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耳掃除はちゃんとやりましょう!

1999年03月09日 | タカシ
 数日前の朝方,タカシが耳が痛い痛いといって左耳の裏側あたりを押さえていた。ちょうど風邪を引いてしばらく学校を休んでいる時だったので,そのせいかなと思ってちょっとチェックしてみたが,特に腫れていたりする様子は見られない。大丈夫だよ,何ともないよ。多分,ずっと寝ていたから擦れたんだよ,などと言ってその場は済ませた。しかし,それほど堪えがたい痛みではないと思われるものの,その後も断続的に痛がっているようだったので,母がタカシをひざ枕にして,改めて耳の中を丹念にアレコレと探索してみた。すると,ななな~んと,12mm×7mm程の大きさの血のカタマリのような異物が中から出てきたそうな。ヒエーィ,何じゃこれは!? 大変大変! と母が驚いてその異物をこちらに示した。

 父は咄嗟に,以前,橋本敬三医師が書かれた本の中でそんな類のモノを読んだことを思い出し,書架からその本を探して持ってきた。以下にその記載の一部を引用する。


 ....私が学校衛生をやっていたころ,変な男が学校をまわって歩いていた。児童を集め,何かを耳掃除の毛ハケにつけ,細いカギで児童の耳から大豆大の異物をポンポンとっているのをみたことがある。耳丁聹(耳垢)栓塞だ。この技術にはビックリした。専門医なら少なくとも2~3日かかる。これを1分かからずに無痛にとる。
 頭をさげてたずねた。「どこへ行っても医事法違反扱いされていたのに,医師から頭をさげられたのははじめてだ」と秘伝をすっかり教えてくれた。あとで私は研究室の恩師に話したら,その研究を書いてやれと言われて発表した。彼は検査人員100万以上,施術12万におよび,立派な統計をもち,医学書にない生理を知っていた。床屋の小僧上がりの彼は,50年の血みどろの研究が医学会に発表されたことで満足した。世の中には人にしられない名人がいることをつくづく知った。
  (『万病を治せる妙療法・操体法』橋本敬三,昭和52年,農山漁村文化協会)


 
 なるほど確かにタカシの耳から出てきたのは“大豆大の異物”で,よくぞこんなに大きくて硬いモノが耳の穴を塞いでいたものだと感心する。7年間コツコツと地道に育み貯えてきた成果品ではありましょう(ケースに入れて封印して大事に仕舞っておこう)。しかしこれじゃあ,日頃,母や父のガミガミ小言に対するタカシの反応が鈍かったのも頷ける。要するに外部の音がマトモに聞こえていなかったわけだ。

 多分,昔の子供らは耳掃除なんかほとんどやらなかったのだろう。そして,耳の中も煤だらけ,まっ黒クロスケだったのだろう(ちなみに上記の話は,昭和初期の頃のことらしい)。タカシも,こと耳のお手入れに関してはムカシの子供らと同類ということだ。全ては親の不徳,いや不精のせいである。お恥かしい。

 以上,小さい頃から耳掃除はこまめにやった方がよい,というアタリマエの教訓であった。
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