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「視力低下・要注意」のレッテルを貼られて

2003年04月09日 | タカシ
 最近になって,タカシの視力がかなり悪くなっていることに気が付いた。以前からその兆候がなかったわけではない。今からちょうど一年ほど前のことになるが,小学校での年度始めの身体検査で「視力低下・要注意」のレッテルを貼られて家に戻ってきた。その時は,まぁ,毎日毎日TVゲーム(PS2&GC)に夢中になっていることだし,携帯用のゲーム(GBA)にも目がないし,マンガ本(One Peace & Rave)だって絶えず手放さないし,加えて両親ともども視力は非常に悪いわけだし,これじゃあタカシだって目が悪くなるのも無理ないわな,と素直に納得した程度であった。それでも,今のところはせいぜい片眼0.5前後くらいで,日常的な注意と努力によって何とか回復の余地があるかも知れない,などと当方としても事態を少々甘く考えていたところがあった。

 しかるに現在では,部屋のなかでちょっと離れた対象物を見るときなど,必要以上にやたらと目を細める。2~3m先の壁掛け時計の秒針が見えない。テレビ台の上に置いてあるデジタル電波時計の文字も読めない。面白そうなテレビ番組を見るときなど,すぐに1mくらい真近に近寄ってしまう。要するにかなり深刻な状態に陥っているのである。親の不明を深く恥じねばならない。

 春休みを利用して,母がタカシを赤十字病院の眼科に連れて行った。視力検査の結果は,何と,両眼とも0.1と診断された。親もショックだが,本人はそれ以上の大ショックだったようで,先生や看護婦さんの前でいきなり泣き出してしまったという。そしてその後の検査が続行不能となったため,しばらくのあいだ病院の廊下で本人の気持ちが収まるのを待ったということだが,結局のところ,それ以上の検査は出来ずにそのまま家に帰ってきた。

 タカシにしてみれば,単に眼鏡を掛けることがハズカシイ,より正確に言えば,眼鏡を掛けた自分を周囲の人々から見られるのがハズカシイ,というわけなのだろう。聞けば,現在のクラスの男子で眼鏡を掛けている子は15人中で2人だけだという。女の子の方も2~3人程度だそうだ。小学校6年生としては,タカシのクラスにおけるこの眼鏡装用割合は意外と低いように思われるが,他の地域での現状は一体どうなっているのだろう? いずれにしても,年頃に相応の自意識過剰による予断がタカシをして眼鏡を掛けた自分を必要以上にカッコ悪いと思わせているに過ぎないのではあるけれども,それは親の側から見た理屈であって,もともと意固地な性格なタカシゆえ,これを説得するのはなかなか大変である。さまざまな言葉をもってナダメたりスカシたりして説明しても,当の本人はやがて顔を伏せ,耳を塞いでカタマッテしまう。

 もう,しょうがないなぁ。取りあえずの妥協策として,父は「視力回復トレーニング」に関する本を何冊か仕入れてきた。この手の類書は世に山ほど存在するようだが,なかで信頼できそうなテキストをひとつだけ選び(特に名を秘す),そして,視力回復のための訓練を少なくとも当面1ヶ月間,4月いっぱいは毎日続けること,その後再び視力を測定して,多少とも改善のきざしが認められるようであれば,さらに訓練を継続し,もしまったく変化が見られないようならば,潔く眼鏡を作ることにする。そういうことで本人を納得させた。

 現在,タカシはそのトレーニングを毎朝・毎晩,一生懸命やっている。朝などはトレーニングのためにタカシ専用の目覚まし時計を6時20分に合わせ,家族のなかで一番早く起床しているくらいだ。そして,昼間にTVゲームをやったりマンガを読んだりする時間も最近では目に見えて減っているように思う。そのような行動の端々から,何としても眼鏡は避けたいというタカシの強い思いがうかがえて親としては少し嬉しくなる(相変わらず甘いか?)。 自助努力が,やがて報われるといいのだが....
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