ドラマナビ

最新ドラマの動画・出演者・画像・ロケ地・あらすじ・感想・予告・ストーリー・視聴率・・・

幕末会津の女たち、男たち 山本八重よ銃をとれ

2013-03-04 20:57:46 | ドラマナビ
昨今何かと批判されることの多いNHKの大河ドラマだが、やはり経済効果は大きい。
 ドラマの舞台になると、いわゆるご当地観光をはじめとした観光産業だけでなく、出版業界も大河ドラマ関連の本が多く店頭に並ぶことをみると大きな恩恵を受けているといえる。
 今年の「八重の桜」は幕末動乱期を生きた山本八重(のち同志社大学の創立者新島襄の妻となる)が主人公ということで、会津関連や八重関連の本が本屋さんに溢れている。
 この本のそのうちの一冊といっていいが、会津のことならこの人に訊けといわれるくらいの会津通である直木賞作家の中村彰彦であるから、読み物としても面白いし、八重の人生の章(「山本八重よ銃をとれ」というタイトルも抜群にうまい)も、これから大河ドラマを楽しみ副読本として楽しめる。

 NHKのドラマでは綾瀬はるかさんが主人公の八重を演じているが、実際の八重は「ともかくよく肥えていて猪首、臼のような腰つきをしていて顔が大きいので、ずんぐりした印象」だそうで、まあドラマだからそれをそのままの女優を使うわけにはいかない。
 当時の武家娘の規格を大いに逸脱していただろう八重を、綾瀬はるかさんは見事に演じている。
 出色なのは会津藩主松平容保を演じている綾野剛さん。歴史の教科書に載っている容保にそっくり。線が細い感じなんかそのままだ。
 それと会津藩家老西郷頼母役の西田敏行さん。会津に行くと、西郷一族の悲劇のさまが今では観光コースになっているが、この本の中でも「西郷一族二十一人、自刃の真実」と題された文章が載っている。
 実際にはかなり問題のあった人のようだし、これはこれでドラマとの違いを読むのに興味は尽きない。

 この本にはむろん白虎隊の悲劇の章(「白虎隊百四十年めの真実」)や容保の義姉照姫(ドラマでは稲森いずみさんが演じている)のことを書いた「松平容保を慕った美貌の姫君」という文章もある。
 ドラマの方はもうすぐ前半の山場となる戊辰戦争、鶴ヶ城落城となるのだろうが、ぜひその前に本書を読まれることをお勧めする。
 きっとドラマが何倍か面白くなるだろう。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。