Ｗ おっさん

　それは、関西スーパーにお買い物に行ったときだった。

もちろん、奥様の指令に従って。



　両手に買い物袋を持って、出口に立った俺の前に一人のおっさんが。

白髪８０％。横わけ、チェックのシャツにワニのマークのベスト。

めがねはちょっとしたレンガ色。

笑ってるけど、起こってるみたいな顔で俺に道を譲った。


　１０ｍ歩いた所で前から別のおっさんが。

白髪８０％、横わけ、チェックのシャツ、ワニのマークのベスト。

めがねはちょっとしたレンガ色。

　ドッペルゲンガー、オッサン編？

そっくりなおっさん？双子？ペアルックの？

どこか違いは・・・・後で見たおっさんはニコリともしていなかった。

　
　どうせなら、自分のドッペルゲンガーをみたかった。

普通のオッサンって・・。

デリケート

　ちょっと、ええかっこしていこうと思って、

よそいきのジャッケトをとりだした。


っが、しみがちょっとついていたので、

遠慮しながらもここは妻に質問。


「これ何で拭いたら、よごれが落ちるでしょうかぁ」

「吹いたらあかんで。洗濯出さな。」


　仕方ない。このまま着ていこっと。

そして、その夜も酔いが回ってきたころ、

ふと気がつくとジャケットのシミを拭いていた。

しかもアルコールのついた濡れティッシュで・・・・。


　次の朝みたら、シミの箇所がはげまくりで、無残な状態。

だまってたんすの奥に隠した。

こそっと燃えるごみに出すしかない。