goo blog サービス終了のお知らせ 

イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

貴重な体験

2012年11月13日 00時21分58秒 | イタリア・イベント

憂鬱なんて言っていたのに・・・
雨の後、必ず天気がやってくるっていうのは本当なのねぇ。(酔ってないです)
午後、出かけようと思って外に出ると、昼間の悪天候がうそみたい。

日没なのに、なぜか空が青い・・・のはこちら側だけ。

調度ここを通りかかった時、アーチの上と下と空の色が違ってとてもきれいだった。

写真はどれも無修正です。

用事がなければ夕焼けの方へ向かったんだけど、今日はここまで。
この後わたくしは、アカデミア美術館へ。
今日は普段Bergamo(ベルガモ)のAccademia Carraraに収蔵されているMantegna(マンテーニャ)のModonna col Bambino(聖母子像)が、Firenzeで4年の歳月を経て修復され、修復完了、おうちに戻る前のお披露目があるということで向かった。

5時半からなのに、美術館の前で結構待っているのに、なかなかドアは開かない。
結局中に入れたのは6時近かった。これぞイタリア。
で、いきなり始まる。

いや~色々勉強になります。
修復はOpificio delle Pietre Dure di Firenzeが手がけたわけです。
ここはイタリアに2箇所しかない屈指の国立の修復学校。
最高レベルの修復技術を持っているんですが、今日話を聞いて改めて分かったけど、細かい作業は下請け(言い方は悪いけど)の小さな工房がいくつも集まって行っています。
例えば、現在この作品は額が付けられ、ガラスがはめられています。
これは絵に一番悪い湿気を、最大限押さえるため。
この作品は普通の卵を使ったテンペラではなく、Tempera magraという、壁画に近い技法を使っています。
これはもともと北ヨーロッパで盛んだった技法だそうですが
私はこちらが専門ではないので、詳しいことは・・・いつか分かるかも
ということで、え~とこれは非常に繊細な技術なんだそうです。
で、色々細かい説明は省くとして、とにかくこの作品は痛みがひどくて、1990年代アメリカで行われた大規模な展覧会の時も、数年前に行われたパリでの展覧会の時も、貸し出すことは不可能で、門外不出の作品だったそうです。
それが今回修復のお礼(?)という形で、初めてBergamo以外の場所で見られるということになりました。
私も始めてみる作品でした。

挨拶の中でこの不景気を鑑み、「修復というのは過去の遺産を未来につなぐ唯一の方法である。例えそれが何も生み出さなくても、なくてはならないことなのである」という話があった。
本当にごもっともなお話です。
この最高レベルの技術を世界にアピールすることも、彼らの仕事だと言っていたので、私も及ばずながらこうしてここで、みなさんにお伝えしております。

思っていたより小さい!
しかし、すごいの・・・どんなに技術が進歩しても、実物をこの近距離で見られる醍醐味はいかばかりか。
ちなみに今日だけは撮影OKなんです。

キリストのおでこの色のグラデーションまではっきり、しっかり見てきました。
これが私のような一般人でも無料で見られるというのがイタリア。
あ~これぞイタリアに居る醍醐味だなぁ・・・と幸せいっぱいで帰路についた。
ちなみにこの作品は明日から12月9日までFirenzeのアカデミア美術館で見ることができます。
12月13日BergamoのAccademia Carraraでお披露目になるそうです。

そして2時間後・・・
今晩は久々に夜のお出かけ。
幸い寒くないのよねぇ。
どこへ行ったのかというと

Grappa(グラッパ)の試飲会。
もちろん無料の。
これも例のFlorence2012のイベントの一環・・・のような、切れているような。
実は他のワインのイベントに申し込んだら、そちらは既に予約でいっぱいで、替わりと言っては何ですが、こちらはどうですか?とメールが来て、とりあえず何でもいいや無料だから、と予約をした。
それが結果的には大正解だった。

Ruffinoというワインで有名なところが出しているRiserva DucaleというGrappaを試飲。
42度もあるのよ~
口が焼ける。
で、これにGelatoをあわせる(実はこれを書く前にFBに「抱き合わせ」と載せたら、「マリアージュ」という方が自然と友人が教えてくれました。)

なんとこのGelatoが普段は行けない、いや、行こうと思えばいつでも行けるけど・・・遠いんだよね。
Gelateria de'Mediciのもの。
それも3種類も食べられた。
それだけでも来た甲斐が有るってものよ!

最後にGrappaの写真を撮ろうと思ったら、そばにいたおじさんがボトルを掲げてくれた。

そして「君韓国人?日本人?」と
私が「日本人です」と答えると、「日本にはグラッパみたいに強いのないよね?」と
「ないですねぇ・・・」と私
すると違うおじさんが「日本は酒でしょう?」と「酒にも結構強いのあるでしょう?」と
それは泡盛とかそういうやつのことかしら???
でも焼酎系は結構強いのあるけど、お酒はないよなぁ???
う~ん、飲むのも食べるのも好きだけど、所詮こちらは私の専門ではないのです。
ということで、適当に口を濁して退散。
いやいや、今日は楽しい一日でした。酔ってない、酔ってない。

実はこの場所つい最近まで裁判所として使われていた場所でこんなものがありました。

テレビでは見たこと有ったけど・・・
動物用の檻ではありません。いや、ある意味動物用か・・・
これ被告、特に巨悪犯罪を犯した人を公判中入れておくんですね。

いやいや、普通こんなの見られないし、本当に今日は色々貴重な体験をさせていただきました。
まだ胃が熱い気もしますが、今朝寝坊したら一日がすごく短くて損した気がしたので、ここら辺で寝ることにします。
おやすみなさい・・・いい夢みられそう。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。