バラク・オバマが、フランツ・ファノンならば「白い仮面をかぶった黒人神経症者」と呼んだであろうろくでもない偽善者であることが明るみに出たいま、もはやアメリカに「グリーン・ニューディール」の実現を期待すべくもないが、だからといってグリーンカラー経済のもつゆたかな可能性をあきらめるべきでもない。「環境」と「貧困」問題の同時解消をめざすヴァン・ジョーンズの構想には、かろうじて残存するアメリカの良心が貫かれている。
目次
序 章 現状認識
第1章 二つの危機
第2章 第四象限
第3章 エコの平等
第4章 グリーン・ニューディール
第5章 未来は今、始まる
第6章 政府の問題
第7章 活力と希望
米国で注目を集める活動家が、独特の視点から環境対策を論じた一冊。
従来の「グリーン運動」は、高学歴で高所得の人のための運動だと見なされていると看破し、それでは大きな成果を挙げられないと指摘。従来の運動から漏れた多数の人たちを巻き込むことこそ、真の環境対策になると主張する。
具体的には、人々にブルーカラーならぬ、環境にやさしいグリーンカラー・ジョブを提供することが重要と説く。そうした仕事を得た人々が、家族を養うことができ、しかも環境にとっていいことをしているんだ、という誇りと自尊心を持つことが、新しい「グリーンカラー・エコノミー」の実現につながると、説得的かつエネルギッシュに訴える。
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