レトロ電子工作

電子工作はじめました!
基本的な所からゆっくりゆっくり進めていきます

ターミナル ブロック(基板に挿せる端子)

2019年08月26日 06時30分13秒 | 電子部品
昨日 紹介した 「陸式ターミナル」や「ジョンソン ターミナル」は、
ケースに取り付けるには良いのですが、ユニバーサル基板の上で使おうとする 一苦労です。 取り付けるための穴をドリルで空けないと挿さらないし、何より大きすぎます。

 そこで開発されたのが、↓ この「ターミナル・ブロック」という部品です。
これは3ピン
2ピン~十数ピンのものまでありますし、 複数連結もできます。

当初は、一番左側の高さ12.5mmのものが使われていましたが、最近はさらに小さい(基板からの高さ1cm)の小型タイプもあります。(すべて小型タイプで統一しても良いかも)
 色は、主に「緑」と「青」の2種類あり 信号の種類によって使い分けるのも良いかもしれません。 中国製は微妙に色が違うのが笑える。
 接続する足の間隔が (インチの2倍)5.08mmなので、ユニバーサル基板のスルーホールに ぴったり挿すことができます。 また、このままブレッド・ボードに挿す事もできます。

使い方は、被覆を数ミリほどむいた 配線を 横の穴に差し込んで、
上からプラス ネジを締めれば、しっかりと留める事が出来ます。

テスタ等で信号を確認したい時は、ネジ頭が信号と導通があるので ここをテスター棒で触れば 測ることが出来ますし、横に穴が空いているブロックなら ここにテスター棒を差し込んで ↓ そのまま使う事もできます。 邪道ですが便利です。

(先端が細い ↑ 自作のテスター棒・・・ そのまま挿せる)

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便利な ターミナル ブロックですが、欠点もあります。

例えば、今回の I/O BOARDのように 16本もの信号をつながなくてはいけない場合、その脱着が かなりの手間で面倒なのです。 一瞬だけ線を外したいと思っても 16個のネジを全部外さないといけないし、次に接続したい時は 間違えないように また神経を使って つなぎ直す作業が必要になってきます。
( だから、私なら このI/O BOARDにこの部品は使わないでしょう)

 そんな手間を解消するために考えられたのが、これ ↓

 ターミナル ブロックと同じようにリード線を自由にランダムに接続でき、かつ コネクタのように1発で 脱着できる 優れものです。
 実際に 使っている様子が ↑ こんな感じ。 これなら、複雑に組んだ配線も 一時的に外したい時に すぐに抜いたり、また挿したりできます。

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本題に戻って、
 今回の I/O BOARD に 指定通りターミナル ブロックを並べてみましたが、これはまずいでしょう!
 
 少し斜めの自然な角度から見ようとすると、せっかくのLEDが隠れてしまって見えません。 (背の低いタイプを使っても 少し隠れてしまいます)
それに、DIPスイッチにも 少しかかっていて ON/OFFの操作がしづらいし、上で解説した通り 16ビットもの信号を ターミナル ブロックでつなぐのは 面倒すぎます。 そこで、 ↓ 結局、

ターミナル ブロックは これだけしか 付けない事にしました。
(これなら LEDが見やすい)

 さて これから どうするか? おいおい解説します。




ターミナル いろいろ

2019年08月25日 06時30分10秒 | 電子部品
昨日、
 ブレッド・ボード(EIC-102B)に付いてくる  端子ターミナル)の名称を 「陸式ターミナル」と書いてしまいましたが、厳密には間違いだと気が付きました。 正しくは「ジョンソン・ターミナル」という名称のようです。

 例えば、これ ↓ が 陸軍ターミナル(陸式=陸軍式ターミナル)


そして、これ ↓ が「ジョンソン・ターミナル」

”同じじゃねーか!” と 突っ込まれそうですが・・・ (笑)

私も違いが いま一つ 分かり兼ねます。 端子の背丈が「ジョンソン」の方がちょっと長身?(外人だから背が高い?と覚えられる?)
 どちらも 中心に穴があり、バナナ・プラグを差し込むことができる。

そして、これも ↓ 「ジョンソン・ターミナル」
ちょっと楕円のシェープでスタイリッシュ?
そもそも「ジョンソン」って誰? 何者? (おそらく発明者の名前でしょうが、知っている人が居たら教えてください)

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 「陸軍」があるなら「海軍」もあるのか? と誰もが思うでしょうが・・・それが、あるようです。 (笑)
調べても見分け方が良く分からないのですが、「陸軍端子」はツマミを回し続けると とれる(外せる)
それに対し、「海軍端子」は外れない。(海(=船)の上は振動が多いので、外れては困るから)  そして、中央に穴も無くバナナプラグが挿せない。
(海軍端子の実物は見た事も無く、あまり世間に出まわっていないと思う)

そして、問題の「ジョンソン端子」は、「海軍」と「陸軍」の両方の特徴を持っていて。
 ① 中央に穴があってバナナプラグが挿せるけど、
 ② 回してもツマミは外れない・・・ ようです。

確かに このブレッドボードに付いている端子は どんなに回しても外れません。 よって、ジョンソン端子のようです。
上に引いても外れない

違いが それだけなら問題は無いのですが、実は挿す側のバナナ・プラグによっては 、大失敗の買い物になりかねませんので、詳しく解説します。

挿す側の部品:
 バナナ・プラグは、大きく分けて3種類あります。

① バナナの先端に丸くて硬い突起があるタイプ ↓
 これは、陸軍端子専用です。
 実はこれだと「ジョンソン端子」に挿せません。

 かなりの力で 上から押し込んでもこの程度・・・これでは使えない。

② 普通のバナナ・プラグ ↓
 先端に硬い突起物が無く、太い所で4.5mmほど、細い所で4mm以下の太さ。 
 これなら ジョンソン端子にすんなり挿せます。

③ 太さが一定のバナナ・プラグ ↓
 テスターのピンなどに良く見かけるタイプで
 太さがの径が 4mm で ずっとまっすぐ同じ太さのタイプ。
(バナナ・プラグの基本は 径が4mmということ)
実は、ジョンソン端子だと これ ↑ も 挿せません。

陸軍端子だと ①~③すべて 挿す事ができます!

ーーー
また 挿される側のもう1つの種類:「バナナ・ソケット」↓

 これも「バナナ用」と歌っているだけあって、①~③全てのバナナ・プラグをスムースに挿すことが可能です。 こんな↓感じ。
要するに、良く使われるジョンソン端子だけ 挿せないプラグがあるので注意が必要ということです。 (挿せないのも 逆に利点になる=誤挿し防止)

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「端子」という言葉と「ターミナル」という言葉を あえて ちぐはぐに両方使っていますが、意味は同じだと思ってください。
(ジョンソン端子 = ジョンソン・ターミナル)

これら端子に配線をつなぐ方法は、バナナ・プラグ以外にもいくつかあります。
 つまみを回して ある程度 上にあげると、穴 ↓ が見えてきます。
ここに、被服を剥いてた線を突っ込んで、ツマミを回して締め付けるのが基本ですが、 この穴 テスター棒がちょうど挿さる径なので、↓ こんな風に

マイナス側を挿して、手放しで電圧を測ったりできます。

また、穴が無い場合は、
配線の被覆を長めに剥いて、円を描くように端子の棒の周りに巻き付けてからツマミを締めるか、
または 「丸端子」や「Y端子」を使って配線を留めるのが一般的です。
丸端子
ツマミが外せる陸軍端子にしか ↑ これは使えません。
Y端子
  電源のような絶対に外れて欲しくない線には、外れにくい 丸端子を使うのが普通です。 (でも、Y端子の方が扱いやすい)

 また、端子を取り付けたケースの等の内部で、ハンダ付けで取り付けるのも1つの方法です。
 BOX内部の信号を ここに半田付けする。
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最近は、
 「陸軍式」などという 「軍隊」を連想させる名称が使われる事が敬遠されるようで、この形容詞を外し すべて「ターミナル」で統一される傾向にあります。 そもそも、今の日本には「軍隊」は存在しないらしいので・・・当然か?
 また、
これら「端子」部品は、大きさがデカイので、最近は使われにくくはなって来ています。 それでも 「正しい部品名」や「違いの見分け方」は まだまだ必要な知識です。
 確かな知識を見に付けて、適切な所で 適切な部品が使えるようになってください。




ブレッドボード (EIC-102B)を活用

2019年08月24日 06時30分12秒 | 工具
LEDの明るさなどを実際に確認するには、
 ブレッド・ボード上で 簡単に回路を組んで動かしてみると良い。

私が今回 使用したブレッド・ボートは、
 EIC-102B という型番で、秋月で入手したものだ。 手に入れたのは20年以上も前だと思うが、今でもまったく同じものが売られていた。 ¥700-
(ロングセラー商品なんですね? これって)

 透明のアクリル ケースの上に取り付け、ケース内に5Vの電源と、信号のHi/Low/Plusを判定できる「ロジック テスタ」を入れ、電源スイッチをONすれば、いつでも実験ができるようにしてある。

ロジックテスタは、どこかのキット(H/Lテスタ)で
 Low=緑、Hi=赤、パスルが入ったらブザーを鳴らす
だけの機能だが、非常に重宝している。


 LEDや抵抗といった 部品を挿し、ピン付き配線でつなげていけば 簡単に回路が組めて、動作の確認ができる。

LED消灯(R=4.7KΩ)
点灯!(明るさ確認)
電源を用意する手間が省けて、便利! 便利!

 もっと小さくて安いブレッド・ボードも売られているが、電源用に「陸式ターミナル」が、赤・緑・黒 と3個付いているので、この方が便利に使える。
そういえば、何でこの端子のことを 「陸軍式ターミナル」と呼ぶのだろう?
今度、調べてみるか?・・・   ↓

   透明ケースの左側が空いているので、
   ここに小型のオシロスコープでも入れたら 
   おもしろい かも しれない? (笑)


TTLレベル と 流せる電流

2019年08月23日 06時30分37秒 | 技術資料
8085A-CPU の 信号を、
 特にアドレス・ライン(16本)すべてを LEDでモニタリングしたい。 今、どのアドレスを実行しているのか 目で見て分かるからだ。
 そのために ↓ こんな パターンの基板を手に入れた。名称:「I/O BOARD」
(基板のみで ¥720円… LEDや抵抗、スイッチは自分で用意)
 16個のLEDで 16ビットの信号のHi/Lowを監視(基板の左下側)できると共に、DIPスイッチで16ビットのHi/Low信号を出力できるようだ。

これを使って8085Aが出す アドレス信号を見ようと思うのだが
そもそも、
8085Aの出力端子は、電流を何mAまで流せるのだろうか?
(LEDを直接 駆動できるのだろうか??)

今回手に入れた 三菱のCPU: M5L8085AP のデータ ブック内をかなり探してみたがその数値が見つからない。 TTLで構成されたCPUだろうから「TTLレベル」に準拠しているであろうことは、想像に難くないが・・・

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TTLレベル とは:
 基礎知識のおさらい!
 1)入力の場合
  2V以上あれば Hi とみなし、 0.8V 以下なら Lowと見なす。
 2)出力の場合
  Hiの信号は 2.4V以上の電圧を出力し、Lowの場合は0.4V 以下を保つ事!


 LowとHiの入力、出力信号の条件の差が ノイズ・マージンとなり 誤動作を防いでいる。 入出力間のマージンは両方とも0.4V だが、Hiの入力信号は 5Vから見れば 3Vのマージンがあり、Low信号は 0.8V しか無い・・・とも言える。
 だから、リセットとか割り込みとかの信号は、通常 Hi にしておき、Lowになって 初めて意味のある信号とする 負論理 が使われてきた。 Hi側に吊り上げておけば 3V以上のノイズパルスが入らない限り Lowとはみなされないので、普段 Lowにしておくより安全だからだ! (通常 Lowだと 0.8V程度のノイズが入っただけで Hiと認定される可能性があるから)
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80系のCPUより 最近 流行っている H8系のCPUだと
 LEDを直接駆動できる (10mA以上を流せる)特殊なI/Oピンが用意されていたりする。 例えば、H8/3069のポート5番が まさにそれで、CPUから LEDを 直接  接続して光らせる事が出来る 。 その他のピンは 2mA までしか流せない ・・・ そのことがデータシートに明記されている。

通常は、IOL とか IOH と呼ばれる数値がそれにあたる。
I=電流、O=出力、L=Low・・・ つまり 「出力がLowの時に流せる電流」と
I=電流、O=出力、H= Hi ・・・ つまり 「出力が Hi の時に流せる電流」だ。

 <OKIセミコンダクタ>社の  80C85Aのデータシート↓をみていたら、
それらしき記述を発見した。(OKIの資料↑はたいへん詳しく書かれています)

左2つの CPU は、
 Low出力の時 +2mA で、 出力が Hi の時 -400μA となっている。
 厳密には ① Lowの時に 2mA 流しても 0.45V 以下になることを保証する。
②  Hi の時に -400μA 流しても 2.4V 以上になることを保証する。という意味だが、”この数値で測定している” ということは、これが電流の規格だと考えてい良い。
 Hi出力=「電流 吐き出し」では、取り出せる電流があまりに小さくてLEDは光らせることが出来ないのが分かるし、
 
負論理=「電流 吸い込み」でLEDを接続しないと駄目なことが よく分かる。

ただ、この OKI の8085はC-MOSタイプであり、今ある 三菱の M5L8085APは C-MOSで出来てはいないので(N-MOS? 内部素子が違う)参考にならないかもしれない。 そこで、本家 <Intel>社の 8085Aのデータシート内を探してみた。

そしたら・・・ ↑  ありました。 IOL=2mA、 IOH=-400μA OKIのと同じ。
これで設計しましょう。

それにしても <OKIセミ>の MSM80C85AH というCPUは、他の8085とはすごく違いがあるのが分かった。 C-MOSタイプだから Hi出力でも -2.5mA流せるし、何よりもCPU全体の 消費電流が 20mAしかかからない。 (元祖の1/10の省エネ) これならCPUが熱くはならないだろう。

 これを踏まえて、モニタ用の LEDに流す(流せる)電流を考え、制限抵抗の値を決めます。 ・・・ 負論理なら半分の1mA程度は流しても良いでしょう。
 よって、えいっや!で 抵抗は 3.3KΩ にしました。  あまり使わない値の加? その辺に たくさん余ってたし・・・(笑)

ブレッド・ボードで 実際に使うLEDと3.3KΩをつないで、LEDの明るさを確認します。
① 消灯時:
② 点灯時: (計算上は 1.3mAほど流しているはず)

 なんとか 点灯しているのが分かりますので、これでOK とします。
(本来、このLEDに流すべき電流の1/10ですが 目視判別できるのでOK)

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2020年から 「プログラミング」の授業が始まります。

 その教材として micro:bit のような 小さな制御基板を使って、LEDを点滅させるプログラムなんかを教えるようですが・・・ こういった 本当にLEDを点灯させられる能力があるのか? 電流とは? 抵抗とは?? といった 基本的な所から教えてあげないと、本当の技術者は 育って来ないと思う。
 誰かが考えて、すべて用意されている 「動いて当たり前」のハードウェアを 動かして喜んでいるだけでは・・・ 何も実力は付かないのでは?

 、と 危惧する 老兵 です。






基板カッター (HOZAN K-110)

2019年08月22日 06時30分37秒 | 工具
ユニバーサル基板を使っていく上で、
 どうしても サイズをぴったりに切りたい・・・ という要望が出てきます

そんな時に 便利なのが 
  「基板カッター」=「PCB Cutter」 です。
 
 私が長年使っているのが  K-110という型番ですが、今  手に入る現行品だと K-111という ↓ 型番のようです。 
「PCBカッター」という名前が示す通り、基板を切る専用カッターです。
 1万8000円を超える金額なので おいそれとは買えないかもしれませんが、鉄ノコ(ハンドソー)などで 苦労して切っているよりは、ぜんぜん楽で便利です。 これで アルミ板も アクリル板も綺麗に切れますし、私はこれを買って20年以上 使い込んでいるので もう「元は取った」感じがしています。


 この 基板カッターで使える 「刃」は 2種類あって、ノコギリのような ギザギザのある刃 ↓ では 基板は綺麗に切れません。
←これは木材用
ダイヤモンド刃のヤスリの様な平らな刃 ↓ を使うと 切り口も真っ直ぐで綺麗に切る事が出来ます。

 (↑ K-110-1の方:これが基板用)
この 刃は、本体を買えば 普通に付いてきますので 特に問題はありません。
また、この手の刃が使える電動工具があれば、HOZANの この製品に限らなくとも 基板を切ることができますので、手軽に入手可能な価格帯のものがあれば それでみかまいません。

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では、
具体的に、基板を切る例をお見せしましょう。

 LEDが16個 取り付けられる(緑の方)基板を買ったのですが、取り付けるコネクタが特殊で扱いにくいので、その下に「ユニバーサル基板」を取り付け 2.54mmピッチの ピン・ソケットを追加したいと考えました。
 せっかくなので 元の緑の基板と ほぼ同じ大きさで切り出したいとします。

昨日、説明した<秋月>のユニバーサル基板 ↓(Aタイプ)・・・この赤い線の所で切ることができれば、ほぼ緑の基板と同じ大きさになります。
基板が大きい内(切る前)に 取り付け穴を開けておき、

赤い線を目印に、切っていきます
切り口をやすりで削って 滑らかにして、
細かい粉じんの粉を水で洗えば、「基板の切り出し」完了です。

これで サイズはぴったりです。
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もし、基板カッターを買うのが難しい人が 基板を切りたい場合は、
 鉄ノコを使うよりは カッターで V字に溝を(基板の両面に)入れていおき、机の角で 手で折る方法の方が 楽に切れます。 ただし、大きな基板ならこの方法も使えますが、小さな基板では無理があります。
 やはり、基板カッターを1台は買っておきたいところです。

 たとえ高価な工具でも、あればたいへん便利なものです。