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E3が閉幕--2006年の盛り上がりはいまひとつ

2006-05-15 18:46:13 | Weblog
ロサンゼルスコンベンションセンターの会場は何万人もの「Electronic Entertainment Expo(E3)」の参加者で満員だったが、2006年は、例年ほど盛り上がらなかったようだ。

 同ショーへの参加者は例年より大幅に少なかった。これは、主催者がメディアやゲーム販売業者の参加を厳しく規制したことによる影響だと考えられる。

 また2006年のショーでは、期待されていたゲームタイトルもあまり披露されなかった。デモに行列ができるゲームもいくつかあったが、これはむしろ例外で、E3でどの展示ゲームタイトルが最高だったか聞いても、人によって意見がさまざまに分かれる。

 その中でも1つだけ、誰にも好評だったと思われるのが、Electronic Artsと「The Sims」の生みの親であるWill Wright氏による「SPORE」だった。同ゲームのデモには、連日約2時間待ちの列ができた。2007年リリース予定の「Spore」は高い期待を集めていたが、同タイトルが公開されたのは今回が初めてではない。実際、今回のデモの方がはるかに充実していたが、同ゲームは2005年のE3で「最優秀賞」を獲得している。

 一部の参加者からは、2006年のE3には多くの佳作ゲームが集まったが秀作は多くなかったとの意見が聞かれた。

 ニューヨーク州ブルックリンから会場を訪れたゲームデザイナーのAustin Grossman氏は、「強く印象に残ったものは多くなかった。2006年は充電の年だった」と語った。

 Grossman氏は、Activisionの「Enemy Territory:Quake Wars」がお気に入りだという。また、Ubisoftの「Assassin's Creed」は発売時に購入するという。しかし同氏は、失望とともにE3会場をあとにした。

 「『SPORE』だけ例外で傑出しているが、(EAの)『Crysis』や第二次世界大戦ものなど、ほかはすべて、良いというだけで特に進化は見られなかった」(Grossman氏)

 一部のE3参加者に好評だった新しいアプローチによるゲームが、ソニー・コンピュータエンタテインメントがPLAYSTATION 3向けに制作した「The Eye of Judgment」だった。これは、ゲームの登場人物に対応する革新的なカードを使ってプレーする。

 南カリフォルニア州立大学の学生Merci Hammon氏は、「また臨場感あふれるカードゲームが楽しめる。素晴らしい快挙だ」と語った。

 Grossman氏はそうでもなかったという言うが、「Crysis」に感動した参加者もいたようだ。

 Microsoftの主任プログラミングマネージャー(Xbox Liveサービス)を務めるAaron Culbreth氏は、「『Crysis』はかなりリアルに作り込まれていて、見ていて恐怖感さえ覚える。私が見る限り、人の顔や、兵士が歩くときの草の動きが、ものすごくリアルだ」と語っている。
(2006.5.15/CNET Japan)