
奇門遁甲術の世界( 副題 天盤「乙」・地盤「甲〜癸」 )
奇門遁甲(きもんとんこう)は、中国で発祥した占術・方位術の一種で、方位を使うことで運命を切り開くためのものです。
三国志に登場する諸葛亮 孔明が駆使し、敗れなかったことで有名です。
このようなことから、歴史を動かしてきた「あまりにも当たりすぎる」占術として有名です。
ここでは、中国の明代や清代の古典や台湾の奇門遁甲書に基づいて解説します。
「奇門遁甲」は、古代中国で生まれた方位術で、代々の皇帝が戦いに勝利するために、兵法の一部として用いました。
その日、その時間の吉となる方位から勝利に導くというものです。
「方遁(ほうとん)」と「術遁(じゅつとん)」という二つの側面があります。
方遁とは方位術です。
そして、もう一つの術遁とは呪術です。
これは日本では紹介されることも稀なものでした。
自分が行動を起こすときの方位と敵を迎え撃つときの方位に加え、自分が生まれたときの命盤を作成して、自らの運勢の流れを正確に占断する方法があります。
奇門遁甲には兵法としての法奇門と占いの術奇門があると言われます。
奇門遁甲は、我が国において方位取りやお水取りに使われることが多いようですが、本場の中国では風水や択日法、命理や雑占にも広く使われています。
つまり、何でも、幅広く奇門遁甲で占います。
奇門遁甲は、誰が使っても高い効果を得られる占術でありますが、そのあまりに強い力を恐れた権力者により、かつては一般の人が学ぶことはおろか、指南書を持つことすら禁じられていたという歴史がありました。
奇門遁甲の天盤・地盤について
奇門遁甲の構成要素である「天盤・地盤」は、一番重要な要素で、十干(じゅっかん)で表します。
天盤・地盤は、干で表せるので、天盤干・地盤干、干、三奇六儀とも呼ばれます。
十干(じゅっかん)は、陰陽五行説の10の要素をあらわしたものです。
天盤は「方位の目的」をつかさどります。
地盤は「個人差」をつかさどります。
目的(求財、求情など)により、天盤の吉方を使うことが重要です。
今回は、全体が長いので、最初に短く以下の天盤干・地盤干を扱います。
天干:乙 地干:甲 錦上添花
美しい木に美しい花が咲く。
良い事に良い事が重なり、喜びに喜びが重なる。
心が幸せに満たされ、更なる幸せを呼び込む。幸せを満喫できる。
天干:乙 地干:乙 伏吟雑草
辺り一面雑草が無駄に生い茂る。
何をしても心が満たされず、やればやるほど失望に繋がる。
日ごろの安定や幸せを見直し、目の前の幸せを大事に。
天干:乙 地干:丙 三奇順遂
草花が朝日を浴びて輝いている。
交友関係が円滑になり、物事が順調に進む。
目上との関係も良好になり、立場の向上に繋がる。
男女関係は悪化。
天干:乙 地干:丁 三奇相佐
香木が燃える芳香で気を静める。
周囲との調和が取れ、万事が安泰で順調に展開する。
特に学業や執筆などの方面では、大きな喜びごとが訪れる。
天干:乙 地干:戊 鮮花名瓶
美しい花が美しい花瓶に生けてある。
有力者との出会いが期待できる。
好感を持たれ、交友関係が円滑になる。
旅行や恋愛面では、喜びごとが訪れる。
天干:乙 地干:己 壌土培花
土壌に恵まれ草花が生い茂る。
良き時と場所を得て、物事が円滑に進むようになる。
環境や交友関係に恵まれ、円満で幸せな生活を享受できる。
天干:乙 地干:庚 日奇被刑
草花が鎌で刈り取られている。
交友関係が損なわれ、争い事が生じる。
喜びごとや平和な交友関係から疎遠になる。
財産争いや夫婦間の問題など。
天干:乙 地干:辛 青竜逃走
生けられた花が鋏で切り取られる。
交友関係が損なわれ、人に裏切られることも。
喜びや財産が手元から失われる。
財産の損失や家畜の損害など。
天干:乙 地干:壬 荷葉蓮花
水辺に美しい蓮の花が咲く。
男性は、楽しく喜びごとの多い遊びや、旅行の誘いが到来する。
女性は、有力者などとの玉の輿の縁談が到来する。
天干:乙 地干:癸 緑野朝露
草花から朝露がはかなく落ちる。
精神的に打たれ弱くなり、世の中のことから逃避したくなる。
何をするにも気力が湧かず、消極的になってしまう。