ヨーロッパの合理主義の代表のようなドイツ・フォルクスワーゲン社の不正ソフト問題はドイツ人のイメージを変えさせる程のインパクトがあった出来事です。第二次世界大戦後にヨーロッパは統合、平和、寛容、自由等の理想を掲げ、ドイツはその中でも中心的な役割をはたしてきました。多くの日本人はドイツ人の思考や造り出された物に惚れ込み、過剰なドイツ信奉があったようです。それを過剰なロマン主義と呼んで今になって批判する向きもありますが、この不正問題をもってドイツの理想主義を批判する気にはなれません。この事によって反原発や環境問題が勢いをそがれてしまう事だけは避けなくてはなりません。
理想を追いかける事を愚かと批判し、現実的妥協を賢いとする考えこそ否定されるべきです。
一企業の問題がドイツひいてはEU全体に影響を与えかねない大問題になる可能性が危惧されています。「会社存続の危機にある」とフォルクスワーゲン自身が認識してはいますが、信頼回復の道のりは厳しいと言わざるをえません。
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