♪Tin Pan Alley♪

50~70年代のロック・ポップス、ソフトロック周辺についてのブログです

Beatles For Sale :UK #1

2005-12-19 | 1曲ずつ一言

The Beatles
1964.12
Produced by George Martin

ジャケットの写真も、アルバムのタイトルも、すっかりアイドルに疲れてますね
ストーンズなどが、時期的にこの辺りから快進撃なのを考えると、何だか一足先に老け込んでます(笑)。

とりあえず、“インベイション=侵略”とまで表現できるのブリティッシュ・ブームはそろそろ落ち着きますよね。絶大な人気はありますが、じわじわ、変化した“新しい”アメリカ勢が登場する
ポップスのゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ。ブルー・アイド・ソウルのライチャス・ブラザーズ、この年末、まずはそんな辺り??
逆に、サーフ系はかなり失速。モータウンはまだまだ元気。そんな64年末。

今から見れば皮肉たっぷりとしか受け取れないこの『売り出し中』というタイトル。そのためか、カヴァーが14分の7と過去最大ライヴのレパートリーをポンポン出した感じです。

それ故、現在のファンから“カヴァーに混じったおかげで、オリジナルの良さがよりくっきりする”などとも言われたり。
それはまぁ確かにそうなんですが、僕は、④や⑥が当時の日本で、ビートルズの代表曲のように扱われていたことが興味深く感じます

今でこそ、日本でのビートルズ代表曲・人気曲は「レット・イット・ビー」や「イエスタデイ」だったり、アルバムも『リボルバー』が人気だったり、ポップス色が強い感じですが、当時、日本のラジオからは、「ツイスト&シャウト」「ロール・オーバー・ベートーベン」「プリーズ・ミスター・ポストマン」更に④や⑥といったカヴァー曲が、オリジナル作品に勝るとも劣らない頻度で、良く流れていたようですね。
う~ん、当時の日本で“洋楽”や“ロック”に何が求められていたかが感じられるなぁと

余談:ってことは、日本へのロック“伝達”における功労者・大御所を選ぼうとが思ったら、やっぱビートルズより少し前、50年代のロックンローラーが相応しいんでしょうね
それも、メロディアスなロックンロールではなく、上記の、ビートルズがカヴァーしたような古典的なロックンロールを歌った方々が。

このアルバムを聴いて“カッコ良いっ”と思えた方、50年代のオールディーズをつついてみるのも良いかも知れませんね。
そろそろスタジオ・ワークが凝ってくるビートルズ、64年はこんなアルバムで閉めてみました。

トラック・バイ・トラック

① No Reply J.Lennon - P.McCartney
“ビートルズの曲の中で一番何が好き?”という問いを受けることがよくあります。・・・そんなこと言われても対応できないのがファンの常ではありますが、あまりマニア風を吹かせて“選べないよ”とは答えたくも無いんです。そんな気持ち分かります?・・・そんな時、僕は大体この曲をあげていました

アコスティックなサウンドを背景に、ある意味ジョンの歌声だけでハードに仕上がってる名ラヴ・ソング
メロディの素晴らしさ、僕のツボにハマり過ぎてしまってまして、表現しづらいとにかく歌詞と歌い方とピッタリなんですよジョン凄いよ

“窓を見ると電気がついているのに、電話をかけても出てくれない”という歌詞、ジョンは別にそんな経験をしたことは無いそうですね。理由は電話を持っている家庭が少なかったから

今月八日が、ジョン・レノンの祥月命日でしたね。

② I'm a Loser J.Lennon - P.McCartney
ジョンがボブ・ディランに影響を受けて書いた最初の曲、かな?
・・・僕らにとっては外国語だからあまり気にしないが、“僕は負け犬”と連呼するだなんて、すげぇ話だと思ってます。

前曲と同じく、サビでグワッと激しく盛り上げてくるのが好きタンバリン、ハーモニカ、間奏と最後のギター、これぞビートルズか

③ Baby's in Black J.Lennon - P.McCartney
“What can I do”という“音”が大変魅力的な人気曲近年、ライヴ・バージョンも出たしね。「リアル・ラヴ」に入ってました

ジョンとポールが最初から最後まで二人でハモるのは珍しいですね。確か、それぞれのパートをそれぞれが書いたんだとか。どちらも主旋律に聴こえるあたり、エヴァリー・ブラザーズに勝るとも劣らない、名コーラス
ポールのキーが高くなる場所、何か処理が施されているのか?と感じる不思議な音像をしてるなぁと

そういや、こういうワルツ(4分の3拍子でしたっけ?)調の曲、ビートルズ以外は中々やらないですよねぇ??どうでしょ?ビートルズはむしろ好きっぽい

④ Rock & Roll Music C.Berry
チャック・ベリーが57年に発表した永遠の名曲ロックンロール賛歌エコーの具合もナイスなジョンのヴォーカル、魅力的です
でも本当に恐るべきはピアノ奏者はジョージ・マーティン。あんたは何者なんですか管弦楽からロックまでこなして。

⑤ I'll Follow the Sun J.Lennon - P.McCartney
ポールがデビュー前に書いた曲だったかと。リンゴはドラムではなく、自分の膝を叩いているのだそうですね

⑥ Mr. Moonlight R.Johnson
一昔前の缶コーヒーのCMで使われていました原曲は、ドクター・フィールグッド&ジ・インターンズ(Dr. Feelgood And The Interns)

日本人気と英米評価に大きな差のある曲の一つでしょうね~。

僕はこの曲の出だしを聴くと、村井君を連想します。。。

⑦ Kansas City J.Leiber - M.Stoller /Hey-Hey-Hey-Hey! [Medley] R.Penniman

ポール主導のライヴ・レパートリー。これ、ビートルズがメドレった訳ではなく、そもそもメドレーをカバーしたんです。

前半はリトル・ウィリー・リトルフィールド(Little Willie Littlefield)の「K.C.ラヴィング」で、作曲はロックンロールの大御所コンビ、リーバー&ストーラー…このアルバムの初期CD盤、リーバーのスペルをミスってます(笑)。
その前半部分を、ロックンローラー、リトル・リチャードが自作の「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」とくっつけたカバー曲を出していたのです

⑧ Eight Days a Week J.Lennon - P.McCartney :US #1
この曲、友達と一緒に歌ってみ??楽しくって楽しくってしょうがないから(笑)。このアルバムで一際輝く陽気なテンポとメロディ
ジョンとポールが、本当に二人で作った珍しい曲フェイド・イン(だんだん大きくなる)で始まるオープニングも話題を呼んだようです。リンゴのドラミングが本当に好き

もともと、映画「ヘルプ!」はこのタイトルになる予定だったとか?ってのも、“一週間で8日分も愛している”というフレーズは、タクシーの運ちゃんの“一週間で8日分も働いてるぜ”というボヤキで閃いたとのこと。

⑨ Words of Love B.Holly
ビートルズが最も敬愛していたバディ・ホリーほぼ原曲通りのカバーですね。高音パートが目立ってたり、手拍子が入ってたりするところが違うけど。
これの原曲を初めて聴いた時、鳥肌が立ちました(笑)。

⑩ Honey Don't C.Perkins
⑭ Everybody's Trying to Be My Baby C.Perkins
この2曲、通算で計3曲もカバーしているカール・パーキンス(Carl Perkins)より。

プレスリーと共に、サン・レコードを支えたカール・パーキンス。

チャート的には殆ど一発屋に近い存在ですが、ブリティッシュ・ビート勢には大変愛されている人ですカントリー色の強いロックンロール

ジョージの演奏も本人を相当意識
…と言うのも、「マッチボックス」も含め、パーキンス・ナンバーの録音には、何と何とご本人が同席していたんですよね
当時カール・パーキンスは、チャック・ベリー(Chuck Berry)と一緒に初のイギリス・ツアー中で、誰が企画・セッティングしたか分かりませぬが、お互いにとって夢の顔合わせだったそうです

⑪ Every Little Thing J.Lennon - P.McCartney
ELTです(笑)。ポール作。サビの分厚さ、何とティンパニーだとか

⑫ I Don't Want to Spoil the Party J.Lennon - P.McCartney :US #39
絶対にリンゴ用の曲だろうと思っていたら(カントリーだから)、やっぱ当初はそうだったようですね~。こちらはジョン主導の曲。
…こういう歌詞が好きな俺は少し暗いなぁって思う(笑)。

⑬ What You're Doing J.Lennon - P.McCartney
うぉう、この出だしは「ビー・マイ・ベイビー」とは関係ないのでしょうか?最後にもう一回やってくれるのが嬉しいな~
掛け声のようなハモりと、珍しい“Umm---”のコーラスが好き

12弦ギターだけを聴けばバーズのようなのに、全体を聴くとちっともそうは思わないのは、ビートルズのサウンドにまとまり感が強いって理由もありますが、やっぱ12弦ギターだけがバーズのオリジナリティではないんだなぁとも思った次第です。

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“The Year of The Beatles”64年、シングルのシメは以下の2曲です

時期的にクリスマス・ソングなんだそうですがあんまりそうは聴こえないですね~。
どうも売れっ子ミュージシャンってのはクリスマスには何かをしなくてはならないようで(笑)。

1964.11
・ I Feel Fine J.Lennon - P.McCartney :UK #1 /US #1
機械のミスで起きる“雑音”を、わざと作ったオープニングは有名ですよねザ・フーや、ジミ・ヘンドリックスなんかも使うテク、アイデアは確かジョン・レノンメロディも彼。ブライアン・ウィルソンのお株を奪う、名スタジオ・ワーク

得意技のハーモニーは絶品。ここまでで一番良いのではないでしょうか「I'm in love with her」の部分のコーラスの登場は本当に心地良い

・・・ってかさ、こんなにキャッチーなメロディのシングルが、次から次への出てくるわけじゃないですか。彼らのファンにならない方が難しいよ(笑)。
この曲の何がキャッチーって、ずっと鳴ってるギターのリフ

・ She's a Woman J.Lennon - P.McCartney:US #4
今度はポール主導の曲。ブルースっぽいので、僕の趣味ではないです(笑)。

僕が面白く感じるのは、ジョンのギターがリズムに徹していることとかかなぁ。ポールも“リンゴがスネアで演るところを、ジョンがギターで演った。”なんてコメントしてました



2 コメント

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こんばんわ! (モスコ)
2006-03-05 20:46:30
私のブログにコメントとTB、どうもありがとうございました!



>Baby's in Blackのポールのキーが高くなる場所、何か処理が施されているのか?と感じる不思議な音像・・・



確かになにかの「処理」かって思う程、鬼気迫る迫力がありますよね。

私はその正体はポールのロックンロール・シャウター魂だと思っているのですが・・・(^^;)



fenbuさんも書かれていらっしゃいましたが、ホントに細かいところの感じ方というか書くところ、被ってますね~。もうビックリするくらい!

これが“ビートルズ愛“というものなのでしょうか?(笑)

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Unknown (湘南のJOHN LENNON)
2006-03-02 21:37:35
fenbuさん、こんばんは!

小生はBeatles For Saleが大好きなんです。

結構バンドでもコピーしていました。

フロント3人で歌える曲が多いですね。

ハーモニーも1コーラス目と2コーラス目の旋律が

ちょっと違っていたりしてコピーしがいがありました。

I Don't Want to Spoil the Party も調子が良いと

歌っても最高に気持ちいい歌です。

また寄らせていただきますね。

あとリンクもさせていただきました。

よろしくおねがいします
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