バスや電車に乗るのがあまり好きではないから、普段、片道40分かけて自転車通勤している。周りの人にそのことを話すと驚かれることが多い。もちろん、バイクや車があればいいかなと思うこともある。そもそも免許を持ってないことで兄からは、「成人男性で免許を持ってないのはお前ぐらいだ。お前は馬鹿だ」とよく言われる。でも、自転車に乗っているといい運動になるし、何かと感じることもある。
ちょうど今の冬の季節だと寒いのだけれど、20分ほどすると体が温まってきて運動しているのと同じ感覚になってくる。すると、高校の時のサッカーをしていた自分が自然と思い出されてくる。フェイントを何度もかけられて悔しかった自分や、逆に、フェイントで相手をかわして爽快だった自分など、悪いプレーやいいプレーをしていた自分が思い出される。自分なりにサッカーを必死に取り組んでいたけれど、2軍だったからサッカーで上手くいったとはいえない。だから、今でもトラウマのようにあの時のことが思い出される。体を動かすと、サッカーをしていたあの時のことを体が思い出すのだ。
20代の時は、嫌な記憶を振り切ろうと焦燥感に駆られたり苛々したりしたものだ。しかし、最近では高校の時の自分を少しは冷静に見られるようになった。なぜ監督が自分を1軍の試合に出さなかったのか、自分のプレーのどこに問題があったのか、そんなことを少しは分析できるようになってきた。そして、分析する内に自分の人間性にも問題があったことに気づけるようになってきた。
自転車に乗りながら自分自身を見つめ直している。