イタリアのトリエステとならんで、ヨーロッパ有数の福祉都市として有名なドイツのベーテル。
ナチスの障がい者殺戮計画にも屈せず、障がい者を守りとおし、障がい者といわゆる健常者が共生できる地域社会を構築してきた功績は、世界の社会福祉事業史においても特筆すべきものだろう。
キリスト教(教会)を母胎とした、厚みのある社会福祉事業を日本社会に期待するのは無理な話ではあるが、地域包括ケアの構築を目指すのであれば、こうした海外事例に学ぶべき点は数多い。
目次
第1章 医療と福祉の町ベーテル
この世で神さまに愛されない人はいない
総合医療・福祉施設ベーテルの組織 ほか
第2章 病人と障害者を守ったベーテル
施しより仕事を―人間の尊厳を失ってはならない
てんかんの患者を救え ほか
第3章 ベーテルの歩んだ道
一九世紀のヨーロッパは格差社会だった
第一次世界大戦中のベーテル ほか
付録 総合医療・福祉施設ベーテルの歴史
ベーテルはドイツ・ビーレフェルト市(人口34万人)にあり、その施設やシステムはベルリンをはじめドイツ国内を中心に広がっている。ベーテルには各種病院や老人ホーム、特別支援学校などがあり、約1万4000人の医療従事者がいる。医療と福祉が機能的に行われており、障害者も老人もさまざまな仕事(約2500職種)に就くことで、生き甲斐をもち充実した暮らしを送っている。日本の医療崩壊を解決するヒントがここにある。
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