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自治体サイトに「差別正当化」文書

2020-12-28 21:31:26 | 共生・反差別
 群馬県草津町議会議員(女性)が町長からの性被害を訴えたところ、他の議員らがリコール運動を起こし、住民投票の結果、当該議員は失職しました。

★町議会の実態

下記の記事が草津町議会の実態を伝えています。

まるで現代の魔女狩り? 性被害を訴えた草津町議会女性議員へのリコール
北原みのり

殺気だつ草津町傍聴席「犬だってしねぇよ」 セクハラを背中で浴び続けた気分になった  北原みのり

 町議会で男性議員が「(性被害の訴えは)草津町議会にとっても、町民にとっても、経済にとっても、対外的にも非常に迷惑」と明白な差別発言をしています。
 「当該女性議員への嘲笑や暴言、叱責が激しい」、男性議員が「傍聴席のヤツラ 今日はやりにくい」と発言したこと、男性の傍聴人たちが繰り返し悪質な性差別的暴言を浴びせていたことが明らかになっています。

 力関係の圧倒的な非対称性(女性議員は当該議員のみ)という状況下で、当該議員に一方的に苦痛を与える議事が恒常化していたことがうかがわれます。議会が「言葉の暴力」、性差別リンチ(私的刑罰)を加える場になっていたのです。

★この事件の本質
 一連の経緯が、女性が性被害を訴えることを否定し、そうした女性を社会的に排除するという女性差別事件です。
 
★町議会の「見解」文書
 草津町のウェブサイトには全国フェミニスト議員連盟の抗議文「新井祥子議員に対する草津町議会の除名処分と議長主導の住民投票に抗議します」とそれに反論する草津町議会の「貴団体からの抗議文に対する当議会の見解」が掲載されています。

「男性議員が女性議員の政治参加を妨害しているような事実はありません」(「見解」)
 上記の町議会の状況からだけでも、性差別による排除であることがわかります。
 この事件に関連したネット署名の賛同者のコメントに「恐ろしいです」という言葉がありました。この事件は女性が選挙に立候補することをためらわせるおそれがあります。ますます「女性のいない民主主義」になってしまいます。

「同氏は議会での説明責任を果たさず」(「見解」)
 対等な形式の弁論とはかけ離れた、「性差別リンチ」状態の議会審議を正当化しています。

「(リコールは)多くの町民の声を反映させるために合法的に実施」(「見解」)
 「〇〇議員をリコールに!」と大きく書かれたポスターが公共施設、共同浴場などに掲示され、街宣車も走り回るリコール運動でした。この事件の本質を物語る光景です。多くの人びとが、差別に加担させられたのが実態であると言えます。かつてのナチス政権下において差別扇動によって引き起こされた差別犯罪と同質のものを感じます。

 どのような言動が女性差別なのかという基本的な認識の有無が、リコール運動を主導した人びとに問われなければなりません。
 女性差別が容認されないことは、世界共通の社会規範です。多数決によって差別行為を正当化することはできないのです。
 
群馬県草津町の「町議リコール」住民投票がはらむ、性被害の事実以前の大きな問題  HARBOR BUSINESS

草津町議会としての 抗議文の対応について  草津町ウェブサイト

★海外の反応
今回の事件は日本社会の不名誉を世界に拡散することになりました。

日本は「性差別や不平等が蔓延」。草津町議リコールで、海外メディアの報道続く。  ハフポスト

12月27日の記事に加筆修正したものです。


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