Novella教会にある。
洗礼堂の内部はこんな感じで13世紀のモザイク画で埋め尽くされている。

なんともはやすばらしい・・・

二人は端。
そして真ん中は18歳のMichelangelo(ミケランジェロ)が作ったといわれる

私は反対派ですけどね。
 
すごいアングルだわ。
そして偶然ですが

ちょっと分かりにくいかな?
キリストに向けて光の筋が見えるんです。
ちょっと怖い・・・

とこんな感じで写真もバシバシ撮って、ご満悦で帰宅の徒につきました。
このイベントは明日から。
見るものは少ない(Santa Croceの広場に大理石の十字架が出来ていると聞いたけど)けど、とにかく講演が多い。
プログラム見ていても、興味深いものばかり・・・しかし、なんせ講演だから集中力もつかなぁ???
ということでまた面白いことが有ったらご報告します。
詳しい情報を知りたい片はこちらのサイト

Firenzeにいて、「私なんて幸せ~!」って思えるのはこういう時。
この三巨匠の作品をこんなに近い距離で同時に見られることは、もうこの先の人生、ないだろうなぁ。
幸せかな、幸せかな。

今日はかなり長くなってしまいましたね。ごめんなさい。



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