FBITニュースアーカイブス2006-3

ITニュースの保管箱

ナップスターの日本向け音楽配信、今春開始が難しい雲行きに

2006-05-02 23:43:40 | Weblog
 タワーレコード(東京・品川)と米ナップスターが今春に日本で予定していた国内初の定額制音楽配信事業のサービス開始時期がずれ込む見通しとなったことが2日、分かった。月額14.95ドル、日本円に換算すると1700円程度で楽曲を聞き放題で楽しめる米ナップスターのビジネスモデルを日本に持ち込もうとしているが、レコード各社との交渉に時間がかかっているとみられる。

 米ナップスターとタワーレコードは2005年10月に日本で合弁会社「ナップスタージャパン」を設立、定額制の音楽配信サービスを今春に日本でも始める準備を進めていた。05年8月に合弁事業で提携合意した時点では、今年4月にサービスを開始すると表明していた。

 合弁会社に53.5%を出資するタワーレコードによると、「現在は万全のサービスを提供するために準備をすすめており、サービス開始時期に関しては改めてお知らせしたい」という。

 ナップスタージャパンは米ナップスターと同様、月額制で好きな楽曲を何曲でもダウンロードできるサブスクリプション方式を導入して他の音楽配信サービスとの違いを打ち出すことを狙っている。しかし、日本の音楽配信サービスは欧米と比べ1曲あたりの単価が割高になっており、定額方式の是非や楽曲の提供料などの面でレコード各社との交渉に時間を要しているとみられる。

 米ナップスターは通常の1曲単位の音楽配信のほかに、「ナップスター」と「ナップスター・トゥー・ゴー」の2つの定額サービスを提供している。前者は月額9.95ドルでパソコンで楽曲を聴くことが、後者は同14.95ドルで携帯音楽プレーヤーなどまで楽曲を転送できるのが特徴。米国では200万曲以上の楽曲をそろえている。

 米ナップスターは1日、同じ曲を5回までなら無料で聴くことができるサービスを米国で始めたと発表した。楽曲をパソコンに保存できず、サイトに掲載する広告収入で運営するモデルで、月額会員制に続く新たな収益モデルを模索している。いずれは日本を含む他地域でも同様のサービスをはじめたいとしているが、実現までには時間がかかることも考えられる。(2006.5.2/日本経済新聞)