思えば「友だち地獄」という問題提起も強烈であったが、本書での「(個性の)キャラ化」や「(人間関係の)圏外化」というコンセプトも青少年の心象風景を読み解くうえで相当なインパクトがある。
包摂型社会が唱道される一方で人間関係の「排除」が進行する薄ら寒い現実を、自ずと直視させられる。
目次
第1章 コミュニケーション偏重の時代
格差化する人間関係のなかで
コミュニケーション至上主義
第2章 アイデンティティからキャラへ
外キャラという対人関係の技法
内キャラという絶対的な拠り所
第3章 キャラ社会のセキュリティ感覚
子どもと相似化する大人の世界
子どもをキャラ化する大人たち
第4章 キャラ化した子どもたちの行方
価値観が多元化した社会で感じる閉塞感。気遺いに満ちた「優しい人間関係」のなかで圏外化におびえる恐怖感。ケータイやネット、家庭から学校といった日常は、過剰な関係依存と排除で成り立っている。子どもたちにとって、現実を生き抜くための羅針盤、自己の拠り所である「キャラ」。この言葉をキーワードに現代社会の光と影を読み解き、「不気味な自分」と向きあうための処方箋を示す。
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