コミュニティとしての地域社会の概念要件は、地域性(空間的限定性)と共同性にあり、前者を相対視すると、共同性のみが残り、よってなんでもありの総合社会学とあいなるわけであるが、そこは看板に偽りありということで回避せねばならず、そんなこんなで、かなり自由度の高い論考集となっている。
いまどき、ゴリゴリの実証主義をつらぬく地域社会学、都市社会学も受け容れられないだろうし、著者たちのスタンスは妥当だろう。
身近な地域の暮らしにふれ、都市の問題を知ることから、社会学の世界へ入っていこう。都市空間やコミュニティの課題、人と人の距離、地域格差や貧困・排除など、具体的な社会問題について手や足を動かして考え、社会学的センスを磨いていく新時代のテキスト。
目次
第1部 地域を実感する
地域・都市はどう実感されるか―「距離」への敏感さ
地域・都市はどのように形づくられたか―人びとの空間的共存を捉える視点
空間と場所の問い方―マクロ・ミクロからのアプローチ
第2部 地域に集まる力/世界に広がる力
グローバル化とどのように向き合うのか―再生産領域への労働移動から考える
ナショナルなものと地域・都市―“中心”と“周辺”、そしてその先にあるもの
ローカル・トラックとは何か―進学・就職をめぐる理想と現実
第3部 地域・都市で生まれる社会
都市の公共空間―人の集まる場所のしくみ
都市の不平等はどのように進行しているのか―異質性と排除が結びつくとき
コミュニティはどこから来てどこへ行くにか―語りのダイナミズム
第4部 地域・都市のこれから
「限界集落」の「限界」はどう乗り越えられるか―ここに生きる意味の承認
地域・都市はどこへ行くべきか―地域への問いと社会学的想像力
創造と継承―都市の未来、都市の歴史
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事