少年犯罪の事例や、青少年の日常的なコミュニケーションのありようから、社会からの刷り込みによって「個性」幻想に翻弄され、脆弱な自尊心を防衛すべく、仲間内での過剰な配慮と、一方での異質な他者への無関心の度合いを強める、そうした危うい青少年の心性を描き出す。
異質な他者との関わりのなかから、経験に裏打ちされた等身大の自尊心を育んでいくことの大切さにあらためて思い至った。
目次
1 親密圏の重さ、公共圏の軽さ―子どもの事件から見えるもの
親密圏における過剰な配慮
公共圏における他者の不在
「つながり」に強迫された日常
2 内閉化する「個性」への憧憬―オンリー・ワンへの強迫観念
生来的な属性としての「個性」
内発的衝動を重視する子どもたち
「自分らしさ」への焦燥
3 優しい関係のプライオリティ―強まる自己承認欲求のはてに
「自分らしさ」の脆弱な根拠
肥大化した自我による共依存
純粋な関係がはらむパラドクス
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