米疾病対策センター(CDC)が2004年~2012年のインフルエンザ流行シーズンにおける、18歳未満の小児インフルエンザ関連死の動向を報告しています。
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2013/10/23/peds.2013-1493
この期間中に830例の、死亡がありました。
年齢中央値は7歳 、四分位数範囲(IQR:interquartile range)は1歳から12歳。
(すなわち、半数~半数以上の症例は1歳~12歳)
6ヶ月未満の死亡は 94例 11%
6ヶ月から2歳未満の死亡は 114例 14%
2歳から12歳の死亡は 396例 48%
13歳~17歳の死亡は 226例 27% (アレ?)
このうち、35%の小児は、入院前に死亡していました。
既往歴の判明している794例中、基礎疾患のない小児が43%を占めていましたが、
基礎疾患のある高リスク小児より、基礎疾患のない小児の早期死亡リスクが高いことが示されました。
入院前の死亡の相対リスク 1.9(95%CI 1.6~2.4)
発症から3日以内の死亡リスク 1.6(95%CI 1.3~3.0)
急性期合併症は呼吸器合併症が80%以上を占めていました。
肺炎 51%,
急性呼吸窮迫症候群(ARDS) 31%
基礎疾患なしの群では病原性微生物の重複感染の相対リスクが2.0(CI1.5~2.5)と上昇。
死亡例のほとんどが、季節性インフルエンザワクチン接種を受けていませんでした。
この年齢における、インフルエンザワクチンの摂取率は
2008-2009年シーズンでは 24%
2011-2012年シーズンでは 52%
ワクチン接種状況の判明している症例511例中、完全に接種を受けていた症例は、84例 16%に過ぎません。
基礎疾患のない小児においても、見過ごすことの出来ない数のインフルエンザによる死亡がみられ、しかも早期に死に至ることが示されました。
ワクチン接種状況からの分析から、インフルエンザワクチン接種が強く推奨されます。
6ヶ月未満の小児においては、インフルエンザワクチン接種をするには未熟すぎるため、周囲の人々がワクチン接種をして、感染させないことが重要です。