短三和音な日々

割と暇なゾイダー、滝上の不定期な日記。リンクフリーです

6/29版

2012-06-29 21:32:40 | エウロペの片隅から


「一年以上も素体のままというのは、流石に可哀想だと言う事で」

「今度はライガーゼロの改造ですか。アリーナにも出場している、紙白さんの機体にも触発されたみたいですね」

「それもあるし、元々使うのを検討していた素材である『ブレイドホーク』が手に入ったという理由も大きいわね」

6/27版

2012-06-27 22:53:02 | エウロペの片隅から
「今年の夏は何処に行こうかと、ご主人様が悩んでいるようね」

「去年は確か、長野でしたっけ」

「野辺山ね。ちなみに今年の春には千葉の犬吠埼に行っているわ」

「結構あちこち行ってるんですね」

「ま、そもそも今年はお休み取れるか怪しいのだけれど」

6/25版

2012-06-25 21:56:59 | エウロペの片隅から
「諸事情で一日ずれてしまったのですが、昨日はサンシャインクリエイションと打ち上げオフ会があったわね。ご主人様はお仕事で行けなかったけれど」

「でしたね。mixiやアサルトさんのサイトでは、オフ会のレポートが掲載されてます。……ところで、サンクリとオフ会と言えば4月にもあって、それには管理人もお邪魔させてもらっているじゃないですか」

「そうね」

「その後、何だか色々あったみたいなんですけど……結局何があったんですか?」

「うーん……、色々あったというか、こっちが事を荒立ててしまったというか……。これに関しては私の口からよりも、ご主人様自身にしっかり説明してもらわないといけないわね、やっぱり」


 今更蒸し返すようで大変恐縮ではありますが、改めてこの場で報告、説明をさせて頂きます。
 去る4月15日に行われました『サンシャインクリエイション55』にて、リンクサイト『局地戦用強襲型機動兵器』の管理人アサルト様が刊行された同人誌において、筆者である滝上が執筆しました『イリアスのゾイド講座』、並びに同じくリンクサイト管理人である黒燈様による『イリアスのイラスト』をゲスト寄稿として使用して頂く事になりました。しかしながらこの際、

・4/15当日になり、実際に印刷された同人誌を渡されるまで、どういった形で印刷されるかがわかるデータを頂く事が出来なかった

・黒燈様によるイラストの確認が、同氏に直接お会いする機会のあった一回しか無かった=同人誌を製作されているアサルト様からは、確認が一切無かった

 という事があり、その上でオフ会の席上にて、

・アサルト様が同人誌のイラスト関係を依頼されている絵師の方と、何らかの問題が発生している

 という事実を確認しました。

 その後、アサルト様からは6/24に刊行予定の新刊への、再度の寄稿依頼を頂いたのですが、上記の件があったために即時の承諾が出来ず、発生している絵師の方との問題が解決後、改めて承諾の可否を連絡させて頂くという形になりました。

 後日、アサルト様のサイトにて問題が解決した旨の告知があったのですが、正直な話、あまり信用する事が出来ませんでした。
 今にして思えば、流石に不信感だけが先走りすぎていたようなものなのですが……、丁度リアル関係がかなり忙しくなっていたのもあり、アサルト様には結局、断りのメールを入れてしまいました。

 今回のサンクリに前後したアサルト様、並びに絵師の方を含みます周囲の方の動向を、mixi等で確認させて頂いた限りでは、滝上の完全な取り越し苦労というか、要らぬ心配だったようです。

 4/16以降の一連のやりとりにおきまして、アサルト様には大変不快な思いをさせてしまいました事を、この場をお借り致しまして謝罪致します。まことに申し訳ございませんでした。

 また、同時期に平行してmixiの方に投稿していた日記・つぶやき等をご覧になった方々にも、お騒がせして申し訳ございませんと、謝罪させて頂きます。

6/23版

2012-06-23 23:14:58 | エウロペの片隅から


「……何かすっごく久しぶりに、ここに来た気がするよ」



「そうね。最後に話したのは、確か今年の元旦だった……かしら? ともあれ、久しぶりね、アルフィ」

「久しぶりイリアス。しばらく会わないうちにイメチェンした?」

「今年はこれで行こうかと。構想自体はだいぶ前からあったのだけれどね」

「ふぅん。それはそうと、私がここに居るって事は」

「ええ。少し前から告知だけしていました、『アルフィ・サーガ・リバース』の第一話……但しプレリリース版……の、公開です」

「プレリリース版だから、あくまで仮。この先ちゃんと続いていくのかどうかは、まだ先行き不透明って事」

「ヴァルハライザー関係のお話や、その他アリーナ関係のお話とか、ご主人様の興味の対象次第といった所かしら」

「……まあ、最近は滝上も書く方より作る方に比重置きがちだから、何とも言えないけどね」

「期待しないで待ちましょうか。……ああ、そうそう。大事な事を言い忘れていたわね」

「何?」

「誕生日おめでとう、アルフィ」

「……ああ、だから今日なんだ」

「気になる方は、記事カテゴリ『アルフィ・サーガ』の最古記事を見て頂ければわかるかと」

「ん。ともかく、私もまだまだ、あちこち出没するつもりだから」

「結局アリーナにも出ちゃってるしね」

「仕方無いじゃん、あんな大事になってるとは思わなかったんだから」

「さて、旧交を暖めるのはまた後にして。一端締めましょうか」

「だね。今後の予定は完全未定。いつかどこかで、また会えると思うけど、ね」

アルフィ・サーガ・リバース 第一話プレリリースver.

2012-06-23 23:14:34 | アルフィ・サーガ
 ――私は、何?
 ずっと、問い続けていた。この姿を――ヒトの姿を得てから、ずっと。
 どうして、私はここに居るの?
 かつての『身体』に問い掛けても、答えは返ってこない。
 私は、どうすれば良い?
 朽ち果てた機獣達の骸、その中にひっそりと立つ、名も無き墓標に視線を向ける。

 ――私の知りうるかぎり、“最高のゾイド乗り”ここに眠る。その勇気、その決断力、その魂は、帝国・共和国の壁を越え、すべてのゾイド乗りの指針となるべきものである――

 刻まれている文字は、こう。
 ……でも。
 眠っているのは、その『最高のゾイド乗り』だけじゃ……無い。


「はあっ、はあっ……、うわっと!!」
 足場の悪い砂漠を全力で走りながら、背後から振り下ろされる巨大な鋼鉄の鋏を、殆ど転がるようにして避ける。
「くそっ……、まったくついてないなぁ……」
 背後から私を追っかけてくる、全長10メートルの巨大な蠍……。かつてここ西方大陸エウロペで行われた戦争で、ヘリック共和国軍が用いた奇襲戦用ゾイド『ガイサック』。こいつは恐らく、無人迎撃仕様『スリーパー』として使用されたまま、管理者を失い野良ゾイド化した奴だろう。
 って、冷静に考えてる場合じゃない。
 人間の基準で言えば、大体10代初めくらいの少女の身体。流石に標的が小さすぎるのか、ガイサックの鋏が私を捉える事は無い。とはいえ一度でも捕まってしまえば、私の身体などあっという間に両断されるか、挽肉になるのがオチだろう。
(……ホントにそうなれたら、どれだけ楽なんだか)
 実際には、『そう』なったところでどうなるわけでもない。すぐに元に戻ってしまう。望もうと望むまいと。私はそういう存在なのだから。
 私として生まれた、10年前から。……いや、それよりも、ずっと昔から。
 私が私の、本当の名前で呼ばれていたはずの時代から。

「あーくそっ、今日のはしつこい……!」
 奇妙な追いかけっこは、そろそろ一時間に達しようとしていた。
 本来、野良ゾイドが人間を追っかけまわすなんて事はまず有り得ない。彼らが欲するのは、自身を稼動させるためのエネルギーであり、それは人間一人を襲った程度で手に入るものでは無いからだ。
 襲うなら、たとえば輸送キャラバンだとか、別の野良ゾイドだとか、そんな連中。
 だったらどうして私が追い掛け回されているのかと言えば、それは単純な話で、私が人間じゃないから……なのだろう。実際、この身体はゾイドから見れば格好の栄養源と言える。多分、だけれど。
 それでも、普段だったらこんなに長くは続かない。野良ゾイドだって馬鹿じゃない。手に入れるために払う労力が大きすぎるとわかれば、無理をしてまで追ってくる事は無い……事が多い。
 コイツは、つまるところ諦めが悪いのだろう。
「……仕方無いか。ここまで付き合ってやったんだし、恨むなよ!」
 諦めてくれないのなら、物理的に諦めざるを得ない状態にしてやるしかない。
 走り回りながら目をつけていた下り坂に、全速力で向かう。そのまま転がるように、砂を崩しながら坂を下る。
 この一瞬だけ、私の姿はガイサックの視界から消えているはずだ。
 少し遅れて、ガイサックが砂丘を下る。不整地だろうと安定性を失わない八本足で、凄まじいスピードで私に迫る。
 それでも、充分な距離を稼ぐ事は出来た。立ち上がると、私は提げていた荷物を肩から落とし、ついでに外套も放り捨てて、ガイサックに正対する。
 動きを止めた私を見て、ガイサックは二度三度、鋏を打ち合わせる。威嚇のつもりか、はたまた舌なめずりでもしているのか……まあ、どっちでも良い。
 その鋏が、振り下ろされ――
「――ふっ!」
 次の瞬間、ガイサックの身体から切断され、飛ばされる。
 金属質な啼き声が響く。痛みか、屈辱か、あるいは両方か。無視してもう一方の鋏をかいくぐり、そのまま跳躍すると、ガイサックの頭部、コクピットにしがみつく。
 そして、先ほど鋏を切り飛ばした、『レーザーブレードに変化させた右腕』でキャノピーを切り裂き、返す刀でメインコンソールパネルを突き刺す。
 ガクンと、ガイサックの機体が一瞬揺れて、……そのまま停止した。
「これに懲りたら、もう追っかけてこないでよ……」
 野良ゾイドとはいえ、基本的にはヒトの手によって改造されたものである以上、制御系を破壊されてしまえば動く事は無い。コイツも、コクピットを破壊された事で動きを止めた。後は軍なり賞金稼ぎなりが、回収していく事だろう。
 ……などと、油断していたからだろうか。
 最後の悪あがきなのか、それとも偶然か……、振り上げられたまま止まっていたはずの、もう一方の鋏が、私めがけて落ちてくるのに、気付けなかった。
(ヤバ……!)
 ぶち当たっても死なないんだけど、痛いものは痛い。やけに長く感じたその一瞬の後――何処かから放たれた銃撃が、鋏ごとガイサックを吹き飛ばした。

「大丈夫かい?」
 砂丘の上から姿を見せた、狼型ゾイド――『コマンドウルフ』から降りてきた若い男が、開口一番そう聞いてきた。
「ああ、驚かせてしまったかな。僕はロナルド・キーン。野良ゾイド専門の『ハンター』だよ」
 やや細面の、柔和そうな表情をした男だった。西方大陸人なのだろう、細身だがそれなりに引き締まった長身の体躯は、浅黒く焼けている。
「……ん、大丈夫。助かった」
 ハンターというのは、文字通りの意味のはずだ。過去にも何度か、この手合いと出会った事がある。野良ゾイドのような、ヒトに危害を加える可能性のあるゾイドの捕獲を生業とするゾイド乗りたちを、まとめてこう呼んでいる。
「そうか、良かった。……しかし、この状況は一体――」
「ロナルドさん!」
 片方の鋏を切り飛ばされ、コクピットを切り裂かれているという不可思議な状態のガイサックを見やるロナルドの言葉に被せて、砂丘の上からもう一人の声が聞こえた。
「確認取れました! やっぱり、二日前に依頼の出ている機体です!」
 降りてきたのは、どうにもこの砂漠には不釣合いな印象の格好をした少女だった。
「……えっと」
「あ、すみません……。あの、大丈夫でしたか?」
 ブラウンの髪を肩の辺りで左右に下ろした、10代半ばくらいの少女。多分、『不釣合いな印象』の正体は服装で、ブラウスに薄手のカーディガンと膝丈のふんわりとしたスカートという、何処かの村娘のような格好のせいだ。
「うん、おかげ様で」
「良かった! あ、私はシエナ・ホワイトアローといいます。まだ見習いですけど、一応ハンターです」
 その笑顔すらも、この砂漠には似合わない。けれど不思議と嫌悪感は無く、むしろ好感すら抱ける。
「それで、君の名前は? 差し支えなければ、この状況についても教えて欲しいんだが」
 会話の切れ目を見計らってか、ロナルドが話を戻す。そういえば、まだ名乗ってなかったっけ。
「私の名前は……アルフィ」