室井絵里のアート散歩

徒然現代美術&感じたこと、みたもの日記

アート散歩・練馬美術館

2005年03月31日 | アート他
今日で終了しましたが、練馬美術館の「創造のさなかに」展に行ってきました。練馬の現代美術の展覧会シリーズ「現代美術の手法」の7回目になります。作家は、萩太郎、岡崎乾二郎、建畠覚造、青木野枝、吉田亜世美、井上尚子。完成作品だけではなく作品が完成にいたるプロセスも同時に見せることによって、一般の方にも現代美術に親しみをもってもらおうという試みだそうです。建畠さんの立体造形は、こうしてまとめて見ると圧巻です。結構ご高齢かと思いますが、作家の淡々と創作している様子が作品からもみえてくるように思えました。また、青木さんは鉄でインスタレーションする作家ですが今回は、一部屋を使って空間にのびのびと広がる立体と、美術館の壁面にある展示ガラスケースの中にも作品を展示していました。ガラスケースの中の作品は、まるで絵画を見ているような錯覚におちいります。立体造形でありながら、線を見せる彼女の作品について改めて作家の原点を見た感じがしました。

練馬美術館は結構遠いので、他になんかないかなー・・・と、中村橋駅界隈を歩いていたら、ニュー銭湯和倉湯を発見。露天は石川県和倉温泉の浜の塩、那須の真っ白なお湯の湯の花のブレンドでした。四百円で、どっか遠くに行った気がしました。石川県の浜辺を描いた銭湯絵もありました。中島さんというサインでした。
美術館だけだと遠いっていう人には、こちらもセットで楽しんだらいいかもしれません。
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猫ポンの食日記

2005年03月30日 | アート他
そりゃさっきは、ちよっと欲しいっていってみたけどさぁ。苺は、なんかにおいしないからおいしそーじゃないしぃ。「ほしいっていったでしょ」と、鼻先に出されても。
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アート散歩・銀座 本宮健史・宇田見飛天と森美術館

2005年03月28日 | アート他
銀座のギャラリー21+葉で今日からはじまった本宮展。本宮さんは洋画家三岸節子さんの孫でもあり、大学卒業後渡欧。
タピエスの工房などを経て、スペイン在住。タプローらしいタブローというか、日本ではこんな筆致で絵を描く人はあまりいないのではないかと思うが・・・じわーと壁の中に引込まれるような、いつも小品を見ることが多いのでこの人の大作の展示を一度拝見したいと思う。スケール感のある画家だ。同じく、今日はじまった藍画廊の宇田見飛天展。宇田見ひとみさんという名前で活躍していた高知在住の作家が、画風を少し変えたのにともなって改名したそう。描かれた女の子の絵が、ちよっとアンニュイな雰囲気でおもしろい。それから、雨の中六本木の森美術館のオープニングに。

「秘すれば花」展と「ストーリーテラーズーアートが紡ぐ物語ー」展。(6/19まで)前者は金善姫さんの企画で東アジアの現代美術ということでまとめられている。小林俊哉、伊庭靖子など好きな作家も選ばれているのだが・・・展示が少しつらいかなぁ。ごちゃごちゃあれば、いいってもんでもないだろう・・・森のこれまでの展示の中ではまだ整理されていたが・・・卒業制作展とか、キュレーターがいない昔のアンデパンダン展(ごちゃごちゃしていてもパワーがあったけど)ではないのだし・・・ま、あまりキュレーターが出過ぎる整った展示もつまんないけど。
「ストーリーテラーズ」展の方は荒木夏実さんの企画。こちらにもウイリァム・ケントリッジの映像作品など好きな作家が並ぶ。展示と全体の印象としては、まとまっていた感じがしたが映像作品が多い。いずれにせよ、オープニングでは人と会えば話ばかりだし、まともに映像作品を見る時間の余裕もないので、また出直そう。出直そうと思うということは、
森美術館も少し、まとまってきたのかなと、ちよっと思う。
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美術散歩・江戸東京博物館

2005年03月27日 | アート他
江戸東京博物館で開催中のエミール・ガレ展ではなく、宇野まさしさんと小畑延子夫妻の絵画と書の展覧会に行った。
林海象司会で、ゲスト唐十郎、原田芳雄、という豪華な顔ぶれでの「下町談義」というトークショーを聞くためでした。

宇野さんは、日本の下町の風景を現場で描くということを続けてきた画家。原田さんもいっていたが、赤が印象的な画風だ。私は、二十代の時の作品の「しやも」と新宿の副都心を描いた作品が好きだった。奥様の小畑さんは両腕を子供の頃無くされたという書家。小柄な雰囲気からはほどとおい、のびのびした力のある書を描かれる。唐さんは宇野さんの絵の路地裏にまるで自分が迷いこんで歩いているように見えるという。宇野さんを呪詛の神だといい、一方小畑さんは破天荒な荒ぶる神だと称されていた。文化の全てが太陽を求める昇華構造ではなく、下降する、まるで地下に降りたように感じる宇野さんの絵に共感を覚えるという。焼酎を飲みながらだったので、林さんが宇野さんや小畑さんの人柄にふれるたびに「違うよー」と作家たちからかえったりして、かなり出来上がった楽しいトークだった。ついでに会場にも、お酒をふるまってもらったら、もっと楽しかったかも。終わったあと唐さんが「二次会行きましょう」と誘ってくださったのが、笑えた。あれ一次会だったのか-?
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アート散歩・銀座 松井紫朗+藤城凡子展

2005年03月27日 | アート他
銀座のASKでの「松井紫朗+藤城凡子展 aquaria」が最終日だなと、あわてて銀座に。東京駅からめざす画廊に向かう途中に携帯に電話が入り、そのまま道に立って話していたら何人か知人が前を通る。さすが銀座。中でも、3年ぶりくらいに会ったのが中世古佳伸さん。ギャラリーhinoの吉仲正直展に行くというので、ご一緒した。吉仲さんは、さすがのキャリアと思わせる完成度。いい作品だ。その後、数件の画廊まわりをする。INAXの中西信洋展など薄暗い空間にライトボックスを置き不思議な抽象世界が展開する。宇宙なのかなー。最後、松井さんたちの展覧会。藤城さんははじめてみる作家。既製品で金魚鉢のを作ったような閉じ込められた世界が広がる。松井さんは、生きた金魚を使っていた。閉じられつつも、どこかで外の世界ともつながったような不思議な構造のガラスの器をつくり金魚は水槽と違う場所にも出て行ったり、入ったり・・・接触しつつも、重ならない世界観というか、円環する世界を感じさせる。二人の共通点と、違いがはっきりみえる二人展だった。
最後は中世古さんにカプチーノをごちそうになりながら色々と話した。彼は青山界隈のアートスペースで町ぐるみ展開した「モルフェ展」を企画した人。4回展開した同展は最後は三重県の南勢町と青山と同時開催した。私も二度くらいキューレーションのお手伝いをしたし、最後の時は「室井さん岡本太郎に興味ある?」と岡本太郎をめぐるシンポジウムの企画をなげてくれたのもこの人だ。私が岡本太郎のことを考えるきっかけを作ってくれた人ともいえる。同時期に大学にいたわけではないが、大学の先輩ということで、気楽に話せる人だし、本当に美術が好きな人なのだなーと感じることのできる数少ない知人でもある。
モルフェの後、色々と大変な時期もあったようだが、4月からOJUNとの往復書簡からはじまった展覧会を企画するそう。作家とちゃんとむきあって展覧会をつくる人だなーと思う。

去年の森美術館の「六本木クロッシング展」について「あれは巷でモルフェでやろうとしていたこと、美術と表層というのと同じコンセプトだけど、あれを美術館でしかもあんな展示でやられたら意味ないよねー」とか「今みた若い人の作品に、見せるのはうまいけどコンセプトが欠けているような気がする」という話などで久しぶりに盛り上がった。
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アート散歩・まだ行ってませんが、夏原晃子展

2005年03月25日 | アート他
大阪の信濃橋画廊5,で、4月9日まで開催中の夏原晃子展。まだ、行ってないのですけれどお近くの人はぜひ足を運んでください。来週くらいには、昨日私がなんとか書き上げた原稿が載ったカタログもできていると思います。
夏原さんは、アクリルに色々なものをつめこんだ作品を作ってきた作家です。最初は、消えてしまう工業製品とかそれから、空気とか。写真は、去年大阪の放出の日光温泉で展開した「銭湯プロジェクト」での夏原作品。
営業中の銭湯の湯船の底に卵型の作品が沈んでいます。この作品は、湯につかりに来た人の興味をひいたようで、けっこー重いのに色々な人に抱き上げられたようでした。信濃橋画廊では、この卵がどのように見えるのか・・・な?

信濃橋画廊 西区本町1-3-4陶磁器会館 06-6532-4395 地下鉄四ツ橋線本町下車20番出口 日休

銭湯プロジェクト関連ページ   
           http://www.arts-calendar.co.jp/KOGURE/03_06/SENTO-Project.html 
           http://www001.upp.so-net.ne.jp/artichoke/class/03-japaneseart.html
           http://www001.upp.so-net.ne.jp/artichoke/class/03-japaneseart.html
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アート散歩・雨の銀座町田久美展と炭酸せんべい

2005年03月25日 | アート他
夕方から雨の中銀座にでかけ、西村画廊の町田久美展など数件の画廊まわり。町田さんは現代アートで読む澁澤龍彦という平凡社刊のシリーズの3冊目『放蕩学校』の絵を担当した作家。VOCA展での作品しか見たことが無かったのだが、個展ではまた違った一面が見えた。四谷シモンというか、寺山修司というかの匂いというか、独特の気配がある。日本画の出身だというが、日本画の手法を用いた面白い作家だ。

そのあと、友人のNさんと会う。彼女は、現代美術作家のパートナーでありこれまでマネージメントの仕事もして来た人。有馬温泉に行くのでお土産いる?というので、炭酸センベイをお願いした。缶はお洒落になっているが、子供の頃食べたアジと同じ。これって生姜が入ってたのかー。嫌なことがあると、一人で缶ごと食べていた思い出のアジだ。

二人で銀座のギャラリーバーKAJIMAで持ち込んだ炭酸センベイをつまみに四方山話をした。
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美術散歩・金沢21世紀美術館

2005年03月22日 | アート他
2月のはじめに大雪の中金沢21世紀美術館に行きました。
昨年の十月にオープンしたのですが、たまたま同じくオープニングに行きそびれてしまった松濤美術館の学芸・光田由里さんと格安ツアーを見つけての旅でした。雪で乗るはずだった飛行機が欠航したりして、待っている間羽田から、東京竹橋の近美の「痕跡」展に走って行ったりして二人で思わず「働きものー」と笑ったりしながら午後遅く金沢につきました。でも、おかげで雪の金沢を満喫できました。
美術館の展示は前半の方が良かったという噂ですが・・・金沢の公立小・中全員を招待しているそうで子供たちであふれていました。どうも金沢市民全般に受け入れられてはいないようではありましたが、ともかく子供たちに浸透させることは大切でしょう。「まるびー」という愛称の丸い建物で、どこからでも入れて散歩の途中通り抜けられるからか「ペットの持ち込み禁止」って張り紙がちよっと笑えました。そりゃペットといっしょに入りたくなる構造だもんな。参加作家の山本基さんの作品も、色々と壊されたりして大変だったようですが、ま、色々な人に現代美術に馴染んでもらうことは良いことだと思います。
写真は、雪の兼六公園。池が真ん中の方凍っていました。凍った池の上に雪ダマを投げて遊ぶことを発見して、一人で楽しく遊んでしまいました。つつつーと雪ダマが滑っていくのを見るのは楽しかったですよ。雪がめずらしいので、嬉しい。

寒ブリの刺身もおいしかったし、近江町市場で買ってかえったノドグロの塩焼きも美味でした。
おいしい料理をいただきながら、作家山本基さんとじっくりお話できたのも収穫。たまたま、お会いした作家さんが案内してくれた犀川近くの古本屋さんは、以前知っていた安藤紫さんがひらいた古本屋さん「ダックビル」でした。美術関係のカタログなども多く、美学とかの古本も充実しています。(Duckbill 076-247-3340 )私は絶版になった、横浜トリエンナーレ2001のカタログを買いました。美術好きにはおすすめの場所です。
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猫ポン・飼い主食日記・せいろ

2005年03月22日 | アート他
先日中華街で買った、セイロはオモチャみたいけど使い物になりました。「昭宝」という製品で横浜の高島屋、銀座の松屋、クロワッサンの店にも出ているそうです。小さくてもすぐれものでした。1900円。今日使ってみてちよっと嬉しくなったので。
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美術散歩・関西版 藤本裕紀展・大石晶子展

2005年03月22日 | アート他

藤本展は、大阪のキュービックギャラリーで。大石展は京都のアートスペース虹で既に会期は終了してしまった。
京都のギャラリーすずきで「イメージの新様態」というシリーズ展の2回目を私のキューレーションで開催した時の、若手作家五人のうちに彼等もはいっていた。他には、平面の元永紅子や、ダムタイプのバフーォーマーとして活躍している薮内美佐子などもいた。
藤本は、京都芸大の漆芸出身だったと思うが学生時代から何か「笑い」を誘うモノというか、人の気を引くというか、独特の立体を作っていた。キュービックでは、ウルトラマンやバカボンの頭の格好をモティーフにした立体作品が並んでいた。会場全体に、少し小さくまとまった感が無いでもないが、相変わらずなんか妙な感じというか、スカシタ感じというか・・・しかもちゃんと真面目に制作されていていい。そういえば、北澤さんのシンポジウムなどで「工芸」に対して、私は関西の作家はと関東の作家の違いっていうものを感じた。関西の作家は、日常に工芸を意識して制作している。彼なんかもそうかもしれない。北澤さん、今度藤本さんに作品みにきてください。(写真提供 キュービックギャラリー
藤本作品)

さて、大石晶子展。フォトグラムという手法で以前はモノクロの画面だった。何が写されているのかわからない、不思議な抽象画のような画面だ。しばらく、個展発表をしていなかった気がするが・・・今回は、それを平面で見せるだけでなく映像作品として見せるということをしていた。インスタレーションとしても成立していたといえる。
久しぶりに会ったけど、頑張ってるなぁ。と嬉しくなった。今年は赤ちゃんも誕生するということだが、今後も期待したい作家の一人だ。
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美術散歩・関西版 サイモン展と福西展

2005年03月22日 | アート他
3月3日から9日まで関西に行っていた。リアルタイムじゃないし、展覧会も終わっちゃったけど。みた中で記憶に残った展覧会など記録しておこう。
3/3
CASのサイモン・リー・クラーク展。イギリス在住の作家が、来日して制作したそうだ。一見、ゴムで制作したカラフルな平面作品と見えるのだが。甘ーい香りが・・・何?チューインガムだそうだ。つまり、作家がガムを噛み噛みしてそれを伸ばして、キャンバスにくっつけるということをして作ったということで。それが、微妙な色の混ざり具合といい、この色を噛みながら作ったとしたら天性の色彩的才能を舌が持っているということか。会場には、彼が噛み残したガムや、残骸が残っていて、外国製の変な色のガムをお土産にもらった。
その後、キュービックギャラリーの福西数身展。以前、リフレインということで確か二人でコラボレーション制作をしていた。その時は、割合論理的な作品制作をしていたように思うが、平面の作品は表面叙情的なイメージがある。
風景なのかなー、心象なのかなー。あわーいイメージと、それを切り裂くような「何か」がひそんでいそうな画面だ。

新大阪に着いたまま、ギャラリーまわりをしたので一杯飲みたくなった。で、最後はキュービックギャラリーの今林さんとギネスを飲みに行った。
今林さんがキュービックギャラリーをはじめてから、もう十年だそう。早い・・・。

今林さんが同じ大学の出身っていうだけじゃなく、この人の目の確かさを私は信頼している。状況主義的じゃない分、辛い部分もあるだろう。自分の目がしっかりした人だから、つまらないものはつまらないという態度が出るギャラリストだし。その分彼についていけるアーティストも少ないかもしれない。アーティストを変にヨイショしたりしないで、いい作品に対してのみの評価をするタイプであり、まだ見ぬ作品を共に生み出せる人だろう。私は、そこが大事だと思うけどな。それが見抜けないアーティストの方が悪い。ま、と、いう意味では、日本人にはめずらしく自分の意見と目をもった人なんじゃないかな。
人の意見に左右される、画廊経営者っていうのは結構多いしさ。
彼はミーハーなギャラリーオーナーじゃないから大丈夫と思うが、これからは、ちよっと戦うダンディなかっこいい中年を目指してほしい。
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雑記帳・福岡の地震と白い猫

2005年03月21日 | アート他
日曜の朝のんびり起きてテレビをつけたら、九州・福岡の方で地震というニュース。前原は、私がしばらく逗留した酵素風呂のあるところだし、仕事にも行くので福岡には馴染みがある。福岡の人は、阪神淡路の前の関西の人のように「福岡は地震がいかない(ない)ところなんですよー」と、よく言っていた。実際、今回のような地震は観測史上はじめてとか。
今のところ地震の割に被害にあった人は少ないようだが、福岡・天神のファッションピル・イムズのアルティアムで16日からはじまったばかりの山本基さんの展覧会はどうなったんだろー。山本さんは石川県在住の作家で、塩を用いたインスタレーションをつくる。金沢21世紀美術館のオープニング展でも選ばれていたが、インスタレーションから生と死ということを感じさせる作品だ。それに、コツコツ作らねばならない。福岡では、オープニングの日までの数日間を使って現場で作品制作をし、翌日から現場を離れたと聞いていたし・・・塩だから、崩れたんじゃないか・・・と、心配。見に行きたいが、なかなか福岡は遠いしと悩んでいたからこそ、とても気になった。それに、福岡には知人も多いし、知っている作家も多い。以前、関西出身で、阪神の大震災の時に結局報道がだんだん悲惨になってきたことを体験しているので、今回はどうなんだと、ちょっと不安・・・。だけど、災害があった場所にむやみに電話もなー。正午頃、アルティアムに電話してみたが、通じない。次に知っている作家に電話してみたら一度で通じた。「なんで通じたの、こちらからもなかなか通じないのに」と言われたが。何回も電話していたわけではない。まー、よくわからないが、阪神淡路の時も新潟の時もちょっと感じたが、別に特別な意味は無くても、通じる時には通じるべき相手とこうやってつながっているんだろう。相手が、作家だとしたら私の場合はその人の次回の作品に常に興味をもっている人ってことだろうか。
こういうことがあると、別に深い意味はないけど、全部届いた案内状を見に行っていたら肉体的にも金銭的にも辛いし、でも、がんばって行く展覧会もあるし。行かなくても、イメージを馳せる場合もあると考える。会ったり、見たりしなくてもつながるべき相手とか作品っていうのがあって、なんだか必然的に既に出会っているなよーな気もする。


そういえば、以前家の前の樹木が切られた時に切り株の上に猫ポンが座っていて、その次にはじめて見た白い猫が同じ切り株の上にいた・・・と書いた。それ以来みかけてなかったのだが、昨日の地震の後、昼間に同じ白い猫をみかけた。赤い首輪をしていた。どこの子だろう?
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美術散歩・大塚聡展・「作品の居場所を巡って」シンポジウムなど

2005年03月19日 | アート他
表参道画廊で明日までの会期の大塚聡さんと、森山晶さんの展覧会にでかける。これは美術評論家鷹見明彦さんの企画でのスペースが二つある画廊での、それぞれ独立した、でも、連動しているともみえる展覧会。タブローの森山さんは、今年のVOCAで鷹見さんが推薦している作家でもある。大塚さんは、私が以前企画した「光の記憶展」の横浜ポートサイドギャラリーでの絵画の松尾藤代さんとの展覧会以来かな。千葉市美での展覧会でも会ったかもかもしれないけど・。去年、ドイツでの展覧会の案内をもらっていたが、八王子の旧住所への年賀状が返送されてきて、ひよっとしてベルリンに行ったままなのかなーと・・・思っていたら、今回の展覧会の案内が来た。
作品は、鏡と光とを使ったもの。以前はピンホールカメラのような小さな一点が近付くと無数に鏡の奥から、奥へも双方向に広がり見えるというもの。今回の作品は、さらにそれがバージョンアップしてコンピュータ制御して以前は一つだった光の点が鏡の中に無数に見え、光が点滅するというものになっていた。いずれにしても、内部から生じてくる光というイメージと、見ている人を内部へと引込む力は変わらない。

その後、銀座の画廊が中心となっている、東京現代美術画廊会議主催のシンポジウムへ。
「作品の居場所を巡って」というタイトルで、木下長宏さんと林道郎さんのセッション。途中から参加したので、話の芯からはずれるかもしれないが・・。
木下さんは岡倉天心が「制度の中にいたのに、制度以外のものを発見したのが面白い・工芸と美術の枠をとっぱらった。
そういう視点が現代の制度化された現状を打破することにつながるのでは」というようなことを発言してらっしゃった。
林さんは「美術館の学芸員は制度に従うので、作家がいなくなるとつまらくなくなる。展示の実験をした方がいいのでは・・。制度は対象化されたものではなく自然化したもので、その意味で無自覚であるのがいたしかたないとしても・・。」と。林さんはお話を聞くのははじめてでした。著書の『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』
とかを読んで、ちよっと興味がありました。今日のお話の中で西郷信綱のことを「読みかえができる、その喜びを知っていた人だ」というようなことを発言してらしたのが、個人的に面白かった。西郷信綱の『源氏物語を読むために』とか、学生時代に読んでその視点が好きだったから。
ところで、批評のことで、マスメディアのことだけが語られていたけど・・・私は最近ブログのトラックバックとかになんだかその信綱ほどじゃないにしても、「読みかえ」の力があるような気がしている。
だから、批評の現場は今はマスメディアに限られたことではないのではないかと思う。逆に無数に批評の現場が存在する。そのことにもう少し批評家といわれている人たちは自覚的になった方が、いいのではないか。

企画画廊さんの飲み会は、木下さんと林さんしか参加できなかったので、会場でお会いした横浜国大の榑沼さんとかと飲みに行く。たまたま、門田さんと隣に座って色々とお話が聞けたのが楽しかった。門田さんは銀座の藍画廊で読書会とかを主宰されている作家であり、木下さんの本を取り上げたいとおっしやっていた。

ところで銀座の「千里浜」という飲み屋はいけました。魚が料理の中心のお店。そこのおじさんがなんか、プローという感じで気持ちよかった。だって、人の注文をメモらないでまちがわないし、それに、酔っぱらって二重に注文しかけたお茶漬けなんかを、二重に出すのではないところが神経がピリピリいきわたっていてプロの技だった。魚もおいしかった。
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美術散歩・横浜そごう美術館

2005年03月19日 | アート他
横浜のそごう美術館で(4/3まで)開催中の福井爽人展へ。東京芸大の教授を退官した日本画家の回顧展。美しく青い、幻想的な絵だ。美しいが、インドでも中国でもその国の風土というより、画家の強い幻想世界に閉じ込められているようでなんだか全体として、インパクトは少し弱いかなぁ。銀座の小林画廊で、八木一夫と二人展をしたらしい。八木一夫といえば、京都の前衛陶芸グループ「走泥社」の八木一夫だろうか・・・、開催されたのが八木さんが亡くなってからだし、どうも作品のイメージがあわないので、同姓同名の他人かな。

 それからチベット語の翻訳者三浦順子さんと約束していた、中華街の「フカヒレ姿煮コース」を食べに二人で中華街へ。中華街ではフカヒレ姿煮コースが流行りらしく、3,000円くらいで姿煮を含めたコースが食べられる。
二、三軒比べた結果、入り口の前のビクとも動かない茶トラのニャンコにツラレて路地の広東料理の「吉兆」を選ぶ。湯葉巻あげや、エビチリなど工夫がされていて、フカヒレの姿煮もなかなかいけました。
満足して歩いていたからか、前から欲しくても悩んでもっていなかったセイロを買ってしまう。
お店のお兄さんおすすめの、小さな鍋がついていて、二段なので豚まん二個が蒸せるサイズのもの。こういうものは役にたつのかどうか不安だが・・。もっと大きなセイロを中華鍋で蒸すのが本来なのだけど。中華鍋なんて持ってないし。ま、いいか。

その後、近くのヨコハマグランドホテルのパーティに少しだけ行く。(こちらより先にフカヒレのの予定が前から入っていたので、失礼しました。)横浜国大を退官される、美術評論家でもある木下長宏さんを送る会。木下さんとはも考えてみれば京都に木下さんがいらした頃から、私も関西にいた頃だか何十年?の長いおつきあいだ。
美術手帖の展評を書いていた頃「絵里ちゃん展評を詩で書いてみたら」と言われたなぁ。今日は、とある作家のカタログの原稿を書かねばならないので、二次会も失礼して、早く帰って、これまた途中で衝動買いしてしまった「ワイルドストロベリー」の苗をうちのマンションの棟、六軒のお宅の入り口共有の土地に植えたりした。

3/16 文字化けしたので再度アップ
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美術散歩・BankART1929Yokohama

2005年03月15日 | アート他
横浜のバンクアート1929とバンクアートスタジオNYKで本日まで開催していた「食と現代美術」展、最終日に行ってきました。バンクアートは横浜市がみなとみらい線・馬車道の駅ビルとして1929開業の銀行を当時の姿のまま、新しく建築した建物の中にある現代美術スペースです。スタジオの方は、海辺の倉庫をリノベーションした場所。
1929のホールでは、藤浩司さんのペットボトルや、食品の空き袋などを使ったインスタレーション。藤さんはこれまでも使用済みのペットボトルを使った作品などを発表してきました。空き袋も彼の手にかかると、ゴミではなくなります。藤さんの作った犬や猫がかわいらしかったです。また、シャンデリアの下につけられたペットボトルは光を受けて、キラキラしていました。地下では、アートジャーナリスト村田真さん監修の「絵画に現れる食のイコン」食を扱った名画の複製画で構成されています。スタジオでは、井上尚子やみかんぐみなどがやはり食をテーマにした作品を発表していました。
また、同時開催の「ReadingRoom」展も。こちらは橋本誠さんの企画で、読むことをテーマにした展覧会。東野哲史さんはインターネットでひろった文字化けを原稿用紙に書くというユニークな作品。原稿用紙に書かれた文字は、なぜかすごい意味があるように見えるのが面白い。彼自身が会場に来て、その作業を続けるというパフォーマンスも展開中でした。また、酒井翠さんは「人はなぜ服を着るのですか」というインスタレーション。ずらりとハンガーに吊るされた洋服の一つ一つに値札のように、小さな写真と「寒いから」とかの言葉がついています。一着ずつ見ていくと、なかなかはまる。この人は作品づくりとともに役者もしているそうですが、そういえば、どこか楽屋のような雰囲気がありました。
 そのまま足をのばして、日本大通りの三井物産ビルのギャラリーPARIS(横浜市中区日本大通り14)へ。こちらは19日までの「マルセル・デュシャン」展。デュシャンのドローイングなどか展示されています。デュシャンのハートの作品などなかなかかわいい作品でした。デュシャンの作品を買いたい人は、手に入ります。

バンクアートから、日本大通りまでは海辺もあるし赤レンガ倉庫や開港記念館など横浜のアートの散歩道としてはおすすめです。「ランチョン・アベニュー」などケーキやランチがおいしい店も多いですし、ちょっと歩けばすぐ中華街です。
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