近現代社会の変動を、国民国家の伝統的な家族形態や人口動態から読み解くエマニュエル・トッドの見解は的確だ。グローバリズムの行き着く先にある、先進産業国での国民国家の復権と、途上国でのその崩壊。社会民主主義を遺棄した世界が招来した惨状を、一連の歴史の流れのなかで直視すべきなのだろう。
目次
1 夢の時代の終わり(2016年8月30日)
米国が変わろうとしている
一つの世代が過ぎて ほか
2 暴力・分断・ニヒリズム(2016年1月27日)
広がる国家解体のプロセス
イスラムの崩壊としてのIS ほか
3 グローバル化と民主主義の危機
好戦的な、いわば狂気が世界に広がりつつある(2015年2月19日)
「国家」が決定的な重みを持つ時代(2014年7月8日) ほか
4 アメリカ「金融帝国」の終焉
今や米国は問題をもたらす存在でしかない(2008年10月30日)
グローバル化は単なる経済自由主義ではなく、より厄介だ(2008年3月31日) ほか
5 終わらない「対テロ」戦争
日本は米国以外の同盟国を持つべきだ(2004年2月4日)
帝国アメリカは崩壊過程にある(2003年2月8日) ほか
トランプ・ショック、英国EU離脱、憎悪とテロの連鎖。どの国もうまくいかない歴史の大転換期を鮮やかに読み解く。グローバリズムが先進国の中間層を解体し、社会を分断する。民族の自律性と民主主義への懐疑が黒雲のように広がる。中東では国家の解体という最悪のプロセスが進行する。このおそるべきニヒリズムを乗り越えるには―。朝日新聞による日本向けインタビューを網羅。9・11以降の現代史の奔流が手に取るようにわかる!
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