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中央アルプス:木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳縦走(7)
(アルパインツアー)
2007年9月28日(金)~30日(日)
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第2日目 2007年9月29日(土)(その3) 雨
<木曽殿小屋を目指して>
■東川岳山頂
私達は,東川岳山頂(2,611m)へ,16時10分に到着した。Kガイドから,ここで10分休憩を取ると言われる。しかし,冷たい風を受けながら,動かずにジッとしていると,身体の芯から寒くなってくる。ほんの5分ほど休憩を取ったところで,Kガイドが,
「寒いから,もう出発しましょうか・・・」
と一行を促す。15時18分に東川岳山頂を出発する。ここからは急傾斜の長い下り坂になる。幸いなことに雨は上がっている。幅広い稜線に沿って,私達は下り続ける。稜線の両側の谷間には,白い雲が分厚く沈殿している。雲海を越えて遠くに屏風のように連なる山々が,私達の居る稜線の両側に見えている。ただ,見えている山々の山座同定をしている時間がないのが残念である。
<東川岳付近から空木岳を望む>
急な下り坂をジグザグと下り続ける。前方には明日登る空木岳がドッシリと見えている。そして,16時35分頃,眼下に今夜泊まる木曽殿山荘が見え始める。
<急坂の麓に木曽殿山荘が見える>
■木曽殿山荘に到着
急な下り坂を慎重に降りて,16時39分,木曽殿山荘(2,495m)に到着する。山荘は沢山の登山客で混雑している。
山荘の建家の外で,濡れた雨具やザックカバーを外す。そして,1人に1個ずつ渡された針金の衣紋掛けに雨具をぶら下げて,入口脇の軒下に吊す。こんな所で,明日の朝までに乾くのかと不安になる。
靴を脱いで,建家の中に入る。すると山荘の主人が出てきて,少々,ぶっきらぼうな調子で,私達にあれこれと指示をする。私達は,玄関脇の小さな物置のようなところにザックを置くように指示される。狭い小屋に押し込められているので,荷物の始末がとてもしづらいがやむを得ない。リュックをゴソゴソとして,やっとヘッドランプと貴重品を入れた小さなバッグを取り出す。
<木曽殿山荘の玄関>
■早々に夕食
宿の主人から,まずは夕食。その後,今夜の部屋割をすると言い渡される。男性の荷物整理は,おおざっぱで簡単に済むが,女性はそう簡単に荷物整理はできない。しかも狭いところでの荷物整理である。マゴマゴしている内に,瞬く間に30分ほど時間が経ってしまう。
17時30分頃,やっと土間から室内に登る。土間の入口近くに石油ストーブが点火されている。そのストーブを幾重にも囲むように,先着した登山客のリュックが並べられている。その先に,長いテーブルが2列に並べられている。
私達は,向かって右側,一番奥のテーブルに座るように指示される。主人が,
「鍋の中に,おでんが7種類入っています。1人で7種類のおでんから1種類ずつ取ってください・・・8個ずつ入っていますので,1個ずつ余るはずです。余計に取らないように・・・」
と,何だか高圧的な印象を受ける言い方で,私達に指示する。ゆで卵,こんにゃく,大根,はんぺん,ニンジン,昆布など1種類ずつ取り分ける。
主人自らが,1人ひとりに,ご飯と吸い物を運んでくる。主人はテーブルの間を歩きながら,
「靴下が濡れている方は,靴下を脱いでください・・」
と厳命する。私の靴下は,濡れているわけではないが,何となく湿っぽいかも知れない。気の弱い私は,シオシオと靴下を脱いでしまう。
おでんの夕食はとても美味しかった。主人がちょっと怖かったが,夕食自体は大満足である。
<木曽殿山荘の夕食:美味しいおでん>
■やっと就寝
夕食後,主人の案内で,私達の寝場所が確定する。1人当たりタタミ半畳の広さである。大部屋の中央に通路がある。通路の両側には,煎餅布団が長く横に敷いてある。私達は目刺し状に並んで寝ころぶ。
山荘が満員なので,ユックリとくつろぐ場所もない。所在ないまま,半畳のスペースに寝ころぶ。その内に,何となく眠くなってくる。そして,いつの間にか寝込んでしまう。 こうして,雨に祟られた第2日目が終わった。
(つづく)
中央アルプス:木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳縦走(7)
(アルパインツアー)
2007年9月28日(金)~30日(日)
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第2日目 2007年9月29日(土)(その3) 雨
<木曽殿小屋を目指して>
■東川岳山頂
私達は,東川岳山頂(2,611m)へ,16時10分に到着した。Kガイドから,ここで10分休憩を取ると言われる。しかし,冷たい風を受けながら,動かずにジッとしていると,身体の芯から寒くなってくる。ほんの5分ほど休憩を取ったところで,Kガイドが,
「寒いから,もう出発しましょうか・・・」
と一行を促す。15時18分に東川岳山頂を出発する。ここからは急傾斜の長い下り坂になる。幸いなことに雨は上がっている。幅広い稜線に沿って,私達は下り続ける。稜線の両側の谷間には,白い雲が分厚く沈殿している。雲海を越えて遠くに屏風のように連なる山々が,私達の居る稜線の両側に見えている。ただ,見えている山々の山座同定をしている時間がないのが残念である。
<東川岳付近から空木岳を望む>
急な下り坂をジグザグと下り続ける。前方には明日登る空木岳がドッシリと見えている。そして,16時35分頃,眼下に今夜泊まる木曽殿山荘が見え始める。
<急坂の麓に木曽殿山荘が見える>
■木曽殿山荘に到着
急な下り坂を慎重に降りて,16時39分,木曽殿山荘(2,495m)に到着する。山荘は沢山の登山客で混雑している。
山荘の建家の外で,濡れた雨具やザックカバーを外す。そして,1人に1個ずつ渡された針金の衣紋掛けに雨具をぶら下げて,入口脇の軒下に吊す。こんな所で,明日の朝までに乾くのかと不安になる。
靴を脱いで,建家の中に入る。すると山荘の主人が出てきて,少々,ぶっきらぼうな調子で,私達にあれこれと指示をする。私達は,玄関脇の小さな物置のようなところにザックを置くように指示される。狭い小屋に押し込められているので,荷物の始末がとてもしづらいがやむを得ない。リュックをゴソゴソとして,やっとヘッドランプと貴重品を入れた小さなバッグを取り出す。
<木曽殿山荘の玄関>
■早々に夕食
宿の主人から,まずは夕食。その後,今夜の部屋割をすると言い渡される。男性の荷物整理は,おおざっぱで簡単に済むが,女性はそう簡単に荷物整理はできない。しかも狭いところでの荷物整理である。マゴマゴしている内に,瞬く間に30分ほど時間が経ってしまう。
17時30分頃,やっと土間から室内に登る。土間の入口近くに石油ストーブが点火されている。そのストーブを幾重にも囲むように,先着した登山客のリュックが並べられている。その先に,長いテーブルが2列に並べられている。
私達は,向かって右側,一番奥のテーブルに座るように指示される。主人が,
「鍋の中に,おでんが7種類入っています。1人で7種類のおでんから1種類ずつ取ってください・・・8個ずつ入っていますので,1個ずつ余るはずです。余計に取らないように・・・」
と,何だか高圧的な印象を受ける言い方で,私達に指示する。ゆで卵,こんにゃく,大根,はんぺん,ニンジン,昆布など1種類ずつ取り分ける。
主人自らが,1人ひとりに,ご飯と吸い物を運んでくる。主人はテーブルの間を歩きながら,
「靴下が濡れている方は,靴下を脱いでください・・」
と厳命する。私の靴下は,濡れているわけではないが,何となく湿っぽいかも知れない。気の弱い私は,シオシオと靴下を脱いでしまう。
おでんの夕食はとても美味しかった。主人がちょっと怖かったが,夕食自体は大満足である。
<木曽殿山荘の夕食:美味しいおでん>
■やっと就寝
夕食後,主人の案内で,私達の寝場所が確定する。1人当たりタタミ半畳の広さである。大部屋の中央に通路がある。通路の両側には,煎餅布団が長く横に敷いてある。私達は目刺し状に並んで寝ころぶ。
山荘が満員なので,ユックリとくつろぐ場所もない。所在ないまま,半畳のスペースに寝ころぶ。その内に,何となく眠くなってくる。そして,いつの間にか寝込んでしまう。 こうして,雨に祟られた第2日目が終わった。
(つづく)