浮き世で三昧・狛犬三昧

森羅万象に思いを馳せる

兵庫県宝塚市「八坂神社」の狛犬さん

2018年06月25日 | 狛犬シリーズ
宝塚シリーズを締めくくるのは、「八坂神社」の狛犬さん。阪急宝塚線の中山観音駅から山本駅までの間で訪れることのできる神社を巡る旅もとうとう終焉を迎える。

八坂神社は無人の神社だった。鳥居の奥に広がる空気には、ユニークな狛ちゃんに出会えそうな雰囲気を感じる。


階段を登りきると、そこには拝殿と1対の狛ちゃんが静寂の中にあった。全体的に丸みを帯びた狛ちゃんだ。


「阿」の狛ちゃんに近づいてみよう。玉玉した凛々しい眉毛、まん丸い目、すり鉢状の歯をむき出しにした笑顔、ぽってりとした厚い耳、スフィンクス様の足。


真横からも見てみよう。前足にも後ろ足にも軽やかな羽毛が付いている。たてがみの下地は直毛だが、表面の毛は裾が巻き毛になったスタイルだ。よく見ると、舌も彫り込まれている気がする。



後ろ姿も見てみよう。背骨状に恐竜のようなコブがあるのがわかる。初めて見るタイプだ。そして尻尾は。。。こちらも初めて見るタイプである。完全なるもみじ饅頭型ではない。かといって箒草タイプでもない。肉厚な平たいもみじ饅頭様+開きかけたハスの花の付け根様と言えるだろうか。フキノトウの根元のデザインも入っているような、自然の美しさを幾重にも盛り込んだデザインだ。


「吽」の狛犬さんはこちら。チロリと出ている両牙がまた愛らしいではないか。肉食であることを教えてくれる。眉玉がいくつもつけられた凛々しい眉毛。前足の爪ははっきりしている。足首には何か巻いているようにも見える。


平べったい頭に厚ぼったい耳。曲線と直線の妙えなる合わせ技を感じさせる狛ちゃんだ。


この狛ちゃんたちは安政4年、ちょうど安政の大獄が起こる1年前の生まれであった。


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