おっさんのパンツ

向かい側の座席に座っている

女子高生2人。

それぞれ隣の席も陣取って、

なにやら熱心に作業中。

2人とも同じ作業をしている。

膝の上に同じ小さな箱を広げて

指先を使って細かい作業。

何やってるのかな？

私も席に落ち着き、

ようく観察してみると‥

どうやらネイルシールを貼っているらしい。

ストーンやラメが入った

なかなかのボリュームの長い爪のやつ。

それを夢中になって、自分の爪に貼っている。

制服にその爪は、

あんまり似合わない気がするんだけど、

それは私の価値観が古いせい？

さて。

最近見始めたTVドラマに

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」という

長ったらしいタイトルの物がある。

お笑い芸人の原田泰造が主役を務めている。

子供が2人（大学生の女子と高校生の男子）がいる普通のお父さんなのだが、

このお父さんは正に昭和の価値観を周りに

押し付ける頑固お父さんなのだ。

会社でも

「お茶🍵は女性が淹れた方が美味しいだろ」とか、

男性社員には

「おまえ、男だろっ！もっと仕事第一に考えろ！」

女性社員には

「そんなことばかり言ってると

嫁に行けないぞ！」

みたいなことを、バンバン言っちゃう。

もう、気持ちいいくらい。

ちょっと前までこんなことまかり通ってたけど、今じゃ全く、パワハラ、セクハラに

なるってこと、

このお父さんは全然気づいてないのだ。

そんなお父さんの息子が不登校になり、

実は息子がゲイに興味があると知ってから、

このお父さんがいろんなことに気づき始めてアップデートするべく奮闘する、

という話。

最初、その事実を知ってしまったお父さんは、パニックになり、

化粧をしている息子に向かって

「オマエ、何変なことやってんだ⁉️

男だろ‼️」と言ってしまう。

こういうお父さん、いそう笑

そしてこのお父さん、とある銭湯に行った時に

たまたま周りにいろんなパンツを履いている人を見て、悟るのだ。

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか‼️」と。

おっさんがどんなパンツを履いていようが、本人さえ良ければ

周りに迷惑をかけているわけでもないし、

誰にも関係ないことなのだ。

つまり、人の生き方って、それと同じだ‼️

と気づくのである。

この例えが絶妙だ。

確かにそうだ、とうなづいてしまった。

電車の中で、どんなネイルをしていようが、

本人が良ければいいのだ。

ただし、他の座席を陣取ることと、

校則違反はやめた方がいいけどね。

いわゆる多様性ってとても難しいと思う。

多様性と言えば何でもOKかと言えば

そうじゃないと思うし。

少なくとも自分の価値観を

人に押し付けないように気をつけよう、と

思いつつ、

今後のドラマのお父さんの

アップデート加減を楽しみにしております。