ストーカー規制法成立の直接の要因となったあまりに有名な事件の裏に、本書にあるような、写真週刊誌記者の執念に満ちた取材による驚がくの事実があったとは知らなかった。本書で、筆者は、ストーキングと一連のいやがらせ、および殺人の加害者たちだけではなく、無責任にして杜撰、市民を守るどころか被害を訴える者をむざむざ死に至らしめ、その後も自己保身のために遺族を傷つける言動を繰り返した警察官たちとを断罪しているが、それも宜なるかな、明るみになったそれらの言動はあまりに酷い。読む者は、犯人たちと同等の警察への憤怒をおぼえるだろう。
第1章 発生
第2章 遺言
第3章 特定
第4章 捜索
第5章 逮捕
第6章 成果
第7章 摩擦
第8章 終着
第9章 波紋
補章 遺品
ひとりの週刊誌記者が、殺人犯を捜し当て、警察の腐敗を暴いた…。埼玉県の桶川駅前で白昼起こった女子大生猪野詩織さん殺害事件。彼女の悲痛な「遺言」は、迷宮入りが囁かれる中、警察とマスコミにより歪められるかに見えた。だがその遺言を信じ、執念の取材を続けた記者が辿り着いた意外な事件の深層、警察の闇とは。「記者の教科書」と絶賛された、事件ノンフィクションの金字塔!日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞受賞作。
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