横浜のアミメニシキヘビで思い出した河津海岸の大きな蛇

2021-05-25 | 沸石

河津海岸の沸石だが・・・。

 

横浜でアミメニシキヘビの捕り物が話題になっていた。

伊豆の特殊な動物園IZooから専門家が応援にきて捜索していたそうだ。

 

さて、IZooは、かつて「亀族館」とかなんとかいう名称で、特殊な爬虫類を飼っていたはず。

ずいぶん前に入館したことがある

その動物園から、今回横浜まで専門家が来るくらいだから、今でも蛇を飼っているのであろう。

 

なぜこのような話題を持ち出したのかというと、IZooの周囲の林の中には大きな蛇が生息しているからなのである。

何年か前のことになる。

IZoo(まだ亀族館と言っていたかもしれない)の背後の海岸は昔から沸石の産地として有名であり、沸石好きの筆者は、時々訪れていた。

とある冬の事、海岸に出るためにIZooのすぐ脇の細道(まっすぐに海岸に出られる)を下っていると、足元の排水路の中を腕の太さぐらいの蛇がズズッと音を立てて逃げてゆく状況に遭遇してしまった。

蛇嫌いの筆者は動けなくなった。もう、この道は通れない。どうしたらいいんだ。

でも、このまま帰るのも惜しい。

考えた末、近くにあった竹を適度な寸法に切って、足元の草を払いながら海岸に出た。

返りも、同じ道を同様にして戻ったのだが、記憶がなくなるほどに生きた心地がしなかった。

大きな蛇がいるところを歩きたくはないのだが、沸石産地へは行きたい。

棒切れで足元を払いながら歩けば、まあ安全であろうと考え、再度来る時のために棒きれを道の入り口辺りに残しておいた。

何か月か後、再度沸石採集に訪れた時、入口に1メートルくらいの竹の棒が数本おいてあることに気付いた。以前はなかった。

どうやらこの海岸を訪れる皆さんも、大きな蛇に遭遇しているのだということを改めて知った。

しかも、とりあえず棒きれが有効であり、皆さんも同じように考えたのだろうことも。

この海岸へは沸石採取だけでなく釣り人もよく来るらしい。

 

そこで、今回の話題だ。

IZooの蛇扱いの専門家が横浜に来るのであれば、自らのIZooのまわりに生息している大きな蛇を捕獲すべきであろう。

あの足元を這っていた大きな蛇はIZooから逃げ出した蛇ではないのか。

伊豆は暖かいところであり、冬でも蛇は冬眠しないのだ。

だから、ここしばらくは蛇と遭遇するのが嫌で、隣の海岸から遠回りで産地へ行っている。

 

そこで、IZoo背後の河津海岸で採集した沸石を紹介する。

ダキャルディ沸石

輝沸石

モルデン沸石


二酸化マンガン鉱を含む方解石

2021-05-02 | インクルージョン

二酸化マンガン鉱 MnO2

方解石 CaCO3

中国

 方解石の成長過程で一時的にマンガン成分の急増があり、方解石の結晶表面に小さな球状に成長したものの、後の方解石の成長で閉じ込められてしまった。一般的なインクルージョン標本の成長過程だが、二酸化マンガンの晶出以降において方解石の結晶成長面が変化していることに注意したい。

 方解石の結晶形態は多様である。理科の観察や実験などで目にする方解石の破片は、長方形の箱を押しつぶしたような菱面体に囲まれた形態だが、実際にそのような形で産出することは希。本書のような釘頭状、犬牙状、六角柱状、陣笠状などで、さらに微斜面が生じて形態による判断ができないことが多い。この標本の初期段階の結晶形態は鈍角になる三角錐の頂点だが、その稜線を横切る形で新たな結晶面が生じて次に紹介するコバルトカルサイトと同じ六角柱状に近い形となっている。

二酸化マンガン鉱 MnO2

コバルトカルサイト

コバルトカルサイト(少量のコバルトを含む方解石)に含まれる黒褐色の微小鉱物。

コバルトを含むことによってピンクに発色している。

結晶の中央部に黒い染み状の包有物(二酸化マンガン鉱)がみられる。