ルパンのトレードマークといえば、短髪にモミアゲですが、
アニメ化以前の1967年の連載当初の漫画の設定では、
当時大人気だったビートルズ人気にあやかろうということで、
長髪になる予定でした。
しかし、初めての連載時に原作者のモンキー・パンチ先生が
締め切りを忘れていて、
長髪だと描くのに手間がかかって間に合わないので、
時間を短縮させるため、
それまで長髪で描いていたのを修正液で消してまで
短髪に変えたのだそうです。
(長髪だと描くのに5分位かかったが、短髪だと30秒位になり、
20ページの原稿だと約1時間短縮になったとのこと)
さらにルパンには次元大介という相棒がいますが、
新しくキャラクターを描くのが面倒くさいということで、
ルパンに髭を生やして、
帽子を乗せただけだったのです。
ルパンと顔が同じでも、
髭と帽子を付け足したそのふたつの違いだけで
、いつでもどちらにも描き直せるといった理由から、
銭形にしても顎だけ変えればルパンになる、
といった造形になっているそうです。
またルパンの永遠のライバルである銭形警部との
奇妙な関係があります。
実は原作ではこれも設定が描かれていて、
銭形は東西京北大学法学部出身とう設定なのですが、
その三学年下にルパンが在籍しているという設定なのです。
さらにルパンと同じ学年の法学部には峰不二子が在籍していたという設定で、
なんと3人は大学時代からの知り合いだったのです!
実際に原作漫画の4巻には、
ルパン三世が暇潰しに東大の受験を試みたことや、
在学中に永遠のライバルとなる銭形警部や峰不二子などとの出会いなども、
しっかりと描かれています。
つまり、警部と怪盗になる前から大学時代を共に過ごしていたというわけです。
意外なエピソードですよね。
他にも、ルパン三世と峰不二子には息子が存在し、
ルパン三世続編「ルパン小僧」という漫画があります。
この漫画はモンキーパンチが出版社からの要請に
断りきれず作画したものであり、
大泥棒を目指すというストーリー設定で始まった作品。
しかし、その後すぐに出版社が倒産したため、
廃刊となってしまった幻の漫画だそうです。
漫画の中では「ルパン四世」と呼ばれており、
作成されたストーリーは全18話、
単行本で2巻が出版されています。
参考までに「ルパン8世」という漫画も存在しています。
宇宙を舞台にSF風に描かれたシリーズであり、
ルパン8世の職業は「探偵」になっています。
ルパンが大ヒットして以降
「文学作品に登場する著名人を祖父母に持つ主人公」が
活躍する作品が次々と誕生し、
代表的な作品とし、漫画「金田一少年の事件簿」は、
講談社の編集者がルパン三世をヒントに
思いついた作品だそうです。
最後に、ルパン三世のアニメの原型は『トムとジェリー』から
採用しているそうです。モンキー・パンチは
トムとジェリーの掛け合いが好きで、
そのままルパン三世の世界として採用しています。
トムは銭型警部、ジェリーはルパン三世、という事になりますね。