横山恵子・仲田海人・やじろべえ・南の島のきょうだい・木村諭志,2024,今日の向こうは──きょうだいが語るきょうだいの精神疾患と私の人生,ペンコム.(9.14.24)
精神疾患を発症したきょうだいと、そのきょうだいが語る幼少期から大人になるまでの人生とこころの記録。4人の体験談。
姉は高校生の時に、突然こころを病み、その時私は中学生でした。姉の面倒を見なければいけないとしか思い描けていなかった未来。しかし、ほかのきょうだいが、きょうだい自身の人生を歩んでいることを知り、それだけが全てではないという思いに変わりました。4人が語るきょうだいのこころと記録。幼少期から大人になるまで。
本書は、精神疾患(統合失調症)を発症したきょうだいをもつケアラー当事者、4人の経験談と考察により構成されている。
精神疾患は外見ではそれとわからないだけに、家族という囲いのなかでケア役割を引き受けざるをえなかった当事者の苦悩は察するにあまりある。
ヤングケアラーについての認識はかつてよりも広がってはきているが、精神疾患に焦点を合わせたケアラー当事者の記録は貴重だ。
目次
第1章 きょうだいの語り―その時、それまで、そして自分の未来
仲田海人(執筆時20代、弟の立場) きょうだいは親代わりではない。焦りを伴う先送りできない問題
やじろべえ(執筆時40代、姉の立場) 思春期のこころの問題を置き去りにしないために。きょうだい、家族、支援者に伝えたいこと
南の島のきょうだい(執筆時20代、妹の立場) 自分自身や家族の中に病気に対する偏見がなければ、姉の病気の悪化を防げたかもしれない
木村諭志(執筆時30代、弟の立場) 周りの助けを借りて「自分の人生」を考えられた時、未来をつかんで歩んでいける力になった)
第2章 考察―精神障がい者のきょうだいの体験からきょうだい支援を考える
きょうだいがきょうだいでいられるための家族支援を