樋口美雄・財務省財務総合政策研究所編著,2008,人口減少社会の家族と地域──ワークライフバランス社会の実現のために,日本評論社.(9.30.24)
人口減少下での多様で豊かな経済社会を目指して、先進各国の取り組みを参考に日本の取るべき方策を検討する。
少子化、高齢化、社会保障費の増大と財政問題、ソーシャル・キャピタル、ワークライフバランス等々、論点は多岐にわたっているが、当時としては最高レベルの現状分析と将来予測がなされている。
あらためて、本書刊行以来、約16年における社会政策の停滞を痛感した。
目次
地域によるワークライフバランス戦略
1 家族・地域社会の変化と就労
家族・地域からみた仕事や暮らしの変化
労働市場における地域差
「現役世代減少問題」の実相
2 高齢化社会の諸相
家族形態による家族経済の分析
高齢者の居住地移動と地域の経済・財政に関する考察
人口減少時代の社会保障―財政動向と改革課題
3 就労をめぐる諸問題
働き方のルール確立を目指した労働市場改革
ワークライフバランス社会の実現はなぜ必要か
欧州における少子高齢化と地域の経済・雇用開発戦略
4 人口減少時代の経済社会政策
地域社会の変容とソーシャル・キャピタル
資産流動化による高齢者の選択肢の拡大
地域社会の構造変化と政策的対応―活性化から調和社会の創造支援へ
少子対策、仕事と生活の調和に向けた兵庫県の協働の取り組み