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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

Masolino da Panicale その2のおまけ

2016年12月10日 11時34分04秒 | イタリア・美術

昨日アップした後に、資料をパラパラめくっていて、書き忘れたことが有ったので、
今日は時間もないし、それだけ忘れないうちにアップしておきますね。

この受胎告知のシーン
よく見ると大天使ガブリエルとマリアの間に有るのは、受胎告知の定番アイテムで有る白百合ではなく、赤いカーネーションなんです。

資料にはこれ、Branda Castiglioneの友人(?)のGiovanni da Olmutzのスコラ哲学の影響と出ていました。
純愛、貞節を表す白百合。
赤いカーネーションは「母の慈愛」を意味すると同時に、花の根元の形が釘を連想させることから、キリストの受難を象徴しているとも感がられています。
イタリア語でchiodi di garofanoと呼ばれるクローブという香辛料。
garofanoはカーネーションの事ですが、これは全然関係ないそうですが、chiodoはイタリア語で釘のこと。


確かに釘の形に似ていますね。
ということでキリストが磔に有った時の釘を連想させるそうです。
ちなみに百合も赤い場合は受難を表すそうです。

カーネーションは13世紀の終わりにトルコからもたらされて、急速に結婚のシンボルとして広まります。
北ヨーロッパの婚約者たちを描いた肖像画の中によく登場している他、例えばレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた

“Madonna del garofano”(カーネーションを持つ聖母) 
マリアの手にも握らされています。 
中世、キリスト受難と結び付けられるようになったのは、伝説によると十字架にかけられたキリストを見ながら流した聖母マリアの涙が白いカーネーションになったから。
だからカーネーションのめしべは釘の形をしているんだそうです。

1496年にMantegnaが描いた

Madonna della Vittoria(勝利の聖母)
ここでキリストが手にしている2本の赤いカーネーションは、キリストが持つ人間と神性の二元性を表しているんだそうです。

あ~難し。
ということで、今日はこれからお仕事へ。



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