期待して読んだんだが、観察が表層的で論述に深みがない。分量も含めてぺらぺら(って他人様のことは言えた身ではないがw)。「バイク便ライダー」のサブカルチャーを知るうえでは多少は興味が湧いたものの、一点突破全面展開の想像力に欠けている。ケアワーカーのワーカホリックについて調査中とのことなので、次作に期待したい。
「引きこもり」や定職に就かない「ニート」といったイメージが浸透していることから、20代の若者たちは一般的には怠け者が多いと思われがちかもしれない。本書は、事実はその正反対であると告発するユニークな視点の書だ。東京大学大学院生の著者が「バイク便ライダー」として働いた経験を基に、現代の若者、特に「団塊ジュニア」と呼ばれる世代がワーカホリック(働き過ぎの人間)となり、その弱みにつけ込む経営者から低賃金重労働を課せられて搾取を受けていると力説する。
バイクやガソリン代は自腹で、「荷物を何個届けたか」のみで支給される歩合制の報酬のために、バイク便ライダーたちは命を削るような働き方をしているという。さらに不幸なことに、それを「おかしい」と感じ取る知識や経験にも乏しい。著者は同じような搾取の構造が、SE(システムエンジニア)や介護士の世界にも存在すると指摘し、本書を通じて彼らに情報交換の重要性と連帯を叫ぶ。
社会学的な見地から、団塊ジュニアが経験してきた激烈な受験戦争とその後の就職難についても考察を加える。そうした体験により、与えられた職務に盲目的に挑む従順な性格が醸成された可能性が強いのではないかという推察にも行き着いている。
(日経ビジネス 2007/01/22)
実習視察のため福祉施設2カ所を訪問する。また例によって道に迷った。なんでこんなに土地勘がはたらかないんだろ。_| ̄|○
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