岸政彦,2017,『ビニール傘』新潮社.(12.14.2018)
絶望と希望がせめぎあう断片的な小話と、大阪の街のたたずまい、匂い、音が交錯し、なんとも切ない気持ちにさせられる。人物描写の巧みさは、おそらくフィールドワークで鍛えられた鋭い嗅覚によるものだろう。起承転結のない、まるでわたしたちの人生そのもののような小説二話だ。
共鳴する街の声―。絶望と向き合い、それでも生きようとする人に静かに寄り添う、二つの物語。第156回芥川賞候補作。気鋭の社会学者による、初の小説集!
ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!