
今から約半世紀前,平塚の市街地から国道1号線を一路西に向かって進み,花水川に架かる橋を渡り,大磯の町なかを過ぎて国府本郷あたりまで来たところで西方を望んだ風景がこんな感じである。街道沿いの集落には萱葺屋根の家々が目立つ。右手前方の奥に見えるのは二宮の吾妻山で,左手奥のやや小高い盛り上がりは葛川沿いの海岸段丘だろう。これも昭和20年代の写真ということだが,いかにも時代を感じさせるセピア色の古い絵葉書のような鄙びた趣の景観からして,あるいは戦後間もない頃であるかも知れない。よく見ると自転車が下りに2台,上りに1台,計3台走っているのが確認できる。それに対してクルマはオート三輪のような小型車がたった1台走っているだけだ。道路の両側には,道沿いの家々と車道との緩衝地帯のようなものか,幅の広い路側帯がある。その部分は恐らく非舗装の砂利道なのだろう。自転車はそこを避けて舗装路の端を走っている。
それにしても,何とも閑散として静寂として穏やかで懐かしげで,今にして思えばまるで夢のような道路風景だ。この展望を指して福島県は会津地方の街道風景だと説明されてもワタクシ的には訝る理由はどこにもない。道路というものが本来の意味で人々の生活空間の導線(ライフライン)であった日々,Les jours heureux,ああ,何と牧歌的な時代であったことよ! 《バック・トゥ・ザ・フューチャー》ではないが,こんな時代にほんの一時でも戻ることが出来たら,自転車人としてどれほどシアワセであろうか知らん。もちろん,我が愛車(MTB)を携えての話ですけどネ。
それにしても,何とも閑散として静寂として穏やかで懐かしげで,今にして思えばまるで夢のような道路風景だ。この展望を指して福島県は会津地方の街道風景だと説明されてもワタクシ的には訝る理由はどこにもない。道路というものが本来の意味で人々の生活空間の導線(ライフライン)であった日々,Les jours heureux,ああ,何と牧歌的な時代であったことよ! 《バック・トゥ・ザ・フューチャー》ではないが,こんな時代にほんの一時でも戻ることが出来たら,自転車人としてどれほどシアワセであろうか知らん。もちろん,我が愛車(MTB)を携えての話ですけどネ。