♪Tin Pan Alley♪

50~70年代のロック・ポップス、ソフトロック周辺についてのブログです

With The Beatles :UK #1

2005-10-17 | 1曲ずつ一言

The Beatles
1963.11
Produced by George Martin

性懲りもなく、ビートルズのセカンドを紹介~。

すでに「フロム・ミー・トゥー・ユー」などのヒットを放ち、このアルバムの数日後には、あの「抱きしめたい」もリリースし、ブリティッシュ・ビート勢の筆頭になりつつあった彼ら

ところで、彼らは原則として、アルバムの中にシングルヒットを入れてないんです(『パスト・マスターズ』というアルバムに全曲入ってます)。
このアルバムはその典型。

あ、そういやこれもビートルズが初だとおっしゃる方がいますが、エヴァリーズも60年ごろにしておりました

そうそう、アルバムのランキングを見ると、まるでアメリカでは全く売れていないかのようですが、実は初期は英米で別ヴァージョンのアルバムがリリースされていましたので、こんな感じになってます

[ビートルズのルーツについて思うこと]
ビートルズを聴き始めた人の中で、ビートルズのルーツを知ろうと思った人って結構多いと思うのですが、大体、エルヴィス・プレスリーやチャック・ベリー、リトル・リチャードなんぞを紹介されませんでしたか???
んで、これ聴くと大抵「え?どこがビートルズ?」という感じを抱く人が多いかと

えぇ、僕も、上記のアーティストは、ビートルズのルーツとしてはお勧めしませんね
上記のR&B色や、ブルース色の強いロックのスタイルなら、ビートルズ以外のブリティッシュ勢の方がよっぽど素直にフォロワーですぜ
・・・・・っていうか、この時期以降のUKはブルースに呪われてる(笑)。

ビートルズは、白人音楽の色彩を持っていたからこそ、他のブリティッシュ・ビート勢と一線を画すことができたはずなのです
実際、採用のポイントとして「カントリー&ウェスタンっぽくもある」って評価があったはず

つまり、ビートルズの由来としての音楽は、(結局ベタですが)バディ・ホリーと、エヴァリー・ブラザーズこれは聴けば本当にルーツだと感じると思います

トラック・バイ・トラック

① It Won't Be Long J.Lennon - P.McCartney
このアルバムの前に「シー・ラヴズ・ユー」出してますからね「イェー」ってコーラスや鳴り続けるハイハット(シンバル)は、象徴的なスタイルとして、もう慣れた感じも

この曲、構成がすっごく不思議なんですよね~。Aメロ、Bメロ、Aメロ、Cメロ、Bメロ、Aメロ、・・・こんな感じ???

② All I've Got to Do J.Lennon - P.McCartney
アイドルだなぁ~、歌詞が。ファーストの「アンナ」と音の空気が似てます

③ All My Loving J.Lennon - P.McCartney :US #45
名曲
メロディはポール主導で、彼の歌い方も絶品特に最後のファルセットの切れの良さと言ったらもう

前奏なしの入り方、ライヴの姿を想像したくなります多分シングルカットしてたら1位だったろうに。。。

もういっちょ格好良いのがジョンのリズム・ギター“かき鳴らす”って感じはまさにコレのことかと

④ Don't Bother Me G.Harrison
一番若いジョージ・ハリソン、友人から「お前もジョンやポールみたいに曲を書きなよ」と言われて「ほっとけよ」ってタイトルの曲を書いてみた(笑)。

後に「サムシング」を始め、恐るべきメロディ・メイカーとなるジョージ、「この曲では才能はまだまだ」って意見を時々見ますが、僕はそうでもないなーー
確かに、シングル・カットって感じではないですが、半音の移動が面白い、実に不思議なメロディで、ある意味「これぞビートルズ」とも言える曲のような気が

って思ってたら、前に雑誌で「アーティストが選ぶビートルズの好きな曲」でこれが上位に入ってて何か嬉しかった(笑)。

⑤ Little Child J.Lennon - P.McCartney

⑥ Till There Was You M. Wilson
アコスティックな雰囲気が好きポールらしいカヴァー。

⑦ Please Mr. Postman R.Holland - G.Bateman - W.Gorman - F.Dobbins - B.Garette
⑧ Roll over Beethoven C.Berry :US #68
「ツイスト&シャウト」とこれら二つ、ビートルズの曲って思ってる人多いですよね

いずれにせよ、こちらのがベスト・プレイでしょう原曲もそんなに悪くなかったですが。
特に⑧はやっぱチャック・ベリーのも捨てがたいですあ、でもやっぱファルセットの合いの手は欲しい(笑)。

⑦はカーペンターズの強烈にポップスな(AORな?)カヴァーもありますよね
僕はどちらかと言えば、ビートルズのちょっぴりけだるそうなヴォーカル・ワークが好きです

⑨ Hold Me Tight J.Lennon - P.McCartney
この前奏、しびれるわーーーー歌が入る瞬間が最高
・・・前奏以外はそうでもない(笑)。

アンダース&ポンシア(Anders & Poncia)がスペクターの下で作ったカヴァーもありますが、とってもオールド・スタイルで表現
あれを聴くと、かえってこの曲良いなって思えたり

⑩ You've Really Got a Hold on Me W.Robinson
イギリス勢は、モータウンの大物、スモーキー・ロビンソン(William 'Smokey' Robinson)が相当好きなように感じます
ゾンビーズのバージョンも好きです。

これはジョンの歌唱力が好きな人にはたまらないものがあるかと

⑪ I Wanna Be Your Man J.Lennon - P.McCartney
ビックリするくらい、同じ歌詞を繰り返すだけの曲ですが、そんなシンプルさにこそ、レノン&マッカートニーの作曲能力の凄さが分かるかも
この曲大好きって人、少なくないですもんね

実はこれ、ローリング・ストーンズ用に作った曲だというから面白いです。しかもストーンズの初ヒット曲
リンゴのたんたんとした歌いっぷりが、ストーンズの、前奏からグングン盛り上がるヴァージョンと違ってまた良いです

⑫ Devil in Her Heart R. Drapkin
無名の黒人グループのカヴァー。
無名曲のカヴァーって、そのアーティストの好みをリアルに感じれて良いですよね

⑬ Not a Second Time J.Lennon - P.McCartney
何ちゅうメロディでしょう。こういう不協和音チックというか(笑)、作り途中みたいっていうか(笑)、それでいて中々良い曲ってのがすげーよねーーー。

⑭ Money (That's What I Want) J. Bradford - B. Gordy Jr.
僕もお金が欲しいです。

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このアルバム直前のシングル、そして直後のシングルで、ビートルズ旋風が異様なものとなりつつあることが、当時の人たちにも認識され始めたのではないでしょうか???

とにかくよく売れました(笑)。

1963.8
・ She Loves You J.Lennon - P.McCartney :UK #1 /US #1
リンゴのセンスが大爆発オープニングも中間部も、ドラムの魅力が素晴らしい

このハイハットをひたすら鳴らすスタイル、しばらく使ってます“騒音”呼ばわりされたのは、この辺りなんでしょうか?

余談ですが、カナダのホームステイ先に可愛いクソガキがいまして、ある日、僕が近所の女の子と話してると、その娘と別れた後に「She loves you, year×3」と歌いながら近寄ってきたことが懐かしい(笑)。

半年で150万枚売れたって記録、当時では驚異的だったとか

・ I'll Get You J.Lennon - P.McCartney
こちらB面。

最初の「Oh, year」の低音は正直きしょいポールも“オカマっぽい”と表現していた(オイオイ)。

何か、いかにもビートルズのメロディというか、続けて別の曲に入れてしまいそうな箇所が色々ある魅力がつまってます。


1963.11
・ I Want to Hold Your Hand J.Lennon - P.McCartney :UK #1 /US #1
ベタな言い方をしますが“世界を変えた曲”

初の全米1位に、メンバーやジョージ・マーティン、ブライアン・エプスタイン(Brian Epstein)たちは、狂喜乱舞だったそうです

ハンド・クラッピングも効果的なキャッチーなメロディ、「Oh yeh, I'll tell you something」だけでも相当良い(笑)。

演奏もカッコ良い
特に、毎回の「I Want to Hold Your Hand」と入る瞬間や、「And when I touch you」で始まる部分が終わる箇所なんて、何かの魔法が起きてる気分ですコーラスの盛り上がりと、ドラムの盛り上がりがマッチしすぎ

不思議なエピソード。この歌を初めて聴いたボブ・ディラン、「I can't hide」の部分を「I get high」だと勘違いし、“何て露骨なドラッグ・ソングだ”と怒っていたそうです。ところが、後に正しい歌詞を知り、ビートルズに会うことにし、お詫びのしるしに、マリファナを教えてあげたんだそうです。
え???何だそりゃ?この本末転倒なエピソード、本当なんでしょうかね?

そこまで音楽好きではない父が“この歌を初めてラジオで聴いた時、こんなロックンロールがあるんだと驚いた”と話してくれたのが印象に残ってます

・ This Boy J.Lennon - P.McCartney
ジョン・レノン、泣きのバラードがB面

3声ハーモニーの元ネタは、スペクターで紹介した、テディ・ベアーズ(The Teddy Bears)の「会ったとたんに一目ぼれ」だそうな。なるほど~



4 コメント

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あぁ! (fenbu)
2005-12-10 16:31:26
こちらがまともにコメントもしていないのに恐縮です~。



・・・言い訳しますと、トラックバックの仕組みや仕方が分からずパニックしてまして

こちらこそTBありがとうございました。初でした(笑)。



僕は音楽ド素人ですので、らば~そうる様のサイトのような詳細な解析、是非参考にさせていただきます!
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TBありがとうございました! (らば~そうる)
2005-12-10 16:05:24
fenbuさん、はじめまして。



ビートルズの楽曲への見解、素晴らしいですね。

まだ立ち寄らせていただきます。楽しみ♪



そうそう、私も史学出身(東欧史)です。

あまりまじめに勉強してまへん。
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おぉ!! (fenbu)
2005-10-19 00:02:08
リンク先どころか、名前見れば分かるって!!!・・・っつーか誰づてなのかも分かるって(笑)。

ありがとーーーー(^o^)



いやぁ、ロッテでしたねぇ。

「ロッテ阪神戦」

・・・うーん、なじみが無い
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晩上好 (jitian)
2005-10-18 23:33:08
人づてにこのブログを知りましたよ。fenbuさんならリンク先を見れば僕が誰だかわかるでしょう。
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