古今東西12という数は、とても重要な意味を持つ。
例えば西洋なら、12という数はキリストの12人の使徒が思い出される。
一年は12か月。
星座は12。
干支は12支など、とかく12という数は意味深い。
そして今私が一番興味が有るのは「十二神将」
十二神将とは、12人の夜叉の大将のことで、それぞれがなんと7000人(人?)もの鬼神を従えているらしい。
十二神将は、釈迦如来が薬師如来について説法をしていた時、その聴衆に中にいたと言われ、薬師如来の素晴らしさや、そのご利益の話に心打たれ、その場で薬師如来を信仰する人々を守護することを説法していた釈迦如来に誓ったとされる。
そのため、十二神将を造形する時は大抵薬師如来とセットで造られることが多い。
先日行った奈良の興福寺の東金堂にも薬師如来とセットで十二神将があった。
十二神将にはまったのは、以前ブログにも書いたけど、金沢文庫で開催されていた運慶展から。
この時初めてこんなものが有るんだ…と知った。
そしてそれからずっと気になっている。
実は4月8日、花祭りの時、地元のお寺東漸寺にも十二神将が有った。
こちらは室町時代ごろの作とボランティアの方が説明してくれたが、金沢文庫や興福寺に比べると動きが少ないけど、昔像には色がついていたことがはっきりわかる痕跡が残っていた。
そしてイタリアに発つ前日、駆け込んだのが再び金沢文庫。
こちらで5月6日まで「特別展 十二神将」が開催されている。
これ、彫像なら薬師如来とセットで造られたり、絵画なら同じ画面に描かれるのが普通の十二神将が、一体づつ一幅に描かれている、という非常に珍しいもの。
今回の特別展は、これらが修復を終えた記念の展覧会。
平日に行ったので、ほとんど人はいず、とにかくゆっくり見ることができた。
一幅に一人(?)の神将が孤立して描かれているだけでも珍しいのだが、これには絵の上の方に本地仏が描かれている。
「本地仏」とは、日本の仏教が興隆した時代に表れた神仏習合思想の1つである垂迹神(すいじゃくしん)の正体とされる仏のことで、垂迹とは「衆生を救済するためこの世に現れること」で、神は仏の垂迹、仏は神の本地(本来のあり方、本体、本地仏)であり、 両者は究極的には同体不可分の関係として捉えられたものである…ということらしいのだが、難しい。
本地仏の他にも、5人の眷属(とりまき)が描かれたり、足元にも干支の動物が描かれたりと非常に珍しい。
更に今回の修復で、絵の中に水面が描かれていることが分かった。
ただし、部屋の照明がかなり落とされ、修復されたとはいえ、状態が結構厳しいため、じ~と見ないと干支の動物や水面はわかりにくい。
入り口ではこの十二神将について非常によくできた説明が置かれていた。
この絵や文字が非常に親しみやすい…と思ったのは私だけ?
とにかく非常に面白い展示なので、皆さんも是非足を運んでくださいな。
この観覧記念のスタンプもかわいらしい。
神奈川県立金沢文庫
特別展 十二神将 修理完成記念特別公開
~5月6日(日)
イタリアにいるのに日本の話ですみませんが、こっちにいる方が時間が有るもので…
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